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(3) 管理作業の省力化
 1)養殖容器の付着物対策
 トリガイ養殖は、トリガイを入れた容器を海中に吊るして行なうため、養殖容器にはフジツボ類、ムラサキイガイ、ホヤ類などの付着物が多く付きます。これらが付着すると容器を海中から引き上げる際に重くて、重労働となるばかりか、トリガイの餌であるプランクトンを横取りしてしまうため、トリガイの成長にも悪影響を及ぼします。特に網ふたに付着物が付くとこの影響は顕著であり、ひどくなると網ふた全体を覆ってしまい、養殖貝が死んでしまうこともあります(図4)。そのため、付着物対策はトリガイ養殖を行なう上で重要なことです。
 
 1養殖容器の交換
 試験では、付着物のついた容器を掃除して、そのまま使っていましたが、この方法で大量の養殖をすると作業時間がかかりすぎます。そこで、毎回新しい容器に交換することにしました。付着物の関係で2ヶ月おきに1回交換しますが、一度に全部を交換するのならば養殖数の2倍のコンテナを準備する必要があります。毎月半分量を交換するならば、養殖数の1.5 倍のコンテナを準備します。交換したコンテナは、後日掃除しますが、付着物の掃除は乾燥後行えば比較的容易にできます。
 網ふたの交換も同様に作業時に交換しますが、養殖開始当初(7〜10月まで)は、害敵生物の侵入を防ぐため細かい網(10mm目合)を、その後は25mm目合のものを用います。準備する網ふたはコンテナと同じ数が必要です。
 
 2防汚剤の利用
 養殖容器に付着物を付きにくくするには、防汚塗料を養殖容器に塗布すると効果があります(図5)。海洋センターで使用したのはシリコン系の塗料で、生物には無害とされています。ただし、この処理をすると、1コンテナ当たり600円程度の費用が必要となります。これまでの経験から2ヶ月ごとにコンテナ交換を行なえば最初の1年間はほとんど付着物は付かず、掃除の必要が無く、2 年間効果が認められました。また、2年目まで防汚効果を期待しないのであれば、1年間コンテナ交換すること無く海に漬けっ放しで養殖できることがわかりました。このように防汚塗料を用いると毎回の管理作業・コンテナ掃除の作業を大幅に軽減することができます。しかし、処理費用が高くつくのが欠点です。この方法を用いるかどうかは漁業者の考えにお任せしたいと思います。
 防汚剤は網ふたにも応用でき、防汚剤を塗っておけば、無処理の場合は1カ月で交換が必要な10mm目合の網ふたを用いる場合でも2ヶ月持ちます。7月半ばから9 月半ばまでの2か月間は、水温が高くトリガイの活力が鈍っている時期であるため、できるだけそっとしておいたほうが生き残りが良くなります。このようなことから、10mm目合のふたに防汚剤を塗っておくことは必要です。ちなみに、一枚のふたに必要な防汚剤の費用は約70円です。
 
 3洗浄機の導入
 使用するコンテナ数が増えてくると、付着物の付いたコンテナを掃除するのは結構大変な作業になります。そこで海洋センターでは、図6に示すようなコンテナと網ふたを洗浄するための専用の装置を試作しました。この装置を2〜3人で使って作業をすると、1時間当たりコンテナなら50個、ふたなら100 枚程度洗浄できます。人力での掃除に比べると時間的には半分以下ですし、疲労もほとんどありません。ただし、この機器は高価であることから、個人の漁業者の方々にはこの機械の心臓部である市販の高圧洗浄器を導入することをお勧めします。
 

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