おわりに 海洋センターでは、養殖技術を本当に漁業者のものとなる技術まで仕上げよう、ということで試験を実施してきました。これまで、試験研究機関で良い結果が得られたものでも、漁業者の手元に移したら、なかなか描いた絵のようにはならないという場合もありました。今回は、なんとか漁業者の方々に技術を習得していただいたと実感できるところまで到達しましたが、振り返ってみると、それまで長い試験期間が必要でした。試験と漁業の現場の技術段差を埋めるため、研究員が漁業者の方々と一緒に汗を流しながら、共同作業を行ない、漁業の現場に即した技術を開発してきました。今後、我々試験研究機関のスタッフが、研究成果を漁業の現場で本当に役立てていただこうとするならば、こういった漁業者側から望まれる技術の開発も取り組んでいく必要があるでしょう。
海洋センターでトリガイの種苗生産技術開発に取り組み初めてから、20年という年月が経過しています。増殖、養殖の2つ研究の取り組みの中で、増殖研究においても近々成果が紹介できるところまできていますが、養殖研究においては、一足早く実用化がはかれそうです。今後、本冊子が活用され、トリガイ養殖が早い時期に京都府の漁業の中の一養殖業として定着することを願っています。 |
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