ホーム > 京都府レッドデータブック2015

京都府自然環境目録2015

文字の大きさ

レッドデータブック > 自然環境目録 > 両生類 > 両生類の概要

目録を検索する

両生類のロゴマーク両生類の概要

京都府の両生類相

2002年版レッドデータブック作製時に京都府での定着が確認されていた両生類は、在来種のサンショウウオ目3科6種、カエル目4科14種1亜種(15種類)に外来種のウシガエルを加えた合計7科21種1亜種(22種類)であったが、その後、外来種チュウゴクオオサンショウウオも確認された。また分類の変更があり、新たに1科が加わった。

2002年版レッドデータブックには、在来種のうちニホンアマガエルとタゴガエルを除くすべてが、その分布域、個体数を激減させているか、生息情報の詳細が把握できていないと結論され、掲載された。その後の調査で、外来種ウシガエルの生息数と分布域は、安定ないし増大していると判定されたが、ニホンアマガエルとタゴガエルは、危機的状況に至っていないものの、減少傾向にあることがわかってきた。

そして、2002年時点で府下での定着が確認された22種類のうち、ハコネサンショウウオとナガレタゴガエルは、重点的な調査を行ったにもかかわらず、生息地点数は増加しなかった。残り17種についても、2002年当時よりも生息状況が悪化しているか、よくてもほぼ同様と見られる状況に留まっている状態である。

限定された環境を生息場所とし、環境変化に対してきわめて弱いサンショウウオ類は、その後も減少傾向が著しい。かつては都市内で普通に見られたというが、2002年にはすでにほとんどの場所で絶滅してしまっていたカスミサンショウウオや、近年北陸地方で発見が続いたアベサンショウウオは、精力的な調査によっても府内における新産地は発見できていないし、その生息地となる低地二次林環境の悪化が続いている。

山地性のハコネサンショウウオについても事情は同じで、新産地は発見されていない。なお、この種は、詳細な研究の結果、府内に遺伝的に異なる2系統が生息しており、いくつかの産地では混生していることもわかってきた。一方、ヒダサンショウウオについては、異常気象の影響を受けて地形や水脈の大きな変化があり、生息数が激減している地域もある。

最も大きな問題を抱えているのはオオサンショウウオである。生息地の河川における人為的環境改変は続いているが、それ以上に大きな問題となっているのは、外来種チュウゴクオオサンショウウオが京都市内を中心にかなり前から定着し、しかも自然交雑による雑種が個体群のほとんどを占めていることである。これに対して、外来種と雑種の駆除がはじまったが、その効果が出る前に在来の純粋種が絶滅するおそれが高いのである。

アカハライモリにおいても、都市近郊での減少はとまっておらず、完全に絶滅したと見られる地域が増えている。

執筆者 松井正文

レッドデータブック > 自然環境目録 > 両生類 > 両生類の概要

京都府レッドデータブックに掲載されている野生生物や地形・地質、生態系などに関する情報がありましたら、情報提供フォームからお寄せください。

情報提供フォーム

お問い合わせ先:京都府環境部自然環境保全課
TEL:075-414-4706 FAX:075-414-4705
E-Mail:[email protected]
〒602-8570 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ページの先頭に戻る