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京都府レッドデータブック2015

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サンショウウオ目 オオサンショウウオ科

オオサンショウウオ

Andrias japonicus (Temminck, 1836)
京都府カテゴリー

絶滅危惧種

2002年版 絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
京都方言 あんこ
オオサンショウウオ

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選定理由

国指定の特別天然記念物で、環境庁レッドリスト2012年版に掲載。府指定の希少野生生物。限定された環境を生息場所としているため、環境変化に弱く減少傾向にある。環境指標性が高い。府下で、近縁の外来種チュウゴクオオサンショウウオによる遺伝子汚染が進んでいる。

形態

全長は平均650mm程度で、ときに1mを超える。体は扁平で、頭部は大きく四肢は短い。暗褐色で黒斑がある。孵化直後は全身が黒色で、幼生は外鰓を備える。

◎近似種との区別 成体は大型であること、幼生は黒一色で模様がないことで、サンショウウオ類やアカハライモリと区別できる。外来種チュウゴクオオサンショウウオより鼻先が厚く先端が寸断されない。また体表のいぼが多く、暗色斑紋は連続して大型となることは少ない。

分布

岐阜県、愛知県以西の本州、九州の一部。

◎府内の分布区域 丹後~山城地域の限られた地域。厳密な自然分布域は不明。

生態的特性

低山から平地にかけての流水中に生息し、岩石の間や河岸の穴に潜む。生涯を水中ですごし、水から出ることはまれである。河川の中流~上流に生息するが、しばしば流下個体が市街地で発見される。繁殖時期は8月下旬~9月中旬で、大型のオスは岸辺の横穴を占有し、メスが入り込んで産卵した後も、巣穴に残って卵を保護する。幼生は冬に孵化し、渓流中に分散するがその後の生態は不明。孵化後3年で変態し、おそらく5年以上たって性的成熟する。サワガニや小魚を捕食する。

生息地の現状

河川によっては、堰堤やダムの設置により繁殖のための移動が阻害されており、河川改修工事や圃場整備事業、道路拡幅工事に伴う護岸工事等によって産卵場が影響を受けている。京都市の複数河川で外来種チュウゴクオオサンショウウオの遺伝子汚染が進み、雑種が急増して純粋種は絶滅の危機に瀕している。

生存に対する脅威

河川内の縦断方向の移動を妨げる分断、産卵巣となる横穴の破壊。交雑による遺伝子汚染、生息場所、餌の減少。

必要な保全対策

生涯の生息場所である河川環境と、餌の一部の生息場所である周辺の陸環境を保全していく必要があり、河川に手を加える場合には、こうした点を考慮するべきである。すでに交雑の起こっている河川での外来種と雑種の除去は緊急の課題であり、またそれらのほかの河川への侵入を防ぐ必要がある。

関連法令

文化財保護法(特別天然記念物)、京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例(指定希少野生生物)

その他

日本固有種

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