種子植物
種子植物ボタン科

ベニバナヤマシャクヤク

Paeonia obovata Maxim.

選定理由	生育地並びに個体数が少なく、園芸用の採集が目立つ。
形態	茎は高さ30～80cm。葉は2回3出複葉。花は淡紅色から白色、柱頭は長くうず状に巻く。花は葉から抜きんでて咲く。ヤマシャクヤクは花は白色、柱頭は巻かず、花は葉に抱かれるように咲く。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅱ（平凡社）111、原色日本植物図鑑草本編Ⅱ（保育社）217、f. 98: 3
分布	本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸東北部。 ◎府内の分布記録区域　丹後地域、中丹地域、南丹地域、京都市域北部。
生存に対する脅威	園芸用の採集、森林の暗化。
必要な保全対策	採集の自粛（府の指定希少野生生物であり、無許可採集が条例で禁止されている）、森林（植林地も）の間伐。
特記事項	大陸系温帯種の遺存と考えられる。京都府草木誌には記録されていない。府内のベニバナヤマシャクヤクには葉裏が無毛のものが一般的で、花色も白が多い。ここでは区別しないでおく。今のところ、シカの忌避植物である。
関係法令	京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例（指定希少野生生物）

執筆者　西沢信一、山本義則

絶滅寸前種