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鞘翅(コウチュウ)目 ゲンゴロウ科

オオイチモンジシマゲンゴロウ

Hydaticus conspersus conspersus Regimbart, 1899
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類(EN)
オオイチモンジシマゲンゴロウ

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選定理由

全国的に記録の少ないゲンゴロウである。関東地方と東北地方を除くと、京都府や滋賀県で数か所の産地が知られているにすぎない。平地から低山地にかけての水域に生息する種類であるため、住宅やゴルフ場の開発により生息地の多くが奪われた可能性が高い。

形態

原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 1985)PL. 35、No. 16、図説日本のゲンゴロウ(環境科学(株) 1993)No. 99-Aを参照。体長16.0~18.0mm。体は卵形でやや扁平。頭部と前胸部は黄褐色、上翅は黒色に特有の斑紋を有するため、同定を誤ることはない。体下面は赤褐色。南西諸島(沖縄本島、西表島)には亜種リュウキュウオオイチモンジシマゲンゴロウH. conspersus sakishimanusが分布するが、これよりも大型でやや幅が広い。

分布

京都府、滋賀県、関東地方、東北地方。

◎府内の分布区域 京都市伏見区、宇治市。

生態的特性

平地から低山地にかけての貧栄養の池や水たまり、弱い流れのある浅い水域を好む。移動力が強く、夜間灯火に飛来するほか、昼間にも飛翔することが知られる。

生息地の現状

府内では1934年に伏見区伏見稲荷で記録されている。また伏見区では1996年、日中に市街地を飛翔していた1頭が採集され、2014年にも同区の別地域で1頭捕獲され、さらに伏見区に近い宇治市で2011年に1頭が発見されていることから、周辺に安定した発生地があることが期待されるが、詳細は明らかでない。

生存に対する脅威

生息地の池沼の消滅、農薬の流入などによる水質汚染。

必要な保全対策

生息場所となる貧栄養の湿地の維持保全。

文献 飯田(1939)、森、北山(1993)、正木(1998)

執筆者 芦田久(補筆:吉安裕)

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