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鞘翅(コウチュウ)目 ゲンゴロウ科

ナミゲンゴロウ(ゲンゴロウ)

Cybister japonicus Sharp, 1873
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
ナミゲンゴロウ

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選定理由

平地から低山地の池沼に普通に見られた水生甲虫であるが、圃場整備等による池沼の消滅、改修、農薬の流入による水質悪化などにより、近年ほとんど見られなくなった。

形態

原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 1985)PL. 36、nO. 6、図説日本のゲンゴロウ(環境科学(株) 1993)No. 114を参照。体長34.0~42.0mm。日本本土では最大のゲンゴロウ。体型は卵形でやや扁平。背面は緑色あるいは褐色を帯びた黒色で、オスは強い光沢があるが、メスでは光沢は弱い。前胸背と上翅の側縁は黄色。腹面は黄色~黄褐色。オスの前?節の基部3節は楕円形に広がり、吸盤状となる。

分布

北海道、本州、四国、九州。中国大陸、台湾、朝鮮半島、シベリア。

◎府内の分布区域 亀岡市南部や京丹後市弥栄町など。

生態的特性

平地から低山地の、水生植物の多い池沼や休耕田に生息する。幼虫は水中で他の小動物を捕食し、成熟すると浅瀬から陸上に上がり土中で蛹化する。成虫も水中で生活するが、よく飛翔して移動することが知られ、灯火にも飛来する。

生息地の現状

かつては府内のほぼ全域で見られたものと思われるが、現在でも生息が確認されるのは亀岡市南部や京丹後市弥栄町など数か所にすぎない。

生存に対する脅威

圃場整備等による池沼の改修、消滅、農薬の流入による水質悪化。大きな池では、ブラックバスなどの外来魚による捕食。

必要な保全対策

①少なくとも周囲の一部が護岸されておらず、②水深の浅い部分があり、③そこに水生植物が多く、④汚水や農薬が流入せず、⑤外来魚が繁殖しないような池を各地につくれば、回復の見込みはあると思われる。

文献 森、北山(1993)

執筆者 芦田久

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