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鞘翅(コウチュウ)目 ハムシ科

キンイロネクイハムシ

Donacia japana Chujo et Goecke, 1956
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 準絶滅危惧(NT)

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選定理由

厳密に水生植物に依存した生活史を持つ。京都府に産するネクイハムシ亜科のハムシは5種あって、ツヤネクイハムシと本種は京都がタイプ産地である。

形態

原色昆虫大図鑑(Ⅱ)甲虫篇(北隆館 1963)PL. 161、No. 4、原色日本甲虫図鑑(Ⅳ)(保育社 1984)PL. 29、No. 13、日本のネクイハムシ(むし社 2012)PL. 7、No. 1-6を参照。体長8.0mm、ネクイハムシ亜科の甲虫は皆、外形がよく似ていて銅色光沢が強い。上翅には細い横しわを有し、前胸背板には強い点刻を密に装い、強い横しわを側方部に有する。

分布

北海道、本州、九州、中国東北部(?)、朝鮮半島(?)。

◎府内の分布区域 京都市北区深泥池(本種のタイプ産地、 1950年代の標本は残っているが、1980年以降は確認されず、絶滅したものと推定される): 京都市左京区鞍馬:京都市右京区嵐山、嵯峨、天竜寺周辺: 京都市南区上久世町桂川: 南山城村野殿。

生態的特性

本種の成虫の寄主植物、産卵植物としては、ミクリ、ヤマトミクリ、ヒメミクリが知られている。

生息地の現状

タイプ産地である深泥池は市街地化しており、鞍馬山は植林が進み、嵐山・嵯峨は市街地化が著しい。

生存に対する脅威

既知産地のいずれも変貌が激しく、特に水生植物が依存する湿地は変化を受けやすいから、それを寄主とする本種も不安定な立場に置かれている。京都市内ではほとんど絶滅したものと推定される。

必要な保全対策

湿地のみを保全することは不可能であり、貴船・鞍馬地区、深泥池、嵐山・嵯峨地区等、周辺地域まで含んだ広い範囲の保全が必須である。

文献 木元、滝沢(1994)、野尻湖昆虫グループ(1985)

執筆者 高橋敞(加筆修正:水野弘造)

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