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京都府レッドデータブック2015

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鱗翅(チョウ)目 タテハチョウ科

ヒメヒカゲ

Coenonympha oedippus arothius Okada et Torii, 1945
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類(EN)

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選定理由

全国的に減少傾向にあり、府内でもほとんどの産地で絶滅したと考えられるため。

形態

前翅長16.0~23.0mmの小型のジャノメチョウ。翅表は黒色だが、メスでは淡黒褐色となる。裏面は黄褐色で、眼状紋があるが眼状紋の数には個体変異がある。また、後翅の眼状紋列の内側に淡い白帯が現れる個体もある。

◎近似種との区別 北海道に分布する同属のシロオビヒメヒカゲは、地色が赤褐色で裏面に明瞭な白帯があるので、区別は容易。

分布

本州の中部~中国地方に局地的に分布する。

◎府内の分布区域 北部地域(福知山市)と中部地域(京丹波町、南丹市日吉町、美山町、亀岡市)から記録があるが、ほとんどの産地では姿が見られなくなった。

生態的特性

年1化で、成虫は6~7月に見られる。成虫は明るい草原を日中ゆるやかに飛ぶ。湿性草地に生息する場合と、高標高地の乾性草地に生息する場合が知られている。幼虫は主にカヤツリグサ科のスゲ類を食草としているが、イネ科も利用することがある。主に3齢幼虫で越冬する。

生息地の現状

府内では、ほとんどの産地で絶滅したと考えられる。原因としては、遷移の進行に伴う環境の変化、開発などの影響が考えられる。

生存に対する脅威

全国的に激減しており、絶滅が心配されている種である。本種の衰亡の原因としては、開発や遷移の進行に伴う環境の変化、植林、農薬散布、過度な採集圧など、様々な要因が複合的に作用している可能性が高い。また、小さな発生地に採集者が集中することも脅威となる。

必要な保全対策

未発見の生息地がまだ残されている可能性があり、継続調査が必要である。また、生息地となる草原は、放置しておけば遷移が進行していくため、本種のような草原性チョウ類の保護には、人間による適切な草原の維持管理が重要だと考えられる。さらに、わずかに残された個体群を維持するためには、地域を限定した採集規制や人工増殖も検討する必要があろう。

その他

日本固有種

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