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長翅(シリアゲムシ)目 ガガンボモドキ科

イッシキガガンボモドキ

Bittacus issikii Miyamoto, 1979
京都府カテゴリー

絶滅危惧種

2002年版 絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー なし

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選定理由

生息域が限られ個体数が少なく、特に京都府では1か所の産地しか知られていない。河岸の林に生息するため、生息環境自体が失われやすい。また、環境指標性も高い。

形態

身体は細く、黄褐色。翅は透明で細かい翅脈が目立つ。脚は著しく長い。きわめて近似した種が多くあり、同定はオスの外部生殖器を含めて調べる必要がある。

分布

本州、四国に分布。 

◎府内の分布区域 京都府では木津川市加茂町の木津川河岸のみから知られる。ただし地域によって生息環境が異なり、かつ形質的な差異が指摘されている。

生態的特性

詳しい生態は不明であるが、幼虫はおそらく林内の地表に生息する。成虫は林縁に見られ、捕食性で、飛翔中の小昆虫を脚で捕らえることができる。また、この仲間はオスがメスに獲物を差し出し、メスが摂食中に交尾するという奇習が知られる。本種はかつては広い河川の河岸段丘上の林や、あるいはさらに平地の林に広く分布していたと思われる。しかし、次第に開発や河川の改修などによって生息域を狭められ、現在わずかな生息地を残すのみとなったと考えられ、個体数も少なく絶滅の脅威にさらされている。差し当たりは、残された環境を十分に保護することが重要である。

生息地の現状

近年、木津川河畔は、定期的な雑草管理や出水に伴って安全性確保のための河川改修も一部すすんでおり、本種の生息環境は発見当時よりも悪化していると思われる。

生存に対する脅威

出水や河川改修による河畔の植生の変化と消滅。

必要な保全対策

生息地の植生等が部分的にでも維持できるような改修工事や雑草管理。

その他

日本固有種

文献 加納ほか(1995)、冨永(2000ab)

執筆者 大石久志

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