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京都府レッドデータブック2015

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双翅(ハエ)目 ハナアブ科

ハナダカマガリモンハナアブ

Anasimyia lineata (Fabricius, 1717)
京都府カテゴリー

絶滅危惧種

2002年版 絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー なし

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選定理由

京都府では深泥池に固有。自然度の高い湿地に限って生息する種で、しかも本州ではごく少数の産地しか知られていない。生息可能な環境は極めて限定されていて、範囲も狭いため、各地とも絶滅の危険性が高い。

形態

近縁種の中ではやや小型の種。身体は黒色で、胸部には2対の灰色の縦条があり、腹部の両側には3対の黄色紋(メスではやや灰色を帯びる)をもつ。翅はほぼ透明。脚は黄色で黒紋がある。顔面の下方が強く前方へ突出し、他種から容易に識別できる。

分布

ヨーロッパから日本。日本では北海道、福井県、京都府、奈良県(本州では各1か所)のみ。

◎府内の分布区域 深泥池。

生態的特性

年1化と思われる。幼虫は水生で、泥土中の植物性の腐植物を食べ、長く延びた尾部を水面に出して呼吸する。深泥池ではミツガシワを食した例が知られているが、この植物が分布しない湿地でも生息が確認された。成虫は湿地に咲く各種の花を訪れる。かつては近畿地方にも広く分布していた種であるが、環境の変化に伴って著しく産地が狭まったと考えられる。奈良県における観察では、自然度の高い環境にのみ生息し、隣接する水田には生息域を広げていない。現在深泥池では広い範囲にわたって見られ、個体数も多い。しかし環境の変化には敏感であるので、その存続は予断を許さない。

必要な保全対策

生息地の保全。

文献 遠藤(1981、1994)、木村(1980、1991d)

執筆者 大石久志

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