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膜翅(ハチ)目 クモバチ科

ムツボシクモバチ ムツボシベッコウからの名称変更

Anoplius viaticus (Linnaeus, 1758)
京都府カテゴリー

絶滅寸前種 

2002年版 絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 準絶滅危惧(NT)

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選定理由

戦前の観察記録があるが、府内での確実な記録は見当たらない。旧北区の温帯圏に広く分布する種で、本州に分布する。おそらく、かつては府内の河川の川原の砂地などに生息していたと見られるが、近年、まったく報告・知見がなく、絶滅が危惧される。

形態

体長8.0~15.0mm、黒色、腹部1~3節に3対の橙赤色の斑紋。

分布

本州、ユーラシアからアフリカ北部に分布。

生態的特性

元来、洪水などの影響を受けやすい不安定な環境に生息していたと見られる。成体越冬したメスは、春先(3~4月)にチガヤなどの生えている川原などの砂地で、コモリグモ類(特にハラクロコモリグモ)を狩る。夕刻に営巣活動することが多い。秋に成虫が羽化するが、営巣活動は見られず、メスだけが翌年の春まで越冬する。岩田久二雄氏による大阪府の猪名川川原で1927~1928年の観察、1940年代初めに関東で丸山工作氏による詳しい観察記録がある。

生息地の現状

長年にわたる河川改修によって川原の砂地が消失し、コモリグモ類が減少している。

生存に対する脅威

生息環境の改変とそれに伴う獲物の減少。長年にわたる河川改修によって川原の砂地が消失し、コモリグモ類が減少している。

必要な保全対策

川原などの自然環境の回復は必要であるが、すでにソース個体群自体が壊滅している心配がある。

改訂の理由

近年まったく確認されておらず、周辺の府県の状況からも生息の可能性が極めて低いと考えられるため。

文献 丸山(1943)、岩田(1975b)

執筆者 遠藤彰、松本吏樹郎

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