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京都府レッドデータブック2015

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鱗翅(チョウ)目 タテハチョウ科

オオムラサキ

Sasakia charonda charonda (Hewitson, [1863] )
京都府カテゴリー

準絶滅危惧種

2002年版 準絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 準絶滅危惧(NT)

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選定理由

府内には広く分布するが、産地がやや局地的で、府内の産地では個体数が少ないと考えられるため。

形態

前翅長43.0~68.0㎜の大型のタテハチョウ。オスの翅表は紫色。法律で制定されたものではないが、日本の「国蝶」としても有名。

◎近似種との区別 ゴマダラチョウとは、色彩や斑紋の違いで容易に識別可能。

分布

北海道(西部)、本州、四国、九州、佐渡島。

◎府内の分布区域 全地域に分布するが、局地的で個体数は少ない。北部地域(京丹後市丹後町、弥栄町、峰山町、宮津市、舞鶴市、福知山市、綾部市など)、中部地域(京都市右京区(京北町)、南丹市日吉町、亀岡市など)、南部地域(京都市、宇治市、長岡京市、城陽市、京田辺市、井手町、木津川市木津町、精華町、木津川市加茂町など)で記録されている。

◎近似種との比較 ゴマダラチョウは、オオムラサキよりも普遍的に分布する。

生態的特性

食樹はエノキ、エゾエノキ。成虫はクヌギなどの樹液に好んで集まる。本種の生息には規模の大きい雑木林が必要であると考えられている。越冬は主に4齢幼虫で行い、幼虫は食樹の根元の枯葉裏などで越冬する。

生息地の現状

生息地はクヌギ、コナラ、エノキなどからなる雑木林である。幼虫の食樹となるエノキなどが残されていても、成虫の餌となる樹液を出す雑木林が少なくなっている場所も多い。

生存に対する脅威

全国的に激減しており、絶滅が心配されている種である。本種が急激に衰亡した原因としては、農業形態の変化による草原の減少や、農薬の過使用、過放牧による環境破壊などが原因となったという指摘がある。オオムラサキが生息するためには、幼虫の食樹となるエノキだけでなく、成虫の餌となる十分な量の樹液の供給が必要なので、ある程度大きな雑木林が必要だと考えられる。そのため、開発などに伴う大規模な雑木林の消滅だけでなく、小規模な伐採が繰り返されて起こる雑木林の分断化も、本種の生息には脅威となると考えられる。

必要な保全対策

オオムラサキの発生地となっている雑木林の保全と維持管理が必要である。また、開発や道路拡張工事などを行う際には、オオムラサキの生息に与える影響が最小限となるような配慮が必要である。また、本種は幼虫で越冬するが、幼虫は林床の落葉の下などで越冬するため、公園のような場所が発生地となっている場合、落葉を残しておくといった配慮も不可欠である。

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