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京都府改訂版レッドリスト2013

資料5 鳥類レッドリスト

 

1 レッドリスト見直しで明らかになった点

今回の改定では鳥類は108種がレッドリストに掲載された。

希少カテゴリー別の種数は(( )内は2002年における種数)、絶滅寸前種が8種(8種)、絶滅危惧種が48種(49種)、準絶滅危惧種が50種(45種)、要注目種が2種(2種)、計108種であった。

京都府では現在343種が記録され、このうち31.5%の108種がレッドリストに掲載された。2002年では京都府で321種が記録されており、32.4%の104種がレッドデータブックに掲載されていた。京都府で記録される鳥種の約3割が、何らかの希少性の指摘がされ保護する必要があるという状況に変化はない。

生息環境別に種数を見ると(( )内は2002年における種数)、海域・海岸域・離島が17種(13種)、河川・池沼・ヨシ原が17種(14種)、水田・畑地・草地が31種(30種)、山地・山林が40種(43種)、都市緑地など他の環境が3種(3種)、計108種であった。基本的なパターンは変わっておらず、府内の山地・山林などの森林環境とともに、海岸域や河川、水田などの湿地環境が鳥類の生息環境として重要であることが、あらためて確認された。

 

 

2 注目される種のカテゴリー(ランク)と変更理由

3種(チョウゲンボウ、コウノトリ、マミジロ) は府内であらたに繁殖が確認された。チョウゲンボウは京都市内で、コウノトリは京丹後市で繁殖を開始し、マミジロは芦生(南丹市)で繁殖情報が得られた。いずれも極めて少数の繁殖個体群であることから、チョウゲンボウは準絶滅危惧種 (越冬個体群)から、コウノトリはリスト外(迷行種)から、マミジロは準絶滅危惧種(通過個体群)から絶滅危惧種となった。コウノトリは、兵庫県豊岡市における個体群復元事業により隣接する京丹後市でも少数個体が周辺生息するようになり2012年に営巣を開始した。

  

    コウノトリ        (旧)リスト外(迷行種) → (新)絶滅危惧種(繁殖個体群)

コウノトリはリスト外(亀岡市で半年近く滞在していたこともあるが迷行種扱い)であったが、兵庫県豊岡市における個体群復元事業により隣接する京丹後市でも少数個体が周辺生息するようになり2012年に営巣を開始し、極めて少数の繁殖個体群なので絶滅危惧種となった。

    

 チョウゲンボウ   (旧)準絶滅危惧種(越冬個体群) →  (新)絶滅危惧種(繁殖個体群)

チョウゲンボウは準絶滅危惧種 (越冬個体数は少ないが、近年減少はしていない越冬個体群)であったが、京都市内で営巣を開始し、繁殖個体群の規模は極めて小さい状況であるので、絶滅危惧種とランクアップした。

 

 

オシドリ、アオバト、コルリ、ジュウイチ、キバシリは、2002年の情報よりは観察記録があることから、絶滅危惧種から準絶滅種となった。イワツバメとタカブシギは、観察結果(減少はしていないし、少なくはない)からレッドリストからはずした。さらに、オオマシコ、コイカル、ホシガラスもレッドリストからはずした。これらの種は定期的に特定の地域に渡来する可能性がない迷行種と判断しなおしたためである。

 

 

本来2002年時点で、対象種として検討すべきだったがもれていてリスト外となっていた種で、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、ヒメウ、タゲリは、準絶滅危惧種(越冬個体群)となった。クロガモも対象種の検討からもれていたが、京都府だけでなく周辺県の海岸域における越冬期の調査でほとんど確認されておらず、絶滅危惧種(越冬個体群)となった。

 

クロガモ    (旧)リスト外 → (新)絶滅危惧種(越冬個体群)

クロガモは2002年時点で対象種として検討すべき種であったが検討から漏れていた。クロガモは京都府だけでなく周辺県の海岸域における越冬期の調査でほとんど確認されておらず、越冬個体群の規模が極めて小さいことから絶滅危惧種となった。

 

 

3.改訂版レッドリスト

 〈 鳥類 108種 〉

 

 絶滅寸前種(8種)

  ミゾゴイ、イヌワシ、オオハクチョウ、ウズラ、カンムリウミスズメ、カラスバト、コノハズク、

  ブッポウソウ

 

 絶滅危惧種(48種)

  ヒメクロウミツバメ、ヨシゴイ、クロサギ、○コウノトリ、○クロガモ、ミサゴ、ハチクマ、オジロワシ、

  オオタカ、ツミ、サシバ、クマタカ、ハイイロチュウヒ、チュウヒ、ハヤブサ、△チョウゲンボウ、

  コチョウゲンボウ、クイナ、ヒクイナ、タマシギ、シロチドリ、トウネン、ヒバリシギ、オジロトウネン、

  ツルシギ、コアオアシシギ、ソリハシシギ、オグロシギ、オオソリハシシギ、ホウロクシギ、

  ヤマシギ、ハリオシギ、アオシギ、ツバメチドリ、コアジサシ、トラフズク、コミミズク、

  オオコノハズク、ヨタカ、ヒメアマツバメ、ヤマセミ、アカショウビン、オオアカゲラ、

  サンショウクイ、△マミジロ、コサメビタキ、クロジ、コムクドリ

 

 準絶滅危惧種(50種)

  カイツブリ、○ヒメウ、ササゴイ、チュウサギ、コハクチョウ、▽オシドリ、トモエガモ、シマアジ、

  シノリガモ、○ホオジロガモ、○ミコアイサ、○カワアイサ、ハイタカ、ノスリ、チゴハヤブサ、

  ヤマドリ、オオバン、イカルチドリ、○タゲリ、ムナグロ、ウズラシギ、アオアシシギ、クサシギ、

  キアシシギ、イソシギ、○ハマシギ、チュウシャクシギ、チュウジシギ、オオジシギ、

  セイタカシギ、▽アオバト、▽ジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、アオバズク、フクロウ、アリスイ、

  アカゲラ、トラツグミ、クロツグミ、▽コルリ、ムギマキ、サンコウチョウ、ゴジュウカラ、

  ○ツリスガラ、▽キバシリ、ハギマシコ、イスカ、コクマルガラス、オオハム

 

 要注目種(2種)

  オオミズナギドリ、ウミネコ

 

 凡例

 △:アップリスト種

 ▽:ダウンリスト種

 ○:新規掲載された種

 ☆:種名などの変更

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