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7 共通的・基盤的施策の推進【環境基本計画】

1から6までの施策を実施するため、環境影響評価の推進、監視測定の充実強化、調査研究の充実、土地利用対策・個別 地域環境保全対策の推進、公害防止計画の推進、環境保健対策の推進、公害紛争処理等の実施など、以下の共通 的・基盤的な施策を問題の性格、効果、影響等を勘案し適切に進めます。

(1)環境影響評価の推進

  大規模な開発事業等の実施に当たっては、予め環境への影響を調査、予測及び評価し、その結果 に基づき適正な配慮を行う環境影響評価が重要です。
  このため、府では、「京都府環境影響評価要綱」により、環境影響評価が実施されてきましたが、平成9年に環境影響評価法が制定されるなど、新たな状況を踏まえ、同法との整合性にも配慮しながら、京都府の地域特性を踏まえた、より実効ある制度とするため、条例化を行い、制度の充実を図ります。

(2)監視測定の充実強化

 環境基準の達成状況など、環境の状況を把握し、効果的な施策を推進するためには、大気、水質、騒音、振動などの環境の監視測定が重要です。
 このため、大気、水質の常時監視をはじめ、必要な監視測定を継続するとともに、監視測定機器の整備などにより測定項目、地点、頻度の充実を図るなど、監視測定体制の一層の充実を図ります。 また、酸性雨の監視測定体制の一層の充実強化や地球温暖化などの地球環境問題に関するモニタリングを推進します。
 さらに、光化学オキシダント緊急時、水質事故等の緊急時には、関係機関との連携協力により、迅速、適切に対応します。
 なお、騒音、振動については、市町村による監視測定を支援するため、技術指導を行うこととします。

(3)調査研究の充実

  環境の状況の把握、環境の変化の予測、地球環境を含めた良好な環境の保全及び創造のための施策に必要な調査研究を推進します。
  このため、保健環境研究所、中小企業総合センター、農業総合研究所などの試験研究機関の機能の充実と必要な機器を整備します。また、公害対策技術に係る総合的な調査研究の企画、調整等を行う「公害対策技術者会議」等の場を通 して、試験研究機関相互の連携を図るとともに、府内に多数立地する大学、民間企業等の研究機関とも連携を図り、研究開発の推進、技術交流や成果 の普及・啓発に努めます。
  なお、地球環境問題など国内外にわたる広域的な連携を要する環境問題に対応するため、国、関係府県及び諸外国等の研究機関とも連携を図ることとします。

(4)土地利用対策・個別地域環境保全対策の推進

 自然との共生を図りつつ、環境への負荷の少ない持続可能な経済活動を維持していくためには、人間の諸活動の基盤となっている土地の利用について、各地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に配慮した適正な土地利用を行うことが必要です。
  このため、都市計画法、国土利用計画法、農業振興地域の整備に関する法律、森林法、自然公園法、自然環境保全法や関係条例などの土地利用に関する法令等の適正な運用により、環境に配慮した土地利用を図ります。 特に、各事業の環境に及ぼす影響について、事前に調査、予測及び評価を行うとともに、その結果 に基づき適切な環境保全対策を講じることを指導します。

(5)公害防止計画の推進

 現に公害の著しい地域又は今後人口や産業の急速な集中などにより公害が著しくなるおそれのある地域を対象に、公害防止を図ることを目的とした公害防止計画については、府においては、これまで南部地域6市3町(京都市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、大山崎町、久御山町及び田辺町)の地域を対象に「京都地域公害防止計画」を策定し、諸施策を総合的・計画的に講じてきたところです。
 府では、平成9年度から13年度を計画期間とし、5市2町(京都市、宇治市、向日市、長岡京市、八幡市、大山崎町及び久御山町)の地域を対象とした公害防止計画の改訂を行い、平成10年2月に内閣総理大臣から承認されたところです。今後とも当該地域における大気、水質等の環境基準等の達成維持を目標として、適切な土地利用、下水道の整備、法、条例等に基づく発生源対策などの各種施策を総合的に推進します。

(6)環境保健対策の推進

  公害に伴う健康被害の予防のための必要な措置を講じ、被害の未然防止に努めるとともに、被害者に対しては、汚染者負担の原則を踏まえつつ、迅速かつ公正な健康回復、補償等の措置が講じられるようにします。 なお、地震等の災害により、有害物質に起因する大気及び公共用水域等の環境汚染が発生した場合には、「京都府地域防災計画」に基づき、生活環境への影響及び汚染拡大を防止するとともに、地域住民への被害の防止及び軽減を図ります。

(7)公害紛争処理等の実施

  公害苦情に対しては、公害紛争処理法に基づき設置されている公害審査会を活用し、当事者の互譲により、あっせん、調停、仲裁の手続きにより公害紛争が処理されるよう努めます。 また、監視・規制等をより一層徹底するとともに、関係機関との連携を強化する等環境事犯の発生を防止するための対策を推進します。

(8)規制的措置

  従来から、各種の法制度・条例・要綱等による規制的手法を用いた対策により、事業活動に伴う環境汚染の防止対策が実施され、効果 をあげてきたところですが、今後とも、これらの措置の適正な運用を図るとともに、社会経済情勢を踏まえ、必要に応じ罰則等の制定・強化も含めた見直しを図り、適切な規制的措置を講じます。

(9)誘導的措置

  市場メカニズムなどにより、府、市町村、府民、事業者、観光旅行者等の各主体の行動を環境の保全及び創造に向けて動機づけし、誘導していく措置の導入も重要な施策手法です。 誘導的措置としては、主に経済的な誘因が中心となりますが、それ以外に、表彰等必ずしも経済的な誘因だけでないものもあり、いずれも環境への負荷を低減する取組を促進していく上で有効と考えられます。 府においても、府民や事業者が自らの活動による環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとるよう誘導するため、より効果 的な誘導的措置の実施に努めます。

(10)「京都府緑と文化の基金」制度の活用

 府では、京都の優れた自然環境や文化遺産などの貴重な歴史的環境を保全するとともに、自然とのふれあいの場の創出などを図り、より豊かな京都を将来の府民に引き継ぐため、平成2年に全国最大規模の「京都府緑と文化の基金」を創設しました。
 この基金では、助成の対象を身近な自然環境や地域固有の伝統芸能、祭りなどの歴史的環境から地球環境にまで広げることとし、特にこれまで保全制度の谷間にあって、埋もれているものや、隠れた貴重な自然環境、文化遺産などの掘り起こしを図るなど、それらに光を当てる取組を進めており、身のまわりの環境から地球規模の環境まで、幅広い視野に立って、市町村をはじめとした関係機関が密接に連携しあい、柔軟な取組を引き続き進めていきます。
 また、現行法令などによる保全制度を軸に、関連する保全支援制度と連携させながら、新たな保全手法を開発するなど、基金制度の一層の活用を図ります。 


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