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人権口コミ講座 157

「女性の困難は見えにくく理解されにくい〜女性支援新法の施行」

ウィメンズカウンセリング京都

竹之下 雅代

2024年4月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行されました。1956年に創設された「売春防止法」の中の「婦人保護事業」が、これまでとは異なる新しい女性支援実施のための法的な枠組みを持つことになりました。「女性を『保護更生』させる視点」から「人権を保障する『女性福祉』」へやっと方針の転換がかないます。

女性に対する暴力は深刻

女性の困難は、ずっと以前からあったものですが、苦悩の声は聴かれることが少なく、個人の問題とされてきました。特に家庭内で起こっている暴力の問題は深刻です。家庭内暴力、夫婦間暴力、虐待、性暴力…。外からは見えにくいものですが、力の格差がある中で、女性の被害が圧倒的に多いものです。暴力から逃れるために家を出た若年女性や成人女性は、住居の確保や自立が難しく、路上生活も余儀なくされており、貧困、孤立、再被害という道をたどらざるをえないこともあります。

暴力・支配・偏見に敏感に

日本は女性への差別があり、ジェンダー格差の大きい社会です。政策・制度の不備、支援の貧困の中、女性たちは、性虐待や暴力を訴えても理解されない理不尽さや二次被害を経験しています。望むような支援がなく、支援を受けることでさらに傷ついてしまうことを恐れているとも話されています。心身の不調、心的外傷=トラウマを抱え、自分への信頼、他者への信頼を回復することが困難な状態です。私たち一人ひとりが「暴力・支配・偏見の存在」や女性たちが抱えている「困難」へのセンサーを磨かねばならないと考えます。

※令和6年1月発行の「人権口コミ講座25」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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