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社会で活躍するひとからのメッセージ5 おおいわりょうやさん(えがおのいっぽ 音声読み上げ)

 

おおいわりょうやさん(19歳)

  • 宇治市出身
  • 京都文教大学学生
  • 筑波大学附属特別支援学校卒業

 

現在、京都の大学で臨床心理学を学んでおられる、おおいわりょうやさん。1歳半の頃、病気で視力を失われたそうですが、同席いただいたお母さんからは、実はこの子は視力を失う前から内臓の病気と戦っていたので、親としては、育てたというより、「どうやってこの子の健康を取り戻すか」で頭が一杯だったとのこと。そんな様子を振り返っていただきながら、当時のお話をお伺いしました。

 

お母さんから

幼い頃

1歳から3歳までの間で、半分くらいが入院生活でした。

あいあい教室との出会いは、病院の先生に教えていただいたのと、私の仕事先で盲学校の先生を姉にもつ同僚が偶然おられたという縁もあって、宇治児童相談所に教室の事を相談し、通うことになりました。

また、保育しょには年少の頃からかよっていましたが、大きな手術が必要となった頃には通えなくなり、術後3ヶ月間まで療養生活が続き、保育所に通えたのは、結局、年中の頃からでした。幼い頃は闘病生活を送りながらの日々でしたが、小学校に入る頃までには健康を取り戻しました。

進学にあたって

見ることができない中で、小学校へと進学する我が子の進路を考えるにあたり、支援学校で専門的な知識や技術を学ぶ事も大切だし、いくつかの選択肢がある中でどういう進路を歩むべきかを考えていた時、あいあい教室の先生方から「多くのこども達と触れ合うことも大切だ」という言葉を頂戴し、小学校では普通学級に入りました。

幸い、小学校では過去にも視覚障害者を受け入れた経験があり、教材などは準備していただけたし、学校生活に必要なツールも揃っていました。また、家から小学校も5分程のところにあり、登下校時に私が同行しましたが、問題はありませんでした。

 

おおいわさんから

学校生活

物心ついた頃の記憶では、例えば色の概念は、そういうものがあるという事は後になって教えてもらい、知識として知っています。ただ、自身の体験としては、視力を失う1歳半までの記憶なので、残っていません。でも生活体験があるので、例えば靴を履く事を一から教えてもらえなくても情景としてイメージできるといった状況でしたので、小学校での生活は特に支障を感じませんでした。

特に、小学校2学年からは、1学年の経験を踏まえ、私に合った、より手厚い受け入れ体制とするため、小学校側の提案で視覚障害の特別学級を立ち上げていただき、必要な機材の調達や大学生のボランティアを付けていただくなどの対応が可能となりました。

中学校に進学後、より自分に合った環境で、専門的な知識や技術を学ぶため、中学2年の時に府立盲学校に転校しました。初めての寄宿舎生活も経験した訳ですが、人間関係の構築という面でも非常に良い環境で、人としても成長できた学校生活だったと思っています。

その後、筑波にある視覚特別支援学校高校部へ進学し、人とコミュニケーションを取ることが好きで、将来、人と向き合う仕事を目指してみたいという思いから、通学に便利な実家近くの大学に進学し、臨床心理学を学ぶこととしました。

大学生活

今は視覚障害者用の通信機能も備えた電子機器もあり、高額ではありますが情報収集や読み書きもそれを使ってできるようになっています。大学側にも私の話も聞きながら大学生活に支障がないよう配慮していただき、自由な校風で生活は面白いです。

学内では、フィーリングというサークルで、健常者の方と一緒にゲームやものづくり、体験学習などを通じ、人と繋がり、お互いを理解することで視覚障害の理解を学内に広げ、深めていく活動をしています。

強みは

視覚障害があることの「強み」は、特にこれというものはないけれど、健常者ではないということで人と繋がる時に相手に印象が残せるし、本当に信頼できると心から思える人が長く私の周囲にいてくれます。学生時代にこうした心から信頼できる仲間が作れることが今の私の強みだと思います。

例えばボランティアで私にサポーターとして付いてもらう事は助かるけれど、一方で、普段の私自身と普通に繋がってくれる仲間としての出会いが減る傾向にあると感じるので、私自身はボランティアさんに大学生活などで何かサポートしてもらうことはしていません。

 

お母さんから視覚障害のお子さんを持たれるご両親へ

私自身、あいあい教室に通っていた事で先生方と出会い、歩んでいくべき道しるべになりました。

一人で悩まず、ともかく相談相手を持って欲しい。自ら出て行く事で色んな事を知ることができるし、その事で漠然とした不安が具体的な進むべき道の選択肢として明確にすることに繋がり、将来を具体的に思い描くこともでき、必ず不安も解消することができます。

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健康福祉部家庭支援課 家庭支援総合センター

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