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プロローグ漫画(えがおのいっぽ 音声読み上げ)

 

ゆうととわたしの最初のいっぽ (プロローグ漫画)

 

(自己紹介)

私は、むらたゆきこ、主婦です。会社員の夫せいじとの間に生まれた、初めての男の子で1歳半になるゆうとは自分の目では全く見えないのです。

 

(回想1 医師の診断)

生後さんかげつ頃、ゆうとの目が見えているのか不安を感じた私たちは病院へ行くことにしました。

 

診察後、医師からは「息子さんの両目はおそらく見えていません。残念ですが、今の医療では治すことができません」と言われました。

 

(回想2 悩む日々)

この日から、私の手探りでの子育てがはじまりました。それは簡単なことではありませんでした。周囲からも心配していただきましたが、1年間は現実が受け止められず、家族、友人、担当の保健師さんなど、関わってくださった方の声も、耳に入りませんでした。

 

ゆうとに食事をうまく食べさせられず、1日の生活では昼夜逆転が起こり、おもちゃにも何も反応しない状況で、どうすればこの子をちゃんと育てていけるのか、どうしたらよいのかわからなくて悩む日々が続きました。

 

ゆうとが1歳半になる頃には、散歩や買い物に連れていくこともできなくなっていました。夫は仕事で帰りが遅く、私はゆうとと一緒に家にひきこもり、ふさぎ込む毎日が続きました。

 

(回想3 あいあい教室との出会い)

そんなある日、外から子供が楽しく遊んでいる声が聞こえて、声が聞こえるほうの窓を見つめるゆうとの姿を見たとき

やっぱり外に出たいよね。このままではいけない。

そう思った私は、身近な子育て相談センターなどに問い合わせをはじめました。

 

センターから盲学校(視覚障害児・しゃに対する教育を行う学校)やSSC(京都府スーパーサポートセンターの略、府南部を対象とした視覚障害児への支援を行っている京都府の組織)などの支援機関を教えてもらうなかで、ある情報が目に留まりました。

 

その情報とは、視覚支援あいあい教室(視覚に障害のある子どもとその保護者のための教室。京都府が視覚障害児の療育の場として委託している。)のことでした。

視覚障害のある子どもとその保護者のための教室があるんだわ。

お話をきいてくれるかしら。

 

そう思った私は早速、あいあい教室に電話をかけ、全盲の子どもがいることを伝え、相談だけでも乗ってもらえないかと聞いたところ、すぐにこころよい返事をいただき、一度見学に行ってみることになりました。

 

(回想4 あいあい教室 見学の日)

あいあい教室を見学した日、私は大変驚いてしまいました。印象的だったのは、ある子どもは手で触りながら絵本を読んでいたり、別の子どもは一人で服を着る練習をしており、みんなが生き生きとしていることでした。

給食の時間では、職員さんが子どもの後ろから手を添えながら食べる動きを教えているようで、視覚障害があってもいろいろなことができることに驚きました。

 

もしかしてゆうとも食事とか一人でできるようになるかも。

そう思った私は職員さんに尋ねると、職員さんからは「ゆうとくんにもできることがたくさん見つかるはずです。これから一緒に考えていきましょう。」と力強い返事をいただき、見えない・見えにくい子どもを育てるポイントなどを詳しく紹介していただけることになりました。

 

ゆうとにも、いろいろな可能性がある。

一つの希望が芽生えた瞬間でした。

 

⇒見えない・見えにくい子どもを育てるポイント・ヒントへ続く

 

 

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