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今年度も早いもので、あと1か月となりました。2年前に入校した平成28年度入校生も3月16日(金曜)に修了となります。2年間の訓練成果の一つである修了予定者の資格取得状況を年齢層別に以下のグラフにまとめました。
平成28年度入校生については、2年間の資格取得目標として、基本情報処理技術者試験とITパスポート試験、プログラミング能力認定試験の2級合格を掲げていました。
特に20代前半の訓練生4名は全員が資格取得目標を達成しました。中には上位の資格に合格した者もいました。この年代の訓練生は、元職が看護師など他職種で就労していた者や、契約社員など非正規雇用で一度就職した者が、システムエンジニアやプログラマでの転職を考えてシステム設計科に入校しています。入校時は、IT系の業務経験や知識は全くない状態でしたが、4名全員がシステムエンジニア・プログラマ(正社員)で内定しました。あわせて、ETロボコン大会において、チームリーダをはじめ主力メンバーとしてチームを引っ張る原動力となり、全国制覇を成し遂げることができました。
※年齢は入校時点(平成28年4月7日)を基準としてカウント
平成29年12月20日(水曜)、システム設計科の訓練生7名(濱川建人、橋本正治、横山浩平、青山裕亮、堀川京介、前田也須子、村上裕之)が技能大会優勝者京都府特別賞を受賞しました。この賞は国内外の技能大会において特に優秀な成績を収めた者に贈られる賞であり、ETロボコン2017で全国優勝したことが評価されました。京都府庁で行われた表彰式では、山田啓二京都府知事から表彰状を、村田正治京都府議会議長から記念品を授与していただきました。表彰式の歓談の場では、ロボコンのデモ走行も見学いただき、当校の取り組みを知っていただく良い機会となりました。
11月にETロボコンで全国優勝して以来、マスコミ各社に取材していただきました。
平成29年11月15日(水曜)、パシフィコ横浜で開催された「ETロボコン2017チャンピオンシップ大会(以下CS大会)デベロッパー部門プライマリークラス」にシステム設計科の訓練生7名(青山裕亮、橋本正治、濱川建人、堀川京介、前田也須子、村上裕之、横山浩平)が出場しました。
全国の地区大会を勝ち上がった20チーム(企業14、学校6)が参加する中、競技優勝を飾り、全国制覇を達成しました。また、実装設計・技術に特に優れた創意と技術力を発揮したことでTOPPERS賞を、学生チームの中でも特に優れた走行をしたことで情報処理学会若手奨励賞を受賞しました。
【成績】
・競技 優勝
・特別賞(TOPPERS賞、情報処理学会若手奨励賞)
【大会概要】
地区大会は「走行競技」と「モデル審査」の総合評価で順位が決まりますが、CS大会では走行競技のみで決まります。そのため、どのチームもコンマ1秒を縮めるために、何度もプログラムの修正を繰り返します。
当チームも万全の体制を整えるため、学校で数千回の走行テストを実施しました。しかし、学校のコースと本番のコースでは、照明環境やコースセッティングに微妙な違いがあります。大会当日の走行競技前に実施される15分間の試走では、3回の内1回しかゴールできない状況でした。このような追い詰められた状況でも、訓練生はチームで問題を解決し、走行競技では難所も含む全てを完璧に走行させることができました。
訓練生たちは、4月からの8ヶ月間、毎日のように攻略法を議論し、走行テストを重ね、モデルとプログラムの改善を繰り返してきました。このような努力とチームワークが地区大会3連覇と全国制覇につながりました。
平成29年10月1日(日曜)、京都コンピュータ学院で開催された「ETロボコン2017関西地区大会デベロッパー部門プライマリークラス」にシステム設計科の訓練生7名(青山裕亮、橋本正治、濱川建人、堀川京介、前田也須子、村上裕之、横山浩平)が参加しました。
16チーム(企業12、学校4)が参加する中、総合優勝を飾り、地区大会3連覇を達成しました。また、11月15日(水曜)、16日(木曜)にパシフィコ横浜で開催されるチャンピオンシップ大会への出場権も獲得しました。
【成績】
・走行競技 2位
・モデル審査 ゴールドモデル(1位)
・総合優勝
・特別賞 IPA賞
【大会概要】
地区大会は「走行競技」と「モデル審査」の総合評価で順位が決まります。
「走行競技」は、2種類のコースを走行し、合計タイムを競います。コース前半の走行タイムからコース後半の難所をクリアしたことによるボーナスタイムを引いてリザルトタイムが決まります。我々のチームは、一番の目標であった難所の階段はクリアできましたが、他の難所を全てクリアすることができず、走行競技は2位となりました。さらに、1位のチームに約18秒差をつけられ、この時点では総合優勝は難しいかもしれないと感じていました。
「モデル審査」は、設計書として機能の実現を正しく、分かりやすく記載されているかで評価されます。審査員からは、「全体的に漏れなく厳密に定義されている」とコメントを頂き、ゴールドモデル(1位)で表彰されました。さらに、ソフトウェアの高信頼化・システムの安定性に対する特筆すべきチャレンジが評価され、IPA特別賞を受賞することができました。このモデル審査で高評価を頂いたことが、逆転の総合優勝獲得につながりました。
次のチャンピオンシップ大会(全国大会)では、モデル審査はなく走行競技だけの評価となります。さらなるスピードアップと安定性を追求し、昨年の全国4位を超える成績を目指しています。
【訓練生の感想】
今大会への参加を通して、システム開発における要件定義・設計・開発・テストまでの一連の技術を磨くことが出来たと感じています。また、チームで活動する際に必要なスケジュール管理やコミュニケーション等についても成長を実感しています。これらの技術は、就職後も必要となりますので、良い経験を得られたと思います。
チャンピオンシップ大会では、地区大会で失敗してしまった難所も含め、今後の課題を解決し、完全制覇を目指します。
ETロボコンは、ロボットを走行させてタイムを競う「走行競技」と、設計書の完成度で評価される「モデル審査」の総合評価で順位が決まります。走行競技は地区大会当日に実施されますが、モデル審査の設計書(モデル)は事前に提出します。提出する設計書は、A3用紙6枚以内で、ロボコンのコースをどのように攻略するのか、それをどのようにソフトウェアで実現するのかを記載していきます。
まず、全国大会優勝という目標を達成するには、どのような機能を開発しなければいけないかを明確にする要求分析をします。例えば、どのような照明環境でも安定して走行できる機能や、コース上のどの位置(距離、方位)を走行しているのか把握する機能などです。さらに、洗い出された機能を実現する方法や、実現する際のリスクなども検討していきます。機能を実現する方法はひとつとは限らないので、様々な方法をチームで検討していきます。
次に、機能を実現するために必要な要素とそれらの関係や具体的な実現方法を検討し、ソフトウェアの設計書にまとめていきます。例えば、「コース上のどの位置(距離、方位)を走行しているのか把握する機能」を実現するためには、タイヤが何度回転したのか、タイヤの円周は何cmかなどの情報が必要になります。
これらの作業は、一人で行うのではなく、チームメンバーで意見を出し合って進めていくことになります。ロボコンではチームメンバーだけの話し合いとなりますが、実際の業務では顧客の要望を聞き取る必要もあります。ICT業界は、技術力だけでなく、コミュニケーション能力が重要視されています。
9月17日(日曜)開催予定のETロボコン2017関西地区大会にシステム設計科2年生7名が出場します。ETロボコンは、全国約300チーム(約半数が企業、約半数が学生)が走行競技(走行タイムを競う)とモデル審査(設計書の優劣)の総合評価で競い合います。
本校は、2013年から参加しており、今年で5年目になります。2015年度から2016年は、関西地区大会で総合優勝し、地区大会2連覇を達成しました。さらに、昨年度は全国4位となり、学校チームの中で最高位の成績となりました。今年は地区大会3連覇と全国大会優勝を目標として、チーム一丸となって全力で取り組んでいます。
今年度のコースを設置する様子
ETロボコン2017公式サイト
http://www.etrobo.jp/2017/
4月16日(日曜)に春期情報処理技術者試験が実施されました。システム設計科2年生全員が受験し、合格発表が5月17日(水曜)と6月21日(水曜)に行われました。その結果、「応用情報処理技術者試験」、「基本情報処理技術者試験」に加え、高度試験区分の一つである「プロジェクトマネージャ試験」に合格者を出すことができました。
プロジェクトマネージャは、システム開発プロジェクトの人員、コスト等を管理する全体責任者であり、IT業界において「社員にとらせたい資格」として知られています。
資格試験対策で勉強した知識やノウハウをETロボコンや修了製作実習、ひいては就職活動でも生かしていくことが期待されます。また、10月には秋期情報処理技術者試験が実施されます。2年生はもちろんのこと、1年生も積極的にチャレンジしてもらいたいと思います。
2年生の資格取得状況(17名在籍) 平成29年6月21日現在
プロジェクトマネージャ試験 1名
応用情報処理技術者試験 3名
基本情報処理技術者試験 9名
ITパスポート試験 15名
C言語プログラミング能力認定試験1級 7名
C言語プログラミング能力認定試験2級 13名
情報処理技術者試験について
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
https://www.jitec.ipa.go.jp/
プログラミング能力認定試験について
株式会社 サーティファイ
http://www.sikaku.gr.jp/
5月12日(金曜)、「NECイノベーションワールド関西ショールーム」を訪問しました。顔・指紋などを用いた本人認証技術や、音声認識技術を用いた自動議事録作成などの最新技術を見学し、実際に触れて体験しました。訓練生も興味を持ち、積極的に質問をしていました。今後の訓練や就職活動の参考にしてもらえるとありがたいです。
見学後は、大阪城周辺を散策し、訓練生同士の親睦を深めました。
NECイノベーションワールド関西ショールーム
http://jpn.nec.com/niw/kansai/index.html
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