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今月からは、木材に加工の線などを書く「墨付け」、"のこぎり"や”のみ”を使用した「加工」、玄能(げんのう:金槌の一種)や釘を使用した「組立」の練習を始めました。目標として、7月末に行われる技能検定3級建築大工(大工工事作業)の合格を目指しています。
まずは「墨付け作業」です。試験問題の図面を読み取って木材に加工用の線を書く作業ですが、初めての本格的な墨付けに訓練生たちは悩みながら取り組んでいます。試験では全ての寸法(長さ)が記入されていないため、図面を読み取る能力も併せて身につけてもらっています。
次は大工用工具を使用した「加工」作業になります。様々な加工があるため訓練生たちは常に手を動かしながら毎日実習に励んでいます。
全ての加工が終了するといよいよ「組立」の工程です。自分で加工したものを組み立てることで加工の精度を知ることができ、次回はどこに注意したらよいのか自らの目で確認することができます。
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技能検定3級課題完成品 | 墨付けと加工の反復練習 |
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鉋(かんな)の練習 |
4月の鉋(かんな)の刃研ぎに引き続き、5月もまずは大工道具を自分で手入れできるようになるための実習を行っています。
墨差しや墨ツボ、鉋や鋸(のこぎり)といったどんな道具も準備や手入れを怠ると、道具の良さを100%発揮することができません。
訓練生たちには、今後1年間使用していく自分たちの道具を、自分たちで手入れできるようになってもらいます。
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墨付け作業1 | 墨付け作業2 |
4月から行っている訓練は主に2つ。
1つ目の訓練は、実習実技の「刃物研ぎ(鉋等)」です。業界では「研ぎもん」と呼ばれる重要な過程です。
練習用の鉋(かんな)の刃を、使えるような形状に仕上げる訓練です。
ほとんどの訓練生が大工道具を触るのは初めてのため安全第一で取り組んでいきます。わからないことや難しいことなどで壁に突き当たっている様子の訓練生もいますが、指導員に積極的にアドバイスを求めにきたり、訓練生同士でコミュニケーションを図りながら切磋琢磨し、少しずつ腕を上げてきています。
「研ぎもん」は建築業界では基礎であり、就職後に集中して練習する時間はなかなかとれないので、訓練の中でしっかりと練習し即戦力の「研ぎもん」を身に付けて欲しいです。
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のみ研ぎ | 研ぎ場 |
2つ目の訓練は、「建築製図」です。
6月頃からは、パソコンを使ったCADの授業が開始予定ですが、図面を書く基本を学ぶため最初は手書きでの製図に取り組んでいます。
ドラフターと呼ばれる図面を製作するための機器を使い、線の太さや記号などに注意しながら製図の基本知識を学んでいきます。手書きの製図は建築士試験でも必要となり、仕事が始まってからも図面を見る機会は多くあります。
訓練生には手書きの難しさを実感してもらいながら、建築図面がどのような決まりの上で書かれているかを学び、今後のCAD実習にもつなげてもらいたいです。また図面を見る習慣もつけていってもらえたらと思っています。
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製図室での手書き製図訓練 | |
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見本を見ながらトレース練習 | 水平垂直を意識しての作図 |
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