更新日:2025年11月13日

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令和7年度住建築・リフォーム科トピック

 9月-SEPTEMBER-

訓練6か月目【応用課題「隅木模型」の作製】

夏休み明けから取り掛かっていた、住宅の屋根の一部を抜き出した隅木模型が完成しました。

寄棟(よせむね)と呼ばれる形状の屋根の場合、屋根を上から見たとき、四角い屋根の角に「斜めの線」入っている部分があります。その斜めの線に沿って置かれる木材が隅木です。今回の模型は屋根の四隅部分を縮小して作ったものです。

模擬家屋の作製に向けて課題も本格的なものになり、難易度も上がっていますが、入校から半年近くが過ぎ、加工精度も格段に向上してきています。

隅木模型完成

 8月-AUGUST-

訓練5か月目【CADで模擬家屋の図面作成】

8月からはカリキュラムの後半で行う、模擬家屋実習に向けJw_CADを使用しての図面作成を行っていきます。CADはパソコン上で図面の作図などを行うソフトで、今や建築業界では必要不可欠な技術です。

さわり始めたばかりで、多くの訓練生が操作に苦戦していますが、10月に実施予定の「建築CAD検定」に向けて試験勉強に励んでいます。

模擬家屋の図面

 7月-JULY-

訓練4か月目【野外訓練で職人の技を見学】

7月の末に野外訓練として京都市右京区にある妙心寺の保存・改修工事現場へ見学にいきました。

妙心寺は数々の歴史的建造物と、その周りに46ケ寺の塔頭を擁し、一大寺院群を形成している禅宗本山寺院であり、その中の庫裏の屋根吹き替え工事を見せていただきました。

檜皮(ひわだ)と呼ばれる檜の板(長さ2寸、幅5寸、厚さ1分2厘)を一寸ずつずらして配置する「こけら葺き」と呼ばれる伝統的な方法で構成されており、訓練生も普段見られない職人の技に感銘を受けていました。

妙心寺保存・改修現場

 6月-JUNE-

訓練3か月目【技能検定3級合格に向けて】

今月からは、木材に加工の線などを書く「墨付け」、"のこぎり"や”のみ”を使用した「加工」、玄能(げんのう:金槌の一種)や釘を使用した「組立」の練習を始めました。目標として、7月末に行われる技能検定3級建築大工(大工工事作業)の合格を目指しています。

まずは「墨付け作業」です。試験問題の図面を読み取って木材に加工用の線を書く作業ですが、初めての本格的な墨付けに訓練生たちは悩みながら取り組んでいます。試験では全ての寸法(長さ)が記入されていないため、図面を読み取る能力も併せて身につけてもらっています。

次は大工用工具を使用した「加工」作業になります。様々な加工があるため訓練生たちは常に手を動かしながら毎日実習に励んでいます。

全ての加工が終了するといよいよ「組立」の工程です。自分で加工したものを組み立てることで加工の精度を知ることができ、次回はどこに注意したらよいのか自らの目で確認することができます。

技能検定3級課題完成品 墨付けと加工の反復練習
 
鉋(かんな)の練習  

 5月-MAY-

訓練2か月目【技能向上に向けて】

4月の鉋(かんな)の刃研ぎに引き続き、5月もまずは大工道具を自分で手入れできるようになるための実習を行っています。

墨差しや墨ツボ、鉋や鋸(のこぎり)といったどんな道具も準備や手入れを怠ると、道具の良さを100%発揮することができません。

訓練生たちには、今後1年間使用していく自分たちの道具を、自分たちで手入れできるようになってもらいます。

墨付け作業の様子1 墨付け作業の様子2
墨付け作業1 墨付け作業2

 4月-APRIL-

訓練開始【研ぎもんと製図】

4月から行っている訓練は主に2つ。

1つ目の訓練は、実習実技の「刃物研ぎ(鉋等)」です。業界では「研ぎもん」と呼ばれる重要な過程です。


練習用の鉋(かんな)の刃を、使えるような形状に仕上げる訓練です。

ほとんどの訓練生が大工道具を触るのは初めてのため安全第一で取り組んでいきます。わからないことや難しいことなどで壁に突き当たっている様子の訓練生もいますが、指導員に積極的にアドバイスを求めにきたり、訓練生同士でコミュニケーションを図りながら切磋琢磨し、少しずつ腕を上げてきています。

「研ぎもん」は建築業界では基礎であり、就職後に集中して練習する時間はなかなかとれないので、訓練の中でしっかりと練習し即戦力の「研ぎもん」を身に付けて欲しいです。

研ぎあがったのみの写真 刃物の研ぎ場の写真
のみ研ぎ 研ぎ場

 

2つ目の訓練は、「建築製図」です。

6月頃からは、パソコンを使ったCADの授業が開始予定ですが、図面を書く基本を学ぶため最初は手書きでの製図に取り組んでいます。

ドラフターと呼ばれる図面を製作するための機器を使い、線の太さや記号などに注意しながら製図の基本知識を学んでいきます。手書きの製図は建築士試験でも必要となり、仕事が始まってからも図面を見る機会は多くあります。

訓練生には手書きの難しさを実感してもらいながら、建築図面がどのような決まりの上で書かれているかを学び、今後のCAD実習にもつなげてもらいたいです。また図面を見る習慣もつけていってもらえたらと思っています。

製図室での手書き製図訓練の様子
製図室での手書き製図訓練
見本を見ながらトレース練習をしている様子 水平垂直を意識して作図している様子
見本を見ながらトレース練習 水平垂直を意識しての作図

 

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