南丹広域振興局

更新日:2025年7月17日

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亀岡市学校給食米栽培情報

亀岡市で取組んでいる無化学肥料、無化学農薬による学校給食米の栽培情報やトピックを随時紹介します。

亀岡市が有機農業の推進に向けて行った「オーガニックビレッジ宣言」(外部リンク)

現地検討会を開催しました (7月18日掲載)

 6月17日に亀岡市東本梅町の給食米栽培水田で、収量向上に向けた緑肥(ヘアリーベッチ)の活用、機械除草についての現地検討会を開催し、学校給食米生産者ら22名が参集しました。

 

 普及センターから緑肥のこれまでの生育状況や活用方法、機械除草の仕組みや課題について説明しました。

除草作業の様子

 

 その後、除草を実演される農家から、これまでの機械の使用感や作業上のポイントについてお話いただきました。雑草が残ったり、機械で巻き込んでしまい欠株が出るなど、うまくいかなかった部分もあるものの、回数を重ねることで上手に使えるようになってきたことも紹介されました。

集まって研修をしている様子

 

 実演後の総合討論では、除草機械に対する質問や他メーカーの除草機の使用者からの意見、参加者の雑草発生状況や対策などの取り組みについて幅広く意見交換が行われました。「肥料分があり根張が良いと除草機が入りやすい。」、「水を濁らせるだけでも少し抑草できる。」、「やはり有機肥料を入れないと収量は上がらない。」など各生産者のノウハウの紹介や増収に向けての意見が出されました。

集合での説明

  

 アンケートではヘアリーベッチの活用や機械除草機を検討したいという意見も多くあり、収量向上に向けた施肥、雑草対策について注目していこうという意欲が感じられる検討会となりました。

 

水田除草機による除草作業を行いました (6月13日掲載)

 除草剤に代わる除草法として、専用の機械による除草作業を実施しました。使用した機械は、国の研究機関の「水稲有機栽培の手引き」でも紹介されている3輪タイプ4条用で除草部が運転席より前にあります。この記事では、除草の仕組みとうまくいかなかった点を紹介します。

除草作業の様子

 

 イネの条間はローターで田面を掻き起して雑草を浮かせます。イネの上(株間)は針金のようなもので土面を浅く左右にこすり、イネと比べ根の浅い雑草のみ浮かせます。雑草の根が深くなると取除けないため、作業適期が大変重要になります。田植え後7~10日間隔で2、3回除草作業が必要で、適期を逃すと株間の雑草が残ります。

条間の除草

  

 この水田は田植えから7日目の除草作業でしたが、代かきから田植えまで7日開いたため、すでに雑草が多数発生していました。代かきから14日後の除草となったため、条間は除草できましたが株間は残草が見られ、以後の蔓延が心配されます。1回目の除草作業は、代かき後の日数が重要になりそうです。

1回目除草

 

 3輪で除草部が前にあるため操作しやすいですが、すでにイネが植えてあることから、除草部の深さ調整や走行は慎重を要します。しかし、丁寧な作業を行っても、旋回部分や耕盤の凹凸で除草機が傾くとイネに欠株が生じます。 旋回による欠株

 

 今後も除草作業や当該水田の観察を続けて除草機の長所、短所を明らかにし、導入に向けての検討材料を蓄積していきます。

 

ヘアリーベッチ(緑肥作物)をすき込みました(5月19日掲載)

 無肥料では水稲の生育・収量に限界があるため、窒素成分の多いマメ科緑肥に注目しました。肥料効果に加えて抑草効果も期待できるヘアリーベッチを、学校給食向け水稲栽培に活用する試みを始めています。緑肥として代かき前にすき込み、水稲の生育・収量、雑草発生にどう影響するか観察していきます。

ヘアリーベッチ

 

 すき込み前のヘアリーベッチです。秋(10月)には種しましたが、冬期に湿害を受けたためか、繁茂の程度にムラがあります。繁茂している部分では4月10日のすき込み時には窒素成分5.8kg/10a程度と推定されました。すき込み後の期間が長いほど分解して窒素は減少します。

生育の様子

 

 トラクタでのすき込み作業。すき込み時の草高は茂ったところで約40cmでした。ロータリへの巻き付き(写真左下)はあったものの、問題なく作業を終えました。一般的に草高30cmを越えれば、モア等の機械で細断してからすき込むことを推奨しています(4月10日)。

すき込みの様子

 

 一方、春まき(2月27日は種)のヘアリーベッチの状況です(写真左)。は種量が少なく(2kg/10a)、3月の低温で出芽が遅れたうえ、溝はあるものの排水はよいとは言えず、その後の生育も遅く5月20日頃すき込み予定での生草量は確保できそうにありません。

ただし、別の排水の良いほ場(黒大豆予定)では、3月後半は種でも5月にはいって急速に生育しています(写真右)。しっかり排水対策をして5月下旬以降にすき込む場合ならば、春まきでも生草量は確保できるかもしれません。

ヘアリーベッチの生え方比較

 

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