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京都府立植物園 見ごろの植物情報 平成22年1月4日 温室解説編

こちらでは、観覧温室で現在見頃の植物を解説しています

平成22年1月4日(月曜)現在

 外は寒いですが、ここ観覧温室はあたたく、心も身体もポッカポッカになって楽しんで下さい。普段目にすることのない植物たちがお迎えします。

メディニラスコルテキニー写真

メディニラ スコルテキニー
Medinilla scortechinii
ノボタン科(ジャングルゾーン)
種名はイタリアの植物学者スコルテキニ(B. Scortechini, 1845-86)にちなみます。マレー半島原産で、草丈は約1メートルになり、樹上に着生することも多いですが当園の個体は地植えで目線の下です。長さ15から20センチの円錐花序は花軸、萼ともに美しい淡燈赤色でサンゴのようです。花軸も美しいので長く観賞できます。

ホルムショルディアサンギネア写真

ホルムショルディア サンギネア
Holmskioldia sanguinea
クマツヅラ科 (ジャングルゾーン)
インド、ヒマラヤの亜熱帯地方原産。萼はレンガ色からオレンジ色、花冠は萼と同色で円筒形。園芸品種には萼と花冠の色が鮮黄色のもの、紫色のものがあります。英名はチャイニーズハット。長くのびた花冠と萼を帽子に見立てています。

ドムベヤウァリキー写真

ドムベヤ ウァリキー
Dombeya walliichii
アオギリ科(ジャングルゾ-ン)
アフリカ東部とマダガスカル島の原産。白色から桃色の花がつき、芳香があります。甘ったるい香りで好き嫌いが分かれる香りだと思います。

オオベニゴウカン白花写真

オオベニゴウカン白花写真
Calliandra haematocephala
マメ科(ジャングルゾ-ン)

オオベニゴウカン写真

オオベニゴウカン
Calliandra haematocephala
マメ科(ジャングルゾ-ン)
ボリビア原産。白く毛のように多数飛び出している部分は雄しべです。雌しべは雄しべの後から伸びてきます。漢字では大紅合歓(大きな紅色の合歓の木)と書きます。

サリタエアマグニフィカ写真

サリタエア マグニフィカ
Saritaea magnifica
ノウゼンカズラ科 (ジャングルゾーン)
コロンビア原産。日照を好み、美しい花を咲かせるので、現地では公園、庭園などで観賞用として栽培されています。鉢物として行灯仕立てにしても美しいです。ニッパヤシ果実写真

ニッパヤシ果実
Nypa fruticans
ヤシ科 (ジャングルゾーン)

当園初結実です。
マングローブの後方の湿地に群生し無茎で株立ちします。葉は根出し羽状で全裂します。雌雄同株で肉穂花序が根株から直生します。雄花は淡黄色で指状に配列した穂状花序につき。がく片は6個、花弁は3個。雌花は雄花より大きく球状の頭状花序につきます。ショウジョウバエの仲間に送粉され結実します。果実は球状の集合果で多数の心皮からなります。熟すと木質化しばらばらになって浮きやすくなり、海流に運ばれて分散します。マングローブを構成するヒルギ類と同様に種子は花序柄についている時点で発芽を始めます。属名のニッパはマレー半島南部やマレーシア、あるいはモルッカ諸島での俗称に由来します。熱帯アジアからオーストラリア北部まで広く分布します。葉は長さ3から9メートル。小葉は50から90対。雄花序は長さ1から2メートル、集合果は径35センチ。日本では西表島(国の天然記念物)と内離島にわずかに生育しますが果実が完熟しないことから種子が海流に乗って漂着、定着したものと考えられています。西表島がニッパヤシ分布の北限地になります。上流での森林伐採や農地開拓に伴う土砂の流入により根茎が埋没したり、他の樹木の生育による遮光のため弱体化や枯死が増えています。また園芸目的の盗掘などもあり個体数は減少を続けており、近年の研究で、群落における遺伝的多様性が失われてきていることが分かっています。自生地では葉を乾燥されて屋根をふき(ニッパハウス)花柄を切り取り汁液を集めて、砂糖、アルコール、酢などを作ります。汽水圏(淡水と海水が入り混じり、薄い塩水になっている場所)に生育しますが、必ずしも栽培に塩分が必要なわけではなく、当園では真水で栽培しています。

ヘリコニアマリアエ写真

ヘリコニア マリアエ
Heliconia mariae
バショウ科(ジャングルゾ-ン)
巨大なムカデのようにも見えますが、英名はBeafsteak heliconiaです。
赤い色をした部分は苞とよばれ、その中に小さな花があります。苞の中から青い色の果実が顔をのぞかせているものもあります。
属名ヘリコニアはギリシャ神話の芸術の女神が住むヘリコン山に由来し、優雅な花姿にちなみます。中央アメリカや南太平洋諸島に約100種が分布します。

グロクシニアシルウァティカ写真

グロクシニア シルウァティカ
Gloxinia sylvatica
イワタバコ科 (ジャングルゾーン)
ペルー、ボリビアの森林に生えます。地下に鱗状の地下茎があり地表、地下に細いほふく茎が発達します。秋から春まで長期間開花します。

オスモクシロンリネアレ写真

オスモクシロン リネアレ
Osmoxylon lineare
ウコギ科 (ジャングルゾ-ン)
マレーシア原産。高さが1メートルくらいしかなく、花も地味なので見落としがちですが非常に面白い花です。下にある黒い球体は果実です。本種は雌性先熟で非常に小さな雌花が先に咲いてから雄花が伸びてきます。現在は果実の上に雄花序が開花中です。サラカタイピンゲンシス写真

サラカ タイピンゲンシス
Saraca thaipingensis
マメ科 (ジャングルゾーン)
マレー半島原産。高木で高さ10メートル近くになります。種子増殖ですが、苗の生長は遅いです。高木の下で半日陰の条件でよく育ちます。例年年明けから咲き出すのですが、今年は非常に早い開花です。

 イポメアホースファリアエ写真

イポメア ホースファリアエ
Ipomoea horsfalliae
ヒルガオ科 (ジャングルゾ-ン)
原産は西インド諸島。種名はイギリスで初めて本種を栽培したホースフォール夫人(Mrs. Horsfall)を記念してつけられました。英語名は学名の由来どおり、ホースフォール夫人の朝顔(Mrs. Horsfall’s morning glory)といいます。イポメアといえばソライロアサガオに代表されるように青系のさわやかな色の花の印象が強いですが、本種は真っ赤です。

ウナズキヒメフヨウ写真

ウナズキヒメフヨウ
Malvaviscus arboreus var. mexicanus
アオイ科 (ジャングルゾーン)
メキシコからコロンビアにかけて分布します。花弁は十分に開かない状態で終わってしまいます。つぼみは上を向いてますが、花は下向きに垂れて咲くことからウナズキヒメフヨウと呼ばれます。 インパチエンスヘンスロウィアナ写真

インパチエンス ヘンスロウィアナ
Impatiens henslowiana Arn.
ツリフネソウ科
インドネシア原産。

アリストロキアサルバドレンシス写真

アリストロキア サルバドレンシス
Aristolochia salvadorensis
ウマノスズクサ科 (冷房室)
原産は中米です。摂南大学から挿し木発根苗を2000年3月1日に譲り受けたものを栽培育成したものです。開花株は当園と摂南大学だけと思われます。A. arborea、A. tricaudataとともに灌木状になるタイプのアリストロキアで、A. arboreaのシノニム(同一植物を指す別の学名)とされることもありますが花は明らかに違います。一個の花の寿命は約一週間ですが、地際に発生した花茎が長期間にわたって伸張し、花を一個ずつつけていきます。

鉢物展示室全体写真

鉢物展示室ではシクラメン、フクシア、ニューギニアインパチエンス、イワタバコ科植物の鉢物を展示しています。 

カメリアハイドゥン写真

カメリア ハイドゥン
Camellia amplexicaulis
ツバキ科(鉢物展示室)
自生地はベトナムの西北部といわれます。花弁数が多く開花しても花弁が折り重なったようになり、独特の花姿です。ベトナムでは仏花として用いられていました。

カエンカズラ写真

カエンカズラ
Pyrostegia venusta
ノウゼンカズラ科(アナナス室)
ブラジル原産。鉢植えでも花はつけますが、常緑のつる性低木。巻きひげが周囲の木などにからみついて伸びあがっていきます。温室内に植栽したもののほうがよく咲きます。英名は frame vine。花が炎のように鮮やかなことからつけられました。

ソーセージノキ果実写真

ソーセージノキ(果実)
Kigelia pinnata
ノウゼンカズラ科 (ラン室)
アフリカ原産です。長さ30から50センチ、直径10センチ程度のソーセージにそっくりの果実を垂らすことからソーセージノキと名付けられています。果肉は硬く繊維質で食用にはなりませんが、種子は食用にされることもあります。ゾウ、サイなど大型の哺乳動物が果実を食べて種子を散布します。花は径8センチ程度で花弁の内側が暗赤色です。開花は夜で、現地では夜行性のコウモリやガが花粉を媒介します。今年初めて結実しましたが、職員の地道な人工交配が成功した結果です。 

パフィオペディルムコロパキンギー写真

パフィオペディルム コロパキンギー
Paphiopedilum kolopakingii
ラン科(ラン室)
種の形容詞は本種を最初に入手したインドネシアのラン商(A. Kolopaking)にちなみます。ボルネオ原産。花茎は40から70センチになり、6から14個の花を付けます。ジュメレアサギッタタ写真

ジュメレア サギッタタ
Jumellea sagittata
ラン科(ラン室)
マダガスカル原産。花は白く。径約7センチで、大変よい香りがします。本属の中では大型であり、草丈50センチ以上になります。

 

お問い合わせ

文化生活部文化生活総務課 植物園

京都市左京区下鴨半木町

ファックス:075-701-0142