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京都府立植物園 見ごろの植物情報 平成22年2月12日 温室解説編

こちらでは観覧温室内での見頃植物をご紹介しています。

 

外は寒いですが観覧温室内は暖かく、ゆったり過ごせます。冬から春にかけて、温室内では、普段あまり目にすることがない珍しい花がたくさん開花します。 ぜひお越し下さい。

 

 

ツンベルギアマイソレンシス写真

ツンベルギア マイソレンシス
Thunbergia mysorensis
キツネノマゴ科 (ジャングルゾ-ン)
インド南部原産。花は腋生または頂生で、長さ40から100センチの総状花序を下垂します。花冠裂片は暗赤褐色で、基部は濃黄色、大きく開いた花筒内部は濃黄色になります。苞も暗赤褐色でつぼみのときから美しく印象的です。

ブラケアグラキリス写真

ブラケア グラキリス
Blakea glacilis
ノボタン科(ジャングルゾ-ン)

良い香りがします
オクセラプルケラ写真

オクセラ プルケラ
Oxera pulchella
クマツヅラ科 (ジャングルゾーン)
ニューカレドニア原産のツル植物。 
コンロンカ写真

コンロンカ
Mussaenda parviflora
アカネ科 (ジャングルゾーン)
良い香りがします。種子島、屋久島、沖縄、台湾に分布します。半つる性の常緑低木で高さ1から1.5メートルくらいになります。ツル状に伸びた枝は非常に長くなります。本属の植物は約200種類あり、主に熱帯アジア、熱帯アフリカ、太平洋諸島に分布しています。東南アジアやハワイなどの熱帯地方では街路樹や庭木として利用されています。 

バウヒニアウァリエガタ写真

バウヒニア ウァリエガタ
Bauhinia variegata
マメ科
(ジャングルゾーン)
中国南部原産。高さ5から10メートルになります。花は美しい紅紫色で芳香があります。九州南端では露地栽培が可能です。例年はもっと高いところで咲くのですが、今年は2メートル前後の高さで咲いています。

ボーモンテティアムルティフロラ写真

ボーモンティア ムルティフロラ
Beaumontia multiflora
キョウチクトウ科(ジャングルゾーン)
咲き始めました。原産はジャワ島。夜間に香りが強くなりますが、昼間も顔を近づければよい香りがします。ボーモンティア属はインドからインドネシアにかけて 約8種が分布します。おしべは5個ですが葯は柱頭付近で筒状に合着します。開花後に剪定するのですが、開花期直後すなわち3月頃に剪定すると次の開花までに伸びすぎるので5月頃行います。 属名はイギリスのヨークシャーのダイアナ・ボーモント夫人(Diana Beaumont, ?-1831)の名にちなみます。 1970年代後半に京都大学附属古曽部農場から導入されました。1992年新温室建設時に現在の位置に定植しました。1998年に初開花し2003年からは毎年たくさんの花をつけるようになりました。導入当初はボーモンティアグランディフロラと思われていましたが花を確認したところボーモンティアムルティフロラであることがわかりました。

オオベニゴウカン白花写真

オオベニゴウカン白花
Calliandra haematocephala
マメ科 (ジャングルゾ-ン)
良く咲いています。ボリビア原産。白く毛のように多数飛び出している部分はおしべです。標準的なオオベニゴウカンは赤い花ですが本個体は白花です。漢字では大紅合歓(大きな紅色の合歓の木)と書きます。めしべはおしべの後から伸びてきます。

 

スティフティアクリサンタ写真

スティフティア クリサンタ
Stifftia chrysantha
キク科 (ジャングルゾーン)
ブラジル原産。常緑の低木。橙黄色の小花が集まってそれぞれが黄色の冠毛を伸ばして咲きます。冠毛が長く残り長く楽しめます。むしろ冠毛だけになってからの方が美しく観賞価値があります。頭状花は径約10センチ。スティフティア属はブラジルで7種が知られています。

 

ニッパヤシ写真

ニッパヤシ
Nypa fruticans
ヤシ科 (ジャングルゾーン)

マングローブの後方の湿地に群生し無茎で株立ちします。葉は根出し羽状で全裂します。雌雄同株で肉穂花序が根株から直生します。雄花は淡黄色で指状に配列した穂状花序につき。がく片は6個、花弁は3個。雌花は雄花より大きく球状の頭状花序につきます。ショウジョウバエの仲間に送粉され結実します。果実は球状の集合果で多数の心皮からなります。熟すと木質化しばらばらになって浮きやすくなり、海流に運ばれて分散します。マングローブを構成するヒルギ類と同様に種子は花序柄についている時点で発芽を始めます。属名のニッパはマレー半島南部やマレーシア、あるいはモルッカ諸島での俗称に由来します。熱帯アジアからオーストラリア北部まで広く分布します。葉は長さ3から9メートル。小葉は50から90対。雄花序は長さ1から2メートル、集合果は径35センチ。日本では西表島(国の天然記念物)と内離島にわずかに生育するが果実が完熟しないことから種子が海流に乗って漂着、定着したものと考えられています。西表島がニッパヤシ分布の北限地になります。上流での森林伐採や農地開拓に伴う土砂の流入により根茎が埋没したり、他の樹木の生育による遮光のため弱体化や枯死が増えています。また園芸目的の盗掘などもあり個体数は減少を続けており、近年の研究で、群落における遺伝的多様性が失われてきていることが分かっています。環境省レッドデータブックで絶滅危惧IA類に指定されています。自生地では葉を乾燥されて屋根をふき(ニッパハウス)花柄を切り取り汁液を集めて、砂糖、アルコール、酢などを作ります。汽水圏(淡水と海水が入り混じり、薄い塩水になっている場所)に生育しますが、必ずしも栽培に塩分が必要なわけではなく、当園では真水で栽培しています。

フレイキネティアムルティフロラ写真

フレイキネティア ムルティフロラ
Freycinetia multiflora
タコノキ科 (ジャングルゾーン)
オレンジ色の苞が鮮やかです。たくさん花がついているので、木が燃えているよう?フィリピン原産。英名をクライミングパンダナスといいます。木本性のツル植物です。フレイキネティア属は約180種が知られています。タコノキ属に似ますが果実が液果状になることが異なっています。

ウナズキヒメフヨウ写真 ウナズキヒメフヨウピンクフラワー写真

 ウナズキヒメフヨウ
Malvaviscus arboreus var. mexicanus
アオイ科 (ジャングルゾーン)
花弁は十分に開かない状態で終わってしまいます。つぼみは上を向きますが、開花時には下向きになるのでウナズキヒメフヨウと呼ばれます。ピンク花も可愛らしい。アメリカ人の方がジョークでスコットランド人の口のようだとおっしゃっていました。スコットランド人は無口なんだそうです。

エンセテヴェントリコスム写真

エンセテ ヴェントリコスム
Ensete ventricosum
バショウ科 (熱帯有用作物室)
当園初開花です。熱川バナナワニ園では数回開花しているようです。中央から南アフリカに分布します。地下の根茎と葉柄に蓄えられたデンプンを食用、葉柄からとれる繊維を敷物やロープに使われます。栽培はエチオピア西南部でのみ行われています。そのため別名をエチオピアバナナ、アビシニアバショウなどと呼ばれます。ヨーロッパへは19世紀に観葉植物として導入されました。 外見はバナナにそっくりで偽バナナ(false banana)と呼ばれます。種名のヴェントリコサムはおなかの大きなという意味で偽茎の下部が膨らんでいる様子から来ています。偽茎の直径では大きいもので80センチくらいになります。地下には直径50センチくらいの根茎があります。花をつけるまで成長するのに5年から10年かかり、開花してから種子をつけるまでに数カ月かかるといわれますが、実際にはこの株は2年前に発芽した苗を昨年鉢で大きくして今年の春大鉢に植栽したものですから最短2年半で開花に至るということです。花序の長さは1メートルにもなります。両性花が苞と一体になってつき、完熟すると落下します。花はきな粉のような独特の香りがする蜜を分泌しますが、蜜は甘くありません。花粉は夜間にコウモリがきて媒介します。開花した個体は他のバナナのように吸枝を出さずに枯れてしまうので、種子によって繁殖します。エンセテという属は1862年に設立されました。1859年にMusa ventoricosaとして命名されました。その後1947年に属の見直しが行われ、Ensete属に入ることになり、Ensete ventricosumとなりました。

デンドロキルムグルマケウム写真

デンドロキルム グルマケウム
Dendrochilum grumaceum
ラン科 (冷房室)

フィリピン原産です。花は非常によい香りがします。一株あるだけで冷房室には香りが充満しています。ミャンマー、スマトラ、フィリピン、ボルネオ、ニューギニアなどに130~150種が分布すします。たいていは樹上または岩上に着生し、まれに地生することもあります。偽鱗茎は小さいですが群生するため、かなり大きな株になります。頂部に革質葉を単生します。花茎は偽鱗茎の頂部から伸びるか、基部から側生し、総状花序は下垂することが多く、また花は小さいが規則的に並んでいて白く美しいです。

アリストロキアサルバドレンシス写真

 アリストロキア サルバドレンシス
Aristolochia salvadorensis
ウマノスズクサ科
(冷房室)
原産は中米です。摂南大学から挿し木発根苗を2000年3月1日に譲り受けたものを栽培育成したものです。開花株は当園と摂南大学だけと思われます。A. arborea、A. tricaudataとともに灌木状になるタイプのアリストロキアで、A. arboreaのシノニム(同一植物を指す別の学名)とされることもありますが花は明らかに違います。一個の花の寿命は約一週間ですが、地際に発生した花茎が長期間にわたって伸張し、花を一個ずつつけていきます。
これだけたくさん咲いているとちょっと不気味です。

ドラクラワンピレ写真

ドラクラ ワンピレ
Dracula vampire
ラン科
(特別展示室)
エクアドル北部が原産で、標高1800メートルから2200メートルの森林地帯に分布します。ドラクラ属の中では大型で、葉の長さは20センチ程度、花の直径は10センチ程度で学の先端の尾錠部は長さ10センチを超えるものもあります。がく片は幅広く、縁しろの地に濃黒紫色の条班が入り、中央には放射状の模様が入ります。種小名は悪霊、吸血鬼の意味でドラキュラ伝説にまつわるコウモリに花の姿がにていることから名付けられました。学名の読み方が「バンパイヤ」とならないのは学名の読み方のラテン語の発音規則にしたがっているからです。

 

シクラメン写真

シクラメン

ラケナリア写真

ラケナリア

インパチエンス写真

インパチエンス

鉢物展示室ではインパチエンス、ラケナリア、シクラメンなどを展示しています。ハランアナナス写真

ハランアナナス
Pitcairnia corallina
パイナップル科
(アナナス室)
咲き出しました。花弁の縁は白くなっています。昨年10月に植え替えたので開花に至るか心配していたところもあるのですが無事開花しました。葉には葉柄が長くトゲのある葉と葉柄はなくトゲのない葉があります。葉の形はユリ科のハランに似ていますが、こちらはパイナップル科。コロンビア、ペルーに分布します。

ソーセージノキ写真

ソーセージノキ
Kigelia pinnata
ノウゼンカズラ科
(ジャングルゾーン)
アフリカ原産です。長さ30から50センチ、直径10センチ程度のソーセージにそっくりの果実を垂らすことからソーセージノキと名付けられています。果肉は硬く繊維質で食用にはなりませんが、種子は食用にされることもあります。ゾウ、サイなど大型の哺乳動物が果実を食べて種子を散布します。ラン室展示写真

ラン室ではシンビディウム、コチョウラン、デンドロビウム、オンシディウムを中心にした展示を行っています。

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文化生活部文化生活総務課 植物園

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