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京都府立植物園 見ごろの植物情報 温室解説編平成22年3月12日

京都府立植物園 見ごろの植物情報 平成22年3月12日 温室解説編

こちらでは、観覧温室で現在見頃の植物を紹介しています

平成22年3月12日(金曜)現在

ツンベルギアマイソレンシス写真

ツンベルギア マイソレンシス
Thunbergia mysorensis
キツネノマゴ科(ジャングルゾ-ン)
インド南部原産。花は腋生または頂生で、長さ40から100センチの総状花序を下垂します。花冠裂片は暗赤褐色で、基部は濃黄色、大きく開いた花筒内部は濃黄色になります。苞も暗赤褐色でつぼみのときから美しく印象的です。

 

ジャスティシアスピキゲラ写真
ジャスティシア スピキゲラ
Justicia spicigera
キツネノマゴ科
(ジャングルゾーン)
メキシコ南部から中央アメリカ原産。中央アメリカでは毛織物の暗青色染料として利用されます。マヤ族は壁画を描くのに用いたといわれています。また、薬草としても用いられたようです。

 

 

リュエリアコロラタ写真


リュエリア コロラタ
Ruellia colorata
キツネノマゴ科
(ジャングルゾ-ン)
ペルー、エクアドル、コロンビア南部の森林中に分布します。鮮赤色で長楕円形の部分が苞(ほう)で、苞の間から燈赤色の筒状の花が顔をのぞかせています。テコマンテデンドロフィラ写真
テコマンテ デンドロフィラ
Tecomanthe dendrophila
ノウゼンカズラ科
(ジャングルゾーン)
例年はツル下部の太く木質化した部分にもたくさん花がつきツル上部の葉が覆い茂っている部分の花はあまり目立たないのですが、今年は逆で上部にたくさん花がついています。ニューギニア原産。 現在の場所に植栽する前は冷房室で栽培しており、当時は周年開花していましたが、ジャングルゾーンでは2月から3月に開花します。

ブラケアグラキリス写真

ブラケア グラキリス
Blakea gracilis
ノボタン科(ジャングルゾ-ン)
中央アメリカ原産。海抜2000メートルまで分布します。花弁と果実は食べられます。ブラケア属は中南米およびカリブ諸島に分布します。属名は属の設立者である、Sir Patrick Browne 氏が彼の支援者であるMartin Blake氏の名にちなんでつけました。

メディニラ スコルテキニー写真

メディニラ スコルテキニー
Medinilla scortechinii
ノボタン科(ジャングルゾーン)
種名はイタリアの植物学者スコルテキニ(B. Scortechini, 1845-86)にちなみます。マレー半島原産で、草丈は約1メートルになり、樹上に着生することも多いです。長さ15から20センチの円錐花序は花軸、萼ともに美しい淡燈赤色でサンゴのようです。花軸も美しいので長く観賞できます。

ソランドラグランディフロラ写真

ソランドラ グランディフロラ
Solandra grandiflora
ナス科(ジャングルゾーン)
メキシコ、ジャマイカ原産のつる性低木。高さ5から6メートルになります。次々咲いてくるS. maximaと異なり、一斉に開花します。
コンロンカ写真

コンロンカ
Mussaenda parviflora
アカネ科
(ジャングルゾーン)
種子島、屋久島、沖縄、台湾に分布します。半つる性の常緑低木で高さ1から1.5メートルくらいになります。ツル状に伸びた枝は非常に長くなります。本属の植物は約200種類あり、主に熱帯アジア、熱帯アフリカ、太平洋諸島に分布しています。東南アジアやハワイなどの熱帯地方では街路樹や庭木として利用されています。ニオイバンマツリ写真

 ニオイバンマツリ
Brunfelsia australis
ナス科
(ジャングルゾーン)
原産地はブラジル南部、アルゼンチン。低木で高さ3メートルになります。花には香りがあり夜間に特によい香りがします。花色は初め紫色ですが後に白色になります。バウヒニアウァリエガタ写真

バウヒニア ウァリエガタ
Bauhinia variegata
マメ科
(ジャングルゾーン)
中国南部原産。高さ5から10メートルになります。花は美しい紅紫色で芳香があります。九州南端では露地栽培が可能です。例年に比べてたくさん咲きました。

ボーモンティアムルティフロラ写真

ボーモンティア ムルティフロラ
Beaumontia multiflora
キョウチクトウ科
(ジャングルゾーン)
原産はジャワ島。夜間に香りが強くなりますが、昼間も顔を近づければよい香りがします。ボーモンティア属はインドからインドネシアにかけて 約8種が分布します。おしべは5個ですが葯は柱頭付近で筒状に合着します。開花後に剪定するのですが、開花期直後すなわち3月頃に剪定すると次の開花までに伸びすぎるので5月頃行います。英名はNepal Trumpet Flower。 属名はイギリスのヨークシャーのダイアナ・ボーモント夫人(Diana Beaumont, ?-1831)の名にちなみます。 1970年代後半に京都大学附属古曽部農場から導入されました。1992年新温室建設時に現在の位置に定植しました。1998年に初開花し2003年からは毎年たくさんの花をつけるようになりました。導入当初はボーモンティアグランディフロラと思われていましたが花を確認したところボーモンティアムルティフロラであることがわかりました。

ニッパヤシ果実写真

ニッパヤシ果実
Nypa fruticans
ヤシ科 (ジャングルゾーン)
当園初結実です。マングローブの後方の湿地に群生し無茎で株立ちします。葉は根出し羽状で全裂します。雌雄同株で肉穂花序が根株から直生します。雄花は淡黄色で指状に配列した穂状花序につき、がく片は6個、花弁は3個。雌花は雄花より大きく球状の頭状花序につきます。ショウジョウバエの仲間に送粉され結実します。果実は球状の集合果で多数の心皮からなります。熟すと木質化しばらばらになって浮きやすくなり、海流に運ばれて分散します。マングローブを構成するヒルギ類と同様に種子は花序柄についている時点で発芽を始めます。属名のニッパはマレー半島南部やマレーシア、あるいはモルッカ諸島での俗称に由来します。熱帯アジアからオーストラリア北部まで広く分布します。葉は長さ3から9メートル。小葉は50から90対。雄花序は長さ1から2メートル、集合果は径35センチ。日本では西表島(国の天然記念物)と内離島にわずかに生育しますが果実が完熟しないことから種子が海流に乗って漂着、定着したものと考えられています。西表島がニッパヤシ分布の北限地になります。上流での森林伐採や農地開拓に伴う土砂の流入により根茎が埋没したり、他の樹木の生育による遮光のため弱体化や枯死が増えています。また園芸目的の盗掘などもあり個体数は減少を続けており、近年の研究で、群落における遺伝的多様性が失われてきていることが分かっています。環境省レッドデータブックで絶滅危惧IA類に指定されています。自生地では葉を乾燥されて屋根をふき(ニッパハウス)花柄を切り取り汁液を集めて、砂糖、アルコール、酢などを作ります。汽水圏(淡水と海水が入り混じり、薄い塩水になっている場所)に生育しますが、必ずしも栽培に塩分が必要なわけではなく、当園では真水で栽培しています。
スティフティアクリサンタ写真

スティフティア クリサンタ
Stifftia chrysantha
キク科

(ジャングルゾーン)
ブラジル原産。常緑の低木。橙黄色の小花が集まってそれぞれが黄色の冠毛を伸ばして咲きます。冠毛が長く残り長く楽しめます。むしろ冠毛だけになってからの方が美しく観賞価値があります。頭状花は径約10センチ。スティフティア属はブラジルで7種が知られています。

トリプラリスクミンギアナ写真

トリプラリス クミンギアナ(雌株)
Triplaris cumingiana
タデ科
(ジャングルゾーン)
コスタリカからエクアドル原産。花は目立たず、萼片が赤く美しくなります。萼は結実後も残り、翼となって飛散します。雌雄異株で雌花が大きく美しいのですが、雄花は白く小さく地味です。ジャングルゾーンとアナナス室にそれぞれ雌雄株とも植わっています。
アルディシアピラミダリス写真

アルディシア ピラミダリス
Ardisia pyramidalis
ヤブコウジ科
(ジャングルゾーン)
ピンク色の小さい花をたくさんつけます。一斉には咲かないのですが、その分長い期間楽しめます。

ムユウジュ写真

 ムユウジュ
Saraca indica
マメ科
(ジャングルゾーン)
インド原産でマメ科の6から7メートルになる小高木です。花は橙色で芳香があります。仏教三霊樹の一つで、お釈迦様の母君摩耶(まや)夫人がこの花に触れようとした時、お釈迦様が右脇腹から歩み出て「天上天下唯我独尊」と唱えたと伝えられています。インド、タイ、ミャンマーの寺院ではムユウジュの並木が多く見られます。サンスクリット語ではasokaといわれます。意味は無憂で、和名のムユウジュはここに由来しているといわれます。

フレイキネティアムルティフロラ写真

フレイキネティア ムルティフロラ
Freycinetia multiflora
タコノキ科
(ジャングルゾーン)
オレンジ色の苞が鮮やかです。たくさん花がついているので、木が燃えているようです。フィリピン原産。英名をクライミングパンダナスといいます。木本性のツル植物です。フレイキネティア属は約180種が知られています。タコノキ属に似ますが果実が液果状になることが異なっています。

 ウナズキヒメフヨウ写真

 ウナズキヒメフヨウ
Malvaviscus arboreus var. mexicanus
アオイ科 (ジャングルゾーン)
花弁は十分に開かない状態で終わってしまいます。つぼみは上を向きますが、開花時には下向きになるのでウナズキヒメフヨウと呼ばれます。アメリカ人の方がジョークでスコットランド人の口のようだとおっしゃっていました。スコットランド人は無口なんだそうです。

エンセテヴェントリコスム写真

エンセテ ヴェントリコスム
Ensete ventricosum
バショウ科
(熱帯有用作物室)
当園初開花です。静岡県の熱川バナナワニ園では数回開花しているようです。中央から南アフリカに分布します。地下の根茎と葉柄に蓄えられたデンプンを食用、葉柄からとれる繊維を敷物やロープに使われます。栽培はエチオピア西南部でのみ行われています。そのため別名をエチオピアバナナ、アビシニアバショウなどと呼ばれます。ヨーロッパへは19世紀に観葉植物として導入されました。 外見はバナナにそっくりで偽バナナ(false banana)と呼ばれます。種名のヴェントリコサムはおなかの大きなという意味で偽茎の下部が膨らんでいる様子から来ています。偽茎の直径では大きいもので80センチくらいになります。地下には直径50センチくらいの根茎があります。花をつけるまで成長するのに5年から10年かかり、開花してから種子をつけるまでに数カ月かかるといわれますが、実際にはこの株は2年前に発芽した苗を昨年鉢で大きくして今年の春大鉢に植栽したものですから最短2年半で開花に至るということです。花序の長さは1メートルにもなります。両性花が苞と一体になってつき、完熟すると落下します。花はきな粉のような独特の香りがする蜜を分泌しますが、蜜は甘くありません。花粉は夜間にコウモリがきて媒介します。開花した個体は他のバナナのように吸枝を出さずに枯れてしまうので、種子によって繁殖します。Ensete ventricosumは1859年にMusa ventoricosaとして命名されました。その後1947年に属の見直しが行われ、Ensete属に入ることになり、Ensete ventricosumとなりました。

 パラファレノプシスラブケンシス

パラファレノプシス ラブケンシス
Paraphalaenopsis labukensis
ラン科
(冷房室)
原産はボルネオ島のサバ州。葉が直径1センチ程度の棒状になるのが特徴で長さは2メートル近くになります。直径8センチ程度の花が10個ほどつきます。属名はファレノプシス(コチョウランの学名)に近縁であることから、種名は原産地域のラブク谷に由来するといわれています。
ファレノプシスアマビリス写真

 ファレノプシス アマビリス
Phalaenopsis amabilis
フィリピンのパラワン島からオーストラリア北部にかけて分布します。10から20花咲きます。比較的低温に強く、有香。 
ゲッキツ果実 

 

ゲッキツ果実
Murraya koenigii
ミカン科
(鉢物展示室)
果実も赤く鑑賞出来ます。観賞用や生垣にも使われます。材は緻密で彫刻、杖、刃物の柄に利用されます。カレープラントとも呼ばれ、葉をカレーの中に入れる香辛料として使います。基準変種(var. paniculata)は一般的に栽培されており、インド、ミャンマー、マレーシア、中国南部、フィリピン、台湾、琉球諸島に分布します。小葉は卵形でほとんど無柄。花弁の長さは1.2ミリ、液果は卵形。変種のムルレイヤ パニクラタ オンファロカルパ(var. omphalocarpa)は台湾の一部の地域のみに自生し、小葉は広楕円形で葉柄の長さは2から5ミリ。花弁の長さは2センチ、液果は長楕円形になります。

鉢物展示室ではシクラメンをはじめ、様々な鉢物を展示しています。

シクラメン

インパチエンス

ラケナリア写真

ラケナリア

ハランアナナス写真

ハランアナナス
Pitcairnia corallina
パイナップル科
(アナナス室)
葉の形はユリ科のハランに似ていますが、こちらはパイナップル科。花は非常に鮮やかな赤色で印象的です。コロンビア、ペルーに分布します。 花弁のふちは白くなります。

ソーセージノキ果実写真

 ソーセージノキ
Kigelia pinnata
ノウゼンカズラ科
(ジャングルゾーン)
アフリカ原産です。長さ30から50センチ、直径10センチ程度のソーセージにそっくりの果実を垂らすことからソーセージノキと名付けられています。果肉は硬く繊維質で食用にはなりませんが、種子は食用にされることもあります。ゾウ、サイなど大型の哺乳動物が果実を食べて種子を散布します。花は径8センチ程度で花弁の内側が暗赤色です。開花は夜で、夜行性のコウモリやガが花粉を媒介します。

 

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