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京都学・歴彩館では、世界とつながる京都学の研究・交流拠点をめざし、「海外若手研究員受入事業」を2017年度から実施しています。この事業は、国際的に京都研究・日本研究を推進し、その成果を広く世界に発信するとともに、研究交流や発表を通じて、府民に向けて研究成果を紹介し、共有することを目的としています。受け入れた研究員は、その間京都に滞在して、京都学・歴彩館を拠点として京都研究・日本研究に係る自らのテーマを研究し、その成果を発表します。
◇2023年度の京都学研究員 プロフィール (氏名/研究テーマ)◇
クリオ・シモネッタ(Clio Simonetta)/日本の古代の駅制
日本への馬の導入は、古代の日本の社会と政治制度の進展過程において、重要な役割を果たした。中央集権国家の成立に不可欠であった駅制は、移動手段としてのみならず、物資流通や情報伝達手段として欠くべからざるものであり、また、戦争や反乱の際に軍馬が果たした役割は大きかった。本研究では、日本の古代の駅制がどのように発展し、いかに変化を遂げたかを調査し、騎馬文化と国家の発展の関係を解明する。
略歴:フランス国立東洋言語文化大学日本文化・日本語(学士)日本文化(修士)
フランス高等研究実習院大学院、歴史・文献・資料学専攻、博士課程
エミリー・ウォレン(Emily Warren)/東寺百合文書と古記録の食文化
平安から鎌倉期の宮廷の食文化について、『延喜式』に見られる食材調達の詳細 や、中世の料理書『厨事類記』、藤原頼長の日記『台記』等の記載を調査して当時の宴席での食の歴史を検討してきた。さらに中世寺院と宮廷の食文化を研究するため、歴彩館が有する『東寺百合文書』などの古記録や、日記・儀式書の記述の検討を加え、世界の料理に影響を与えている和食文化の歴史について考察を深め、海外に発信する。
略歴:南カリフォルニア大学東アジア言語と文化研究学科日本文学専攻(学士)(修士)
南カリフォルニア大学歴史学科博士課程日本史専攻博士課程
◇これまでの京都学研究員◇
受入 年度 |
名前 | 研究テーマ(申請時) |
府民向け セミナー |
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2017 | 楊洋 | 花園天皇の学問と宋学 | 実施報告書(PDF:262KB) | チラシ(PDF:707KB) |
2017 | 黄馨儀 | NHK朝の連続テレビ小説に見る京都 | ||
2017 | 林琪禎 | 京都学における近代日本教育研究 -長田新の京大在籍時期を中心として- |
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2017 | Leca Radu | 幕末における磁器上日地図の意義 | 実施報告書(PDF:126KB) | |
2018 | Luke Edgington=Brown | 日本と西洋の古物研究家のつながり: 考古論の発展と先史観の影響 |
実施報告書(PDF:245KB) | チラシ(PDF:2,632KB) |
2018 | Sarah Vallette d'Osia | 江戸時代における孝子褒賞に出る京都の遊女 | ||
2018 | 朴漢珉 | 明治期における京都と朝鮮の人々 | ||
2018 | Dan Sherer | 戦国江戸移行期における京都の日蓮宗の本山会合 | ||
2019 | Christopher Hayes | 外国人観光客の京都や日本に関する認識: その期待・印象・2020年の東京五輪の影響 |
実施報告書(PDF:120KB) | チラシ(PDF:988KB) |
2019 | 郭珮君 | 東アジアの仏教儀礼テクストと文学表現: 日本中世の天台仏教を中心に |
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2020 | Pavel Smirnov | 院政期における「辞官申任」制度の変遷過程/源俊房「水左記」自筆本の総合的研究 | 実施報告書(PDF:175KB) | チラシ(PDF:762KB) |
2022 | Matthias Hayek | 近代における「迷信」の成立:撲滅政策と科学史誕生の視座 | 実施報告書(PDF:625KB) | チラシ(PDF:697KB) |
お問い合わせ
文化生活部文化政策室 京都学・歴彩館
京都市左京区下鴨半木町1-29
電話番号:075-723-4831
ファックス:075-791-9466