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JICAボランティア帰国報告会への参加レポート

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平成29年7月20日(木曜日)、JICA関西(外部リンク)にて行われました「JICAボランティア帰国報告会」に、情報収集も兼ねて初めて参加しましたので、その様子をレポートします。

JICAと中小企業

まず、JICAでは、

  • 若者の海外(発展途上国)への派遣だけでなく、
  • 中小企業の社員さんの海外派遣もされています。これは、中小企業が進出を予定している国の事前実情把握ですね。
  • さらには、中小企業向けに、発展途上国への現地進出に向けた情報収集、発展途上国での製品技術のニーズ検証、有効性確認の支援など

様々なツールをお持ちであり、中小企業の人材確保、海外展開などに関して大変興味深い取り組みをされています。

帰国者からのご報告―各国の実情と派遣者のチャレンジ

では、帰国者からの報告について、いくつか簡単にご紹介します。

 

 

まず、スリランカの子ども達にスポーツを教えに行った方のお話。
スリランカは親日国だそうですが、貧富の差が激しく、超学歴社会なんだそう。幼稚園から、日本の小学校のように、教室で椅子と机にてお勉強するそうで、だいたい10歳とかで進路が分かれていくようで、みんなその時点に向かって必死でお勉強されるそう。だから、スポーツをするのも、その後になってからだそう。幼少期からスポーツに励まないので、天才スポーツ少年は生まれにくいのではという意見も(現にスポーツテストの結果も、日本の13歳とスリランカの15歳が同じくらいだというデータもあるらしい。)。
食事は、「朝昼晩ともカレーだが、おいしかった。自分も、もちろん、手で食べた」とのこと。素晴らしいですね。
貧困地域だと靴を履いてらっしゃらなかったりすることもあるが、それでもスマホはみんな持っているとのこと。この話は、結構他の国からの帰国者からも同様の話がありましたね。

 

 

同じようにスポーツを教えに行かれた例では、コロンビアに野球を教えに行った方のお話。
階級社会だそうです。現地の野球のレベルも高い。それはなぜなら、子ども達が野球をする目的は、メジャーリーグに行って貧困層から脱出することなんだそう。ブラジルのサッカーと同じなのですかね。野球を通じて規律・躾を教えることが目的で派遣されたのに、現地の皆さんの意識は「メジャー行き」ばかりであったそうで、その意識のずれにご苦労されたのでしょうね。

 

行ってみたら違ったという他の例は、ルワンダに行かれた方のお話。
下痢の人が多いので、衛生環境の改善のために水道整備を目的に派遣されたものの、行ってみれば水道が整備されていたんだそう。でお、下痢は相変わらず多かったので、原因は水ではないのではと考え、様々な生活シーンの衛生改善に奔走されたとのこと。とっても素晴らしいですね。

 

状況はほんとに各国様々なのですね。自宅分娩が多く、それ故、乳児死亡率も高いので、親になる人の指導に行かれたというのは、モロッコのお話。
あるいは変化のスピードも感じられました。ジェノサイドの印象が強いルワンダが、実は今、海外からのビジネス投資が進んでおり、日本の大手企業もルワンダを拠点にアフリカ進出を果たしているところもあるのだそう。

 

派遣者のご苦労された話も感動的でした。現地の人達に溶け込んでいく、受け入れられていくたえに、様々なチャレンジを重ねられたお話もたくさんありました。「自分より年上のベテランであり、簡単に聞く耳を持ってくれるわけではないので、まずは、何度も足を運んで顔を覚えてもらい、やがて興味を持ってもらって」といった仕事のベースを身につけて来られたお話や、「一人で抱え込むのでは無く、みんなで解決するということを学んできた」「お互いの理解を深めるために、一緒に居るだけでもいいので、緩くても時間を共有することが効果的だと学んだ」といったお話もありました。

中小企業の皆様へ

人材の発掘や海外事情の把握に、とても良い会だったと思います。
今回、関西の中小企業の皆さんも聴講にいらっしゃってました。これまでからJICAボランティアの帰国者を雇用され、会社の経営アップに繋げてらっしゃるところも多いそうです。
JICA関西では年1回、東京の本部では年4回開催されているそうです。ぜひ京都の中小企業の皆様もいちどご参加されてはいかがでしょう!

お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

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ファックス:075-414-4842

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