ここから本文です。

京都府の産業支援について

京都府の産業支援についてタイトル

イノベーターズライブラリ
令和3年度主要事業体系
コロナ 食品鮮度保持 チャレンジバイ クリーンボイス 商談ナビ バーチャルパーク 文化イベント
挑戦 スタートアップ 承継 知恵の経営 ロボットセンター 北部産業創造センター 国家戦略特区
協創 引き継ぎ 文芸理 助け合いの輪 コロナ補助金取組例 各補助金 辿り着く先
産業コミュニティ 食 ライフ ものづくり スマート 脱炭素 メディアコンテンツ
次世代 ネイチャーパワーテクノロジー サイバーフィジカルメンタル
京都企業紹介(業種別) 京都企業紹介(五十音順) 知の京都

目次
 

2020年代—

全世界を巻き込んだパンデミックによって、3,000年前の仏教やギリシア哲学が誕生した枢軸時代、そして近代のフランス革命や産業革命以来の、第3の意識革命が人類に起きていると言われています。危機が人々を倫理的にし、脱炭素や人口減少、働き方改革など積年の社会課題解決への意識を加速させ、ビジネス、産業をして、サスティナブルの視点、これまでの枠組みを超えた地球規模での全体最適の視点と一致させていくことが求められており、共感やアハ・モーメント(熱狂)を獲得することが鍵となっています。

そのため、機能を明確に認識できる試作品づくり、徹底的な概念実証を通じて、需要と供給を最短でつなぐ「プラットフォーム」、ターゲット特化あるいはシンプル化等によって新たな顧客体験を生む「ビジネスモデル」、インタラクション・デザインや用美兼備、あるいはアンメットニーズを具現化するような「テクノロジー」等を創出することが重要です。

中でも破壊的イノベーション(新結合)は、これまで培った強みが不可欠ですが、現在のニーズの延長線上に答はありません。かつて自動車が世に投入された際、馬車の延長線上である「速さ」では評価されませんでしたが、馬車では不可能なほど「遠くへ行ける」という価値が理解された瞬間に、馬車の時代は終焉し、自動車の時代が到来しました。「既知(気づいている)の未知(理解できていない)」、あるいは、それ以上の「未知の未知(気づきも理解もできていない)」は、人類に無限の可能性ももたらしましょう。
例えば「デジタルツイン」。アフリカ大陸と南アメリカ大陸の海岸線の形を「地図」というデータで眺めて初めて、かつてはそれらが一体であったと気づいたように、データ化によって見える景色は全く異なりましょう。京都の強み「おもてなし」を一層昇華させられるかもしれません。
あるいは、「ネイチャーパワーテクノロジー」。私たちの眼前にある「自然」も未解明のことで満ちあふれており、「石油」「データ」に続く第三の資源として、日本を「資源大国」に押し上げるものではないでしょうか。

京都が育んできた人真似をしない経営精神、世界に誇る先端研究、精緻なものづくり技術を土台に、伝統産業からハイテク産業、コンテンツ産業に至る多彩な業種間、産学公による「新結合」によって新産業の創出を図ることで、京都経済を支え、世界をより良い場所にするために、各種施策を展開してまいります。

トピックス

企業 起業 承継 戦略 販路 税 補助 白 白 白 全般
産業 特区 フード ライフ ものづくり スマート 脱炭素 コンテンツ ネイチャー サイバー 地域

中小企業応援ガイドブック(PDF:8,222KB)補助金情報Web(外部リンク)

 企業ステージ別メニュー

起業スタートアップ支援

起業

世界各地で起こっている異なる文化や技術の融合

トランジスタの発明でノーベル賞を受賞した1人ウィリアム・ショックリーがスタンフォード大学のターマン教授の勧めで移ってきて1956年に半導体研究所を設立したのがその先駆けと言われるシリコンバレー。1999年の巨大なインキュベーションCICの設立を皮切りに、たった20年足らずでバイオやロボットの世界的な集積地となったボストン。香港の加工貿易を支える製造拠点から、北京オリンピックの頃を境に人件費高騰による空洞化に対応するようにIT、金融、バイオ、エネルギーなどの新産業拠点に様変わりしたシンセン。

言わずと知れた世界的なスタートアップの街ですが、今や、どこかの中心地が世界をリードする時代は過ぎ、世界中で異なる文化や技術の融合を原動力にイノベーションが生まれています。

教育機関としても技術の導入先としても軍隊の果たす役割が大きなイスラエル。USBメモリーを生み出した国で、自動運転の肝となる画像認識チップを手掛けてインテルに買収されたモービルアイ等が有名ですが、例えばライドシェアサービスの普及に当たり、職を失いかねないタクシードライバーに自社株を配ることで、彼らが積極的に顧客を呼び込む仕組みを考案するような挑戦的なスタートアップ企業が存在感を発揮しています。

「2000年問題」でITのアウトソーシング先として一躍有名になったインド。今やグーグルやマイクロソフトのCEOも輩出していますが、特に2014年のモディ政権発足後、スタートアップ政策を打ち出すとともに、旧高額紙幣の廃止に伴う混乱を契機にキャッシュレスを推し進めるなど、先進国が一歩ずつ歩んできた進歩の段階を一気に飛び越える「リープフロッグ」を起こしやすい環境にあります。まだ「0から1を生み出す」というよりは、生活水準に関わる課題の多さや規制の緩さなどを背景にした安易なコピービジネスも多いそうですが、ハイエンドでかつ安価な医療ビジネスや、BtoCが多い中国と比べ企業向けのBtoBのスタートアップ企業が多いことが特徴。

アルベルト・アインシュタインが生まれ、欧州最大のフラインホーファー研究所が本部を構えるドイツ。世界三大発明の一つ「活版印刷」だけでなく「コンピュータ」も生み出した発明の国であり、芸術家が集まる街の強みを発揮し、製品のUXデザインに定評があります。日本同様、ソフトウェアに比べてイノベーションの面でやや遅れをとっているハードウェアの国でありながら、ベルリンは年間500社のスタートアップが生まれているそう。その多くが、マイクロアントレプレナーのほか、ライドシェアやゼロエミッションなど循環型経済を目指すもの、ブロックチェーンなどのウェブ3.0に関するものであり、「アートの街」「テクノ」「クラブ」や、世界最大のハッカー集団「カオス・コンピュータ・クラブ」に象徴されるような近代資本主義の歪み、GAFAMの情報の中央集権主義への反発心など、アンダーグラウンドな雰囲気が若者を魅了し、25%が外国籍、6割が宗教登録をしていない実態から明らかなように、多様な集積が進んでいます。

 

破壊的イノベーション=発明(潜在需要×解決策(アイデア×テクノロジー))×社会普及

一方、日本。
ナスダックの時価総額の中央値が500億円だとすると、東証マザーズは50億円。日本・京都が世界に伍するためには、まだまだ道のりは遠いかもしれません。誰もが踏み込んでいない領域からアプローチし「破壊的イノベーション」の創出を目指すスタートアップ企業。その課題としてよく挙がるのが「人材がいない」「開発場所・機材がない」「販路が拡大しない」「資金がない」の4つの「ない」。実際に、大学発スタートアップ企業ですら、ベンチャーキャピタル(VC)が最大の投資者になっているのはわずか4%とも言われます(2019年度経済産業省大学発ベンチャー実態調査)。

4つの課題のうち、前の2者はエコシステムとして整えねばならないテーマですが、後の2者は企業自身の問題、すなわち、起業前の段階でその事業の将来性をしっかり検討できていたのかということに収斂されるのではないでしょうか。例えば医療機器等はニーズドリブン(マーケットイン)で顕在需要に対応するものですが、創薬その他多くのスタートアップ企業が目指すのはアンメットニーズ(ウォンツ)つまり潜在需要を具現化するテクノロジープッシュのビジネスです。これらは、「破壊的イノベーション=発明(潜在需要×解決策(アイデア×テクノロジー))×社会普及」の公式からも分かるように、「偶然性」が付きまといますので、ネットワーキングパーティーのような出会いの場を増やすことがエコシステムとして重要ですが、何よりもまず、顕在・潜在いずれにせよ大きな価値を生むニーズを掴んでいるかが重要です。医療機器であれば、技術、薬事、保険償還、ビジネスモデル、特許などの「解決策(アイデア×テクノロジー)」の検討の前に、病態の深掘(発生機序の解明)、市場分析(セグメント別ユーザー数)、ステークホルダー分析(ユーザーの満足度)という市場規模の吟味・評価を徹底的に行わねばなりません。特に「命までの距離」が遠い医療機器ほど価格も低く、マーケティングや販売戦略が重要となり、市場規模が大きければ大きいほど成功確率は高まるのです。

そうすることで、「販路」については、そもそも努力して売るのでなく、黙っていても売れる「セクシーな製品」の構築を目指さなければならないのです。

では「資金」はどうか。スタートアップ企業の視点では、研究(魔の川)や起業のためのシードマネー、開発(死の谷)・事業化(ダーウィンの海)のためのシリーズA、競争(顧客拡大)のためのシリーズB、安定経営のためのシリーズCなどステージが様々ありますが、投資するVCの視点では、将来どのくらいの企業価値(バリュエーション)でエグジットできるかが重要です。VC自身も機関投資家から資金調達をしてファンドを立ち上げており、その取り分は、エグジットの際に投資金額を上回った分のうちの2割程度のみですから、先ほどの市場規模の吟味・評価が大変重要であり、双方とも資本政策で最初に見極めるべきことは将来のバリュエーションであり、そこから開発資金等を逆算していくことになります(創業者は、優先株を使えば拒否権を持ちますので、各段階での創業者の持ち分比率を気にするよりは、エグジットの際の持ち分を気にするべきかもしれません)。その算定方法にはDCF(割引キャッシュフロー)によるもの、PER(株価収益率)によるもの、売上額に一定倍率(5倍など)を掛けるものなど国や業界によって様々です。医療機器では、薬事対応、販売対応などが必要なため、スタートアップ企業では難しい黒字化も、体制の整った大企業に買収されればすぐに実現できる事情などから、海外ではPERで無理に黒字化を目指すよりも売上倍率での算定が通例となっていますが、いずれにせよ、市場の分析が不十分な「販売リスク」のある案件は論外であり、「開発リスク」については、例えばクラスⅣの開発リスクの高い製品の場合には、大きなリターンが見込めないと資金調達が難しいということになります。また、事業会社からの投資の場合は、お墨付きを得る意味でも有意義ですが、自社事業とのシナジー効果狙いが多いこと、連結対象にしたくないため持ち分比率を15%以内に抑えたい場合にはバリュエーションの不必要な拡大に繋がりかねないことなど、留意することが必要です。

私たちも、人材確保、場の確保、交流の機会の増加、徹底した伴走を行いながら、大学や企業の優れた研究や技術をベースにしたスタートアップ企業の創出、内外からの多様な起業家の誘致を図り、オリエントの精神文化、四季折々の自然、世界の最新テクノロジーを支える精緻なものづくり企業、海外でも人気のゲーム・アニメなどのコンテンツ産業といった京都の強みを活かした「新結合」を推進してまいります。

 

承継事業承継・人材支援

 京都起業・承継ナビオール・京都の支援情報ポータルサイト 事業承継税制金融支援 batonz
事業承継
人材支援
子ども・学生向けセミナー等レポート(一部)
参考情報

戦略戦略・知財支援

京都企業紹介(業種別) 京都企業紹介(五十音順)

2020年度の国内総生産GDPの対前年比(実質/速報値)マイナス4.6%となり、リーマンショックが起きた08年度のマイナス3.6%を超えて、比較可能な1995年度以降で最大の下落となってしまいました。

今回の新型コロナウイルス感染症と同じく、世界全体に、多くの業種に、個人の生活にまで影響を及ぼした事件はオイルショックではないでしょうか。国内では石油依存を抑制するための「省エネ」が叫ばれ、企業は人件費削減、不採算事業の整理、投資の削減など「経営の減量」を進めました。その結果、海外から、日本の省エネ対応の半導体や、従前よりガソリン税が高かったこともあり燃費の良かった日本車の人気が高まりました。こうして、エネルギーを大量に使う鉄鋼産業や、化学産業、電機産業に代わりエレクトロニクス産業へと構造転換が図られました。
では今回はどうか。企業に求められるのは「減量」ではなく、事業ポートフォリオの変換や利益構造の変換など、ピンチをチャンスに変える「事業転換」なのでしょう。なぜならば、需要が変化したから。コロナ禍での人流抑制に伴うマイナスの変化とは別に、巣ごもり需要・テレワーク需要関連のPC、協調ロボットなどコロナショックで派生するプラスの需要、マイクロツーリズムやリモート診療(新型コロナウイルス感染症が収束するまでの特例措置(外部リンク)で現実には診療報酬の安さ等が課題、オンライン診療医療機関情報(外部リンク))など、今回形成されつつある新たなインフラ的需要、自動車保有や脱炭素・グリーンリカバリーなどの価値観の変化の加速に伴う需要が生じてきています。

世界の動きはどうか。
 新型コロナウイルス感染症が地球規模で蔓延し、経済に大きな打撃を受けてきた中にあっても、2020年の国際特許の出願件数は、対前年比4%増とコロナ禍でも過去最高を更新するなど、人類の「知の追求」は止まるところを知りません(近年の特許出願:世界300万件超、日本約30万件(国際出願約5万件)、京都約1万件)。特に世界のデジタル化を牽引している中国企業や米国企業の存在感が増している状況にあって、京都においても、企業どうしの連携あるいは産学連携によって、その知恵と技術の粋を結集し、感染症対策関連の新たな開発が次々と行われるなど、長い歴史と伝統の中で培われてきた底力が発揮されたところです。
 一方、「プラットフォーム」や「ビジネスモデル」は海外事例に分があるケースが多いでしょう。P2Pでの金銭の貸し借りを同じ母校の先輩後輩を結びつけるもの、リフォームしたい人と内装業者を直接結びつけるもののほか、自宅を宿泊施設に変える付加価値型の「プラットフォーム」、大量の双方向の送金者を抱えることで実送金を抑え送金手数料を激安にするもの、語学学習者に任すことで企業向けに翻訳を激安にするもののほか、衣装だけでなく道具、振る舞い方の指導も含めたパーティー対応一式サブスクや、VRで様々な世界を巡る高付加価値型のフィットネスといった「ビジネスモデル」などがコロナ前から次々と生まれています。
また、「サプライチェーンの変化」はどうか。グローバリゼーションが止まるとか、生産の大規模な国内回帰といったことは恐らく起こらず、一部の見直し程度にとどまるというのが実情ではないでしょうか。ただし供給体制については、ミラミッド構造からダイヤモンド構造への転換、製品(加工)のモジュール化(製品(加工)+情報)、あるいはマスカスタマイゼーション・サブスク等の対応は求められると考えられ、リスクヘッジは必要であるものの、引き続き、開発は日本で行い、生産・ローカライズ・販売は海外現地でといったことであり、いかに日本の製品を海外に届けるかということではないでしょうか。

コロナによる需要の大変化と併せて、マーケットや技術革新のスピードの加速化、これまで頼ってきた国内需要の縮小といった近年の動向が今後も続くことでしょう。こうしたことを踏まえれば、それ自体はニッチでも、より広い分野で組み込まれる技術、高齢者向けその他新たに生まれる需要に着実にリーチするデザイン指向の製品の開発、そして、それらのために自社の強みの何を残し何と組み合わせるかを見いだすための交流や需要の予測・創造を深めていくことが重要です。
交流に関しては、製造業と、海外展開で成功しているサービス業と組むといったような「企業グループ」の形成が重要でしょう。
需要の予測・創造に関してはAIの活用も1つかもしれません。既に、GAFAMといった世界のプラットフォーマーが既に存在しています。1980年代、日本には米国の2倍の電子工学の学生がいました。それによりエレクトロニクスは日本が米国を凌駕していました。今は、コンピュータサイエンスを学ぶ学生は、米国が日本の5~10倍いると言われています。それ故、狙うべきは、様々な分野の「ラストワンマイル」まではロボットに担わせつつ最後の部分は人間の「ひと手間」を加えた「おもてなし」、極めて(どえらい)簡単なUIによる「おもてなし」(どえらい変革=DX)を実現する「人間くさいDX」を追求することではないでしょうか。さらには、既に京都企業においてもチャレンジが進んでいますが、こうしたAIの「学習機能」「予測機能」を用いて「おもてなし」力を劇的に向上するAIX(AIトランスフォーメーション)へと飛躍することが重要だと考えています。

 

<令和3年度「小さな巨人」>

<令和2年度「小さな巨人」>26社

<令和元年度「小さな巨人」>25社

<平成30年度「小さな巨人」>17社

<平成29年度「小さな巨人」>25社

<平成28年度「小さな巨人」>21社

支援制度
(認定等)
 専門家派遣等)
(融資)

r3c04販路開拓支援

京都商談ナビ チャレンジ・バイ中小企業新技術開発応援制度 福祉・医療商品導入補助福祉施設・病院等の皆様へ文化イベントサブスク

買い物はインターネット、という時代。リアル店舗は商品展示場として、消費者からではなく出品企業からお金を取る形に姿を変えるかもしれません。京都の街はショウルームと化し、京都観光に新たな要素が加わるかもしれません。
その代わり、限界コストが限りなくゼロに近い「サブスク」を活用することで、京都の得意とするニッチな商品群でロングテールを容易に実現できる時代を迎えるとともに、リアル店舗や街の電気工事業等は、貸出品のメンテナンス・リカバリーセンターとしての機能を発揮するかもしれません。
また、既に自動車や家電、アパレルや薬などの分野でマスカスタマイゼーションの足音が聞こえてきており、モノの流れと逆に情報の流れは川下から川上へのデマンドチェーンを構成し、サプライチェーンは素材、パーツ、色などの「組み合わせ」、さらには3Dプリンタによる「単品」で対応するためには、物流のシェアリングが効果的です。

こうした時代になれば、ものづくり企業は、作り手としての本業に集中できる、すなわち、サブスクなどの新しい活用形態の中でユーザーに求められているユニークな企画・設計、高度な研究開発、優れたUXデザインなど真価を発揮する時代になるのではないでしょうか。

2021年度
2020年度

設備設備投資、税の優遇

エンジェル税制
不動産取得税軽減
固定資産税軽減
その他

補助補助金

コロナ補助金取組例 助け合いの輪 補助金情報ウェブ
補助金情報Web(外部リンク)
2021年度(募集中)
2021年度(募集終了)
2020年度(2021年度も実施するもの除く)

支援その他支援機関等

産業別メニュー

特区特区・産学公連携

「無(「ゆらぎ」のある状態)」から1cm角スケールへの「インフレーション」。その膨張エネルギーによって「ビッグバン」が発生。そのエネルギーで「物質(電子、クオークなどの素粒子)」「反物質(異なる電荷を持つ陽電子などの素粒子)」、さらにはそれらの衝突で光子が生まれるとともに、膨張の拡大に伴う冷却による「素粒子結合」で陽子、中性子が誕生・・・。
138億年前、宇宙誕生の「1秒間」に起こった出来事です。3分後に「陽子・中性子結合」によって水素やヘリウムの原子核が、38万年後に水素とヘリウムの原子が生まれました。やがて星の重力による核融合でヘリウムより大きな軽元素が、中性子星の合体によって鉄より大きな重元素が生まれました。
こうした光子(アインシュタインがノーベル賞を受賞したのは、これ以上分割できない光の最小単位を示した「光量子仮説」)、電子、陽子、中性子や原子などの「量子」。今のコンピュータに入っている1辺数センチメートルのCPUに、10ナノメートルサイズのトランジスタ(1秒間に10億回ON/OFFの切り替えが可能)が10億個程度入っていますが、例えば原子1つのサイズは約0.1ナノメートルとさらに小さいです。こうした量子は「粒でもあり波でもある」ため、有名な「2重スリットの実験」のとおり2つの隙間を同時に通り抜けます。2択ではなく「重ね合わせ」(しかも「確認」すれば1つに集約)という、一見、古典物理では説明がつかない量子のふるまいが、私たちの世界を支配しています。最近では10兆個の原子からなる長さ0.04ミリメートルの金属板でもこの現象が確認されています。
この量子力学の原理を活用するのが「量子コンピュータ」です。量子ビットと量子論理演算によって構成されるものです。情報を保有する「量子ビット」は、イオン方式、半導体(電子)方式、光子方式など様々な方式が研究されていますが、1ビットについて、電気や磁気によってONかOFFかの2択で表すのではなく、量子の性質によって重ね合わせ、つまりどちらをも表せるので、nビットの場合に2のn乗通りのパターンをいちいち全て判別する必要はなく、そのnビット1本が全てを含んでいるため、それだけを判別すればいい、つまり大量の計算を並列処理できます。演算を行う「量子論理演算」は、波の干渉を操るような仕組みです。これらにより従来のコンピュータを大きく凌駕するスピードを実現しようというものです。2014年にGoogleが大学の研究グループを取り込み自社開発を宣言したことがきっかけでブームが到来したものの、本格的なものはまだ見通しは立っていませんが、素因数分解を高速に解く(現在の暗号化技術をあっさりと打ち破るものでもあります)、新素材を発見するなど、大きな期待がもたれています(日本においても日立、トヨタなどが量子技術による新産業創出協議会の設立を目指しています)。

こうした様々な人類を導く最先端研究と京都の様々な産業分野の連携により、世界をリードする、未来を掴むイノベーションの創出、新産業の創造を推進してまいります。

フード食産業

ライフライフ(iPS・脳科学・先端医療等)、QOL(福祉/健康・医療)

京都品質ライフサイエンス

「健康」「医療」「福祉」に関するライフサイエンス、ライフイノベーションには、(1)健康増進による医療・福祉費に関する国民負担コストの抑制と、(2)付加価値の高い、あるいは安く手頃な健康・医療・福祉関連製品・サービスの創出促進による国民へのバリュー提供の2つの意義があるとともに、医薬品市場、医療機器市場、再生医療市場とも世界的に年数%の伸びが見込まれる成長産業であることから、京都が世界に誇る「iPS細胞」をはじめとする研究開発や府内中小企業の本分野への参入を支援してきたところです。

そして、新型コロナウイルス感染症が世界を席巻する今、コロナ禍からWITH・POSTコロナ社会の構築に向けて、そのテクノロジーの開発を一層進めねばなりません。

生命・健康を守る--
ウイルスの遺伝子を見つける「遺伝子検査」は、抗体あるいは抗原に接合させる「抗原検査」「抗体検査」に比べ今のところ精度が高く多用されているところですが、京都においても中小企業はOEMで、大手は自ら、それぞれ高速PCR検査装置や全自動PCR検査装置の製造を行い、大学病院でもPCR検査ロボットシステムの実証が行われています。
ウイルスのタンパク質、すなわち、抗原あるいは抗体に接合させる「抗体検査」「抗原検査」は、遺伝子検査に比べて精度が低いとされていますが、京都のスタートアップ企業において、タンパク質をダイレクトに製造する方法により高精度な検出法の確立を目指す動き等が起こっています。

抗原から身を守る仕組み「免疫」のうち、「細胞性免疫」に関しては、研究用攻撃(免疫)細胞をiPS細胞で作る攻撃(免疫)細胞の活性化環境を作るといった取組が、京都のスタートアップ企業で進められています。「体液性免疫」すなわち抗体を自ら作り出すための「ワクチン」については、2021年2月に国内で接種が始まったファイザー(米国)や、モデルナ(米国)のmRNAワクチン、アストラゼネカ(英国)のウイルスベクターワクチンのほか、国内でも阪大・アンジェス・タカラバイオのDNAワクチン、塩野義製薬の遺伝子組み換えワクチンをはじめ開発が進められています。京都のスタートアップ企業においては、ウイルスのスパイクタンパク質をmRNAから生成するのではなくダイレクトに生成するスパイクタンパク質の成分そのものを生成するといった研究開発が行われています。

ウイルスの増殖を抑制する「治療薬」については、既存薬の中からAI等で候補を絞り込む取組がスーパーコンピュータ富岳のほか、府内スタートアップ企業も行っていますが、2021年4月末時点での国内承認は、RNAポリメラーゼ(転写因子と結合し遺伝子複製を作動させる酵素)を阻害するタイプの重傷患者用注射薬「レムデシビル」のみ(ステロイド系抗炎症薬では「デキサメタゾン」、肺炎治療薬では「バリシチニブ」が承認済)です。しかし、京都の大手創薬メーカーや国内のスタートアップ企業がウイルスの遺伝子(mRNA)に直接作用する核酸医薬(細胞外のタンパク質を標的にする低分子医薬品と異なり細胞内の標的分子を直接ターゲットにできる)の開発を目指すなど、粘り強い取組が進められています。

医療崩壊を防ぐ--
血中酸素濃度など患者や施設入居者の状態をリアルタイムでリモート監視するシステムや、排尿計測記録システムなどは、府内企業が既に上市しており、現場での使いやすさ、UIが重要なポイントとなっています。さらに、コロナの影響で拡大する産後うつ問題に対して、相談体制を構築する健康管理を行うといったスタートアップ企業も生まれてきています。声で感情認識を行う(外部リンク)とか、家電のリモコン操作から認知症の兆候を掴もうとする研究等も国内で進められています。

また、クリニック等の院内感染リスクを下げるとともに、患者を繋ぎ留めるためにも有効なAI問診(外部リンク)オンライン診療システム(外部リンク)医療従事者間コミュニケーションアプリ(外部リンク)などは府外スタートアップ企業が先行しています。初診の場合、本人確認や基礎疾患の事前把握など困難さはあるものの、重症度に応じた優先順位の見極め等にも有効です。一方、AIとオンラインを駆使して薬局の新しい姿を模索する動きは、京都のスタートアップ企業から生まれてきています(米国ではドローンによる市販医薬品の宅配がスタート)。

感染拡大を防ぐ--
高性能CPU・GPUを駆使してSLAM、物体認識、AI顔認証などをエッジ完結で行い、エレベータ・システムとも連動して各階のフロアマップを参照しながら自律的に動くロボットが、介護施設の巡回、深紫外線を用いた消毒等を自動で(外部リンク)、あるいは遠隔操作で(外部リンク)行うなどRaaS(Robot as a Service)の取組も始まっており、多くの京都企業も追随しているところです。

また、スマホの活用に関しては、アンドロイド(グーグル)、iPhone(アップル)がOSどうしで連携し実現した「COCOA(外部リンク)」をはじめ、大手通信会社の取組、海外では体温計の値の全国分布、京都でも人流分析、混雑やコロナ感染者発生アラート発信など、様々な取組が生まれています。

感染症に強い社会を築く--
感染の恐れを最小限にするために人を介さず3Dプリンターでの食品製造(外部リンク)、動物を用いない植物由来の人工肉開発、店舗に出掛けずスマートミラーでの試着、ラフな手描きのイメージ図をスマホカメラで撮影すれば自動で3D図面ができあがるリモート設計相談(外部リンク)企業の枠を超えた共同デジタル試作(外部リンク)ARによる共同現場管理(外部リンク)リモートでの重機操縦(外部リンク)など、新しい取組が登場し、大手自動車会社では「都市OS」構想等も生まれてきていますが、京都企業もデジタルツインに着手しているところです。

また、コロナによる物理的・心理的距離が生じていることがきっかけで企業の福利厚生にも取り込まれたAI恋愛ナビゲーションアプリ(外部リンク)オンラインパーティシステム(外部リンク)リモート応援システム(外部リンク)のほか、ARと連動したリモート音楽ライブ、VRと連動したエクササイズ(外部リンク)エクササイズの動きで進めていくゲーム(外部リンク)など、新しいビジネスが登場してきています。

 

こうした激動の時代の中で、京都企業が力を発揮するためには、それぞれの強み(テクノロジーだけでなく、業界や顧客との関係性など、あらゆる要素を含む)を持ち寄ること、UIをはじめ現場の実情にきめ細かく丁寧に対応することが、不可欠であります。

 

ものづくりものづくり

「自動車」、また、自動車やスマホをはじめとする様々なIoT機器に搭載されている「半導体」。現在の日本のものづくりの代表格でありましょう。

 

日本の主要製品出荷額約300兆円のうち約2割を占める自動車産業

特に次世代自動車は、ダイムラーが2016年に発表した「CASE」に表されるように、製造業だけでなく異分野の参入が拡大するとともに、巨大市場を背景に技術革新著しい中国など国家も巻き込んだ群雄割拠状態で競争が進められており、求められる技術も、従来の自動車関係にとどまらずIT、電機・電子など裾野が広がっているため、府内ものづくり中小企業にとって、自動車産業との関わりのウエイトがこれまで以上に大きくなっていると実感されるところです。

「CASE」を概観すれば、まず、「Electric(電動化)」については、充電スポットや電池コストの問題がありますが、ディーゼル車の排ガス不正問題を契機とするドイツ、ガソリン車で後発故にEV車購入補助やその開発品質の向上の両輪で進めている中国などの国策が目立つとともに、「人類を救済する」というミッションと、エネルギーを太陽光発電で創り、蓄電池で蓄え、EV車で使うというグランドデザインを描く米国のテスラも有名です。データを蓄積しつつ、そのノウハウはオープン化しており、中国で数十社のEVメーカーが誕生することにつながったのかもしれません(圧倒的な安さで中国国内ではテスラを上回る売上を達成する企業も)。そして、EV車で高まる電力消費に対しエネルギー業界では「3つのD」、すなわち、より限界費用が小さいクリーンエネルギーによる脱炭素化(Deccarbonization)、分散化(Decentralization)、デジタル化(Digitalization)を進めており、石油メジャーもEV充電ステーションを抱える企業の買収を図ったり、ソフトバンクグループは「ビッツ(情報革命、IoT)、ワッツ(エネルギー革命)、モビリティ(移動最適化)」と評し、CASEの様々なレイヤーの企業に投資をしています。
 次に「Autonomous(自動運転)」については、運転手の人件費を不要にできる業務用分野で先行する傾向がありますが、アルファベット傘下のWaymoや、自動運転技術のオープンソース化によって多様なパートナーと協業する「アポロ計画」を進める中国のバイドゥ(国策AI事業である自動運転、都市計画、医療映像等をバイドゥ、アリババ、テンセント等が分担)、さらには、2020年の米中両国での自動運転試験走行距離で、この2社を抑えて首位に立ったGMなどがひしめいています。また、自動運転の核となるLiDER等によるセンシング、AIによる判断、制御等をスムースに行うためのGPU等の半導体においてはエヌビディアが存在感を発揮しています。しかし、ここでも際立つのはテスラ。高コストなLiDERを使わず視覚情報をベースに、実運用面で圧倒的なシェアを誇り、もはや「車輪のついたソフトウェア」として日々収集されるデータから、ディープラーニングでアップデートされています。
そして、「Shared & Service(シェアリングとサービス)」。MaaSの1つ、ライドシェアではウーバー、リフト(自動運転部門をトヨタが買収)や滴滴出行などが有名ですが、P2Pを成立させるための与信情報、相乗りを実現する経路・到着時間予測などAI、ビッグデータが重要な技術です。また、カーシェアにおいては、ダイムラーでは逆に購入(所有)を刺激し押し上げたり、長距離利用が多い北米からは撤退するなど試行錯誤が続いていますが、同社のIT企業並のAIアシスタント「MBUX」はドライバーのスケジュール管理や好みの音楽やレストランの紹介など、そのホスピタリティが好評を博しています。
 最後に「Connected(つながる化)」では、自動運転によって「どう運転するか」から「どう過ごすか」がポイントとなる中、音声認識技術アレクサでアマゾンエコー(AIスピーカー)やアマゾンゴー(無人店舗)等の無人システムを進めるアマゾンが、2020年に自律走行車開発企業を買収した動きは注目です。

こうした次世代自動車によって狭義の自動車産業は縮小し、大手自動車メーカーには収益性を含めて厳しくなる反面、広義の自動車産業は拡大し、中小企業にとっては重要なモジュールやその部品開発という新たなチャンスが到来しているとも言えます。例えば、ガソリン車からEVへの変化としては、

  1. 「エンジン」が「モーター」へ:モーターには、磁界に挟まれたコイルに直流電流を流すことで、フレミングの法則によりコイルが回転する「直流モーター」、コイルに電流を流すブラシをなくし、外側に配置したコイルにインバーターで制御した電流を流すことで、内側の電極を回転させる「ブラシレスモーター」などがありますが、EVで多く用いられているのは、向かい合うコイルに交流電流を流すとフレミングの法則によってN極、S極が生まれ切り替わることで、同法則によってコイルの間にある軸が回転する「交流モーター」です。なお、日本電産はモーターとインバータと減速機が一体となったユニットを開発しています。
  2. 「ガソリンタンク(給油)」が「バッテリー(充電)」へ:スマホなどと同様のリチウムイオン電池が主流。しかし、アップルのEV開発プロジェクトでは、リン酸鉄系の正極材料が用いられているとされ、エネルギー密度は高くないが耐久性が抜群と言われている。京都のスタートアップ企業では「交流」のリチウムイオン電池を開発しています。
  3. 「燃料ポンプ」が「コントローラー」へ:バッテリーの直流電気をモーター用に交流に変換する「インバータ」や電圧をコントロールする「コンバータ」などを組み合わせた部品。

といったことですが、ガソリン車のような系列サプライヤーによる垂直統合モデルのバリューチェーンではなく、例えばモーターとバッテリー連携をはじめ、モジュール化に伴ってレイヤー構造による水平分業(垂直連携)モデルへの移行が鍵を握っていると考えられます。

あるいは逆に、いずれかの分野の企業から総合プレイヤーが登場し、大手によるOEM(生産受託)、ODM(設計・生産受託)、EMS(電子機器生産受託)等が加速するとしたら、それらが追求する「規模の経済」に対応する低コスト化あるいは新たな道を探るデザイン思考、「範囲の経済」に対応する幅広いアイテムの提供、「速度の経済」に対応するデジタル試作などが、中小企業にとっての鍵となるかもしれません。仮にその総合プレイヤーがITなどの異分野からの参入企業であった場合は、ものづくり中小企業の強みである要素技術、生産技術、量産技術を活かしてIT企業の弱みを補完するチャンスだと考えられます。

 

半導体によって、時代は再びソフトからハードへ。

かつて「産業の米」と言われた半導体。日本はDRAMを中心に世界を席巻するも、日米半導体協定、90年代のインターネット・ブームを境に、やがてハイテク産業の覇権はGAFAMに移りました。しかし今や、それら巨大IT企業もクラウドサーバーやスーパーコンピュータの半導体チップ(CPU、画像処理やAI用等に用いられるGPUなどのプロセッサ)開発に注力しています。また、2020年6月、世界スパコン・ランキングで、5部門のうち4部門を理化学研究所・富士通の「富岳」がトップを独占しましたが、残る1部門のトップを獲得した日本のAI企業Preferred Networksもチップの自社開発に取り組んでいます。ディープラーニング(学習と推論)やビッグデータ処理に対応するため、ライバルに差を付けるため、ハードの制約を受けるソフト開発の効果を高めるため、チップ開発に進出しているのです。
ムーアの法則によれば、1チップのトランジスタ数が18ケ月で倍化しますが、トランジスタが微細化するに従い電流漏れや過剰な熱の発生が起こるため、近年のパソコンは、クロック周波数を保ったまま性能を上げようと、演算ユニットを多数内蔵(マルチ・コア)した汎用CPUを並列(マルチプロセッサ)で繋いでいますが、先の両者のスパコンは、命令を同時に複数のデータに並列に適用するかつてのベクトル方式も組み合わせ、富岳にあっては毎秒41.6京回の浮動小数点(仮数、基数、指数の要素で表現する数字)計算を実現しました。
このため、スーパーコンピュータは、「理論」「実験」と並ぶ現代科学の第3の柱「シミュレーション」の高度化を実現し、天気予報のほか、宇宙シミュレーション、材料研究、量子化学や量子コンピュータ開発、空力設計、がんゲノム医療研究などに用いられています。例えば、新型コロナウイルス感染症の治療薬。一般に創薬開発は、病原である標的タンパク質の探索(ターゲット探索)、それと結合する化合物の探索(リード探索)、人間が飲める形にする薬剤変換(リード最適化)、動物評価(前臨床試験)、ヒト評価(臨床試験)という長い工程を経て、成功確率は2.5万分の1程度と言われています。そこで、リード探索のシミュレーションが行われてきましたが、通常は標的タンパク質を「固定」した形で探すので精度が低いのに対し、富岳を用いて「動かす」ことで高い精度で検索が進められています。三次元座標に、標的タンパク質を構成する数万個の原子を配して質量や電荷を基に加速度を計算し、フェムト秒単位で移動後の座標を求めるという膨大なデータ量をこなしているそうです。
既に私たちのスマホには、汎用性の高いインテルのCPUではなく、ARM(ソフトバンクからエヌビディアが買収)の計算用命令体系に従うよう互換性を持たせながら、独自開発のCPUが搭載され、効率化・電力抑制と高速化が同時に達成されており、富岳も同様に、最高レベルのマシンをコンシューマー製品にも幅広く応用できる点が高く評価されています。90年代以降、半導体の最小加工寸法が数百から数十nmへと微細化するに伴い、ウエハー上での薄膜形成、回路焼き付けなどの前工程を中心に、水平分業への転換が起こり、開発・設計を行うファブレス企業(クアルコムやエヌビディアなど)や、製造だけを行うファウンドリ企業(台湾のTSMCなど)が生まれてきました。
この間も、依然として垂直統合のインテルは、米国らしくシステム設計に秀でていますが、より高速なプロセッサを作るには、製造に特化したファウンドリに遅れをとってしまったのではないでしょうか。一方、FA分野で日本が世界をリードするきっかけとなったのは、ファナックが、PCへの搭載よりも早い1975年にインテルMPUをCNCに搭載し、それを多様なマシンに組込補完材として搭載していったことがきっかけだと言われています。日本の半導体そのものの世界シェアは10%を切っていると言われますが、半導体の基板となるシリコンウエハーでは、2社で世界シェアの5割を占める日本企業のうちの1社は京都のSUMCOです。SCREENホールディングスは洗浄装置において1社で世界シェアの半分近くを占めています。また、イノベーションも次々と生まれています。東京のスタートアップ企業(外部リンク)で、トランジスタやコンデンサなどを配置する基板である電子回路を、スパッタリングでウエハに銅箔成膜、レジスト塗布、フォトマスクで露光・現像(レジスト廃棄)、エッチング(銅廃棄)、レジスト除去(レジスト廃棄)という従来の回路形成方法ではなく、銀ナノインクジェットプリント、銅めっきという新方式で、少工程・廃棄レスで実現するところも生まれてきています。今後は、こうした前工程だけでなく後工程の技術革新も今後のトレンドの1つとも言われています。2021年時点で、回路線幅3nmを実現し、2nmの新工場も建設中の台湾TSMCは、半導体を縦に積み上げる3次元実装技術の確立を目指すため、素材や製造装置に強みを有する日本企業と組もうとしています。
今こそまさに、自社の技術を一層高めながら、競合との「開発競争」から、未来への「開発協創」へとシフトしていけるかが問われています。

 

高機能材料、微細加工、生産材を磨く

以上を概観すれば、限界費用ゼロのソフトウェア、プラットフォームビジネスの『米国』、低コストかつ高品質の製品を世界に供給する『中国・台湾』、その「高機能材料」や「微細部品」、量産を支える「生産財(工作機等)」を供給する『日本』、といった構図が浮かびます。「開発設計・デザイン」は海外が、「生産プロセス」はカンバン、アメーバなど大企業が強みを発揮しているかもしれませんが、「加工技術」では日本の中小企業が、中でも微細部品等を生産するためのオンリーワンの生産財の微細部品は、多品種少量故に中小企業が活躍する分野でありましょう。
それらは、成膜やエッチングなど2次元加工の半導体製造、光学系のレンズ表面加工などの「ナノ加工」に次ぐ、1μm~30μm程度の「微細加工」です(肉眼で見えるのは300μm程度まで)。「生産財部品」では医療ロボットを支える微細機構などがそうですし、「製品部品」では痛くない注射針、カプセル内視鏡、スマホの微細部品の検査プロープ、カメラ内蔵あるいはAR用ディスプレイ内蔵スマートコンタクトレンズなどがそうです。
さらにこうした部品を生産するための「マシン(生産財)」も日本の中小企業が存在感を発揮しています。直径0.01mmのエンドミルや微細加工用マシニングセンタ(自動工具交換・数値制御機能付きフライス盤)等がそうです。小径ゆえに回転数を上げながら冷却液等で収縮を抑える主軸の構成、数値制御の補正をも超えるナノレベルの位置決めを実現する組立時キサゲ作業など匠の技が盛り込まれています。さらには加工ヘッドに超音波振動を加えることでセラミックスやガラスへの微細加工もできるようになっています。また、セラミックスの放電加工が可能になったり、CO2レーザーから、ファイバーレーザー、さらにはフェムト秒レーザーなどが登場したりと、非接触で高アスペクト(深穴)を実現できる放電加工機、レーザー加工機も飛躍的に発展していますし、量産向けのプレス加工や医療分野のディスポーザブル等で利用が進む樹脂成形でも、微細加工は深化しており、精度を測る非接触3次元測定器やX線CTスキャン等も発達しています。

本府でも、加工精度の診断を行う工作機械精度診断測定システムや高性能高さ測定機、ものの表面の解析を行う電子顕微鏡、内部の解析を行うX線透視装置などのほか、電子部品の有害物質に関する欧州の規制強化への対応の関係では、有機物の分析を行うガスクロマトグラフ、金属の分析を行う放電発光分析装置などの検査装置や生産装置の貸付等によって、加工技術の支援をしてまいりました。また、「加工」だけでなく「開発」から請け負うことで、高付加価値でかつ将来を先取りしたものづくりを行う「試作産業」を推進してきました。近年は、デジタルによって設計だけでなくデザインやシミュレーション、解析まで一貫して行う「試作レス」をも推進し、あわせて「加工」についても、規模の大小を問わず機械やノウハウのシェアリングによって全体の底上げを図ってきたところです。
日本、京都の強みである「高機能材料」「微細部品」「生産財(工作機等)」を中心に技術を一層高めるためには、その未知なる世界に突入するリスクを低くするシミュレーションの活用やAIの学習データの共有化など、テクノロジーを効果的に活用することが重要であり、そのための交流の場づくりや人材育成を図っていくことが今後の課題です。

 

スマートスマート(IoT/IoE、AI、ロボット、5G、エネルギー)

IoT等タイトルIoT/IoE、AI、Robot、xR、デジタル企業群 ロボットセンターロゴ

時価総額世界トップ30社のうち、日本企業は1989年には21社であったのが今は1社のみ。自動運転、AI、5G、フィンテックなどが、アメリカや中国ではもはや「先端技術」ではなくなり、新たなビジネスが次々と興ってきています。

例えばフィンテック(あるいが保険領域のインステック)は、長く続いたデフレの影響等で50歳以下の金融資産シェアが約2割しかなく、家計の金融資産構成の約半分もが現金・預金である日本では発展が難しいですが(スウェーデンでは金融機関の支店の大半が現金を持たなくなり、銀行強盗が数千件から数十件に激減)、アメリカではリーマン・ショック(金融機関への不信感の増大、金融機関をリストラされた人々の存在)がきっかけの1つとなりました。日本でも資産運用、税金を考慮した投資、目標貯蓄の達成のための日々の支出のアドバスなど、ロボアドバイザーは登場していますが、何より重要なポイントは、ミレニアム世代(スマホ世代)、ビッグデータ、クラウドです。これらによって、ATMを持たなくていい、ライフログ(SNS上に残っている行動記録、自動車運転の急ブレーキの回数など)から審査を自動で行うなどにより、低コスト化と高い与信力を発揮できるため、書面不要でより高い預金金利や低い貸出金利の設定、これまで金融が届かなかった幅広い消費者へのサービス展開が実現できるのです。さらには、オープンAPIによって、オンラインショッピングを支える基盤にもなるなどカスタマーリレーションシップの強化を目的としたBtoBサービスも発展しています。

こうした遅れを逆手にとって、今や日本がリープフロッグを実現するチャンスかもしれません。例えばロボット。ロボットというハード起点でUXやアプリケーションを思考するという流れではなく、デジタルでつながれた世界の中での「振る舞い方(それはデータ活用によって向上を重ねる)」「ビジネスモデル(自動運転車はロボタクシーとして貸し出すことで24時間稼働)」を起点に考えるなど、これまでの延長線上ではないアプローチを図ることで、世界の潮流を日本・京都にたぐり寄せる取組を進めてまいります。

脱炭素脱炭素

カーボンニュートラル

太陽光のうち、雲等による「日傘効果」を除く約7割が大気中または地表に届き、地表からの跳ね返る赤外線を、雲等と同じく、吸収し再び地表側に跳ね返すのがCO2、メタン、フロンガスなどの「温室効果ガス」で、これがなければ氷点下19度とも見積もられる地表付近の温度は温められているのです。そして、温室効果ガスの排出量から、森林による吸収量等を差し引いた実質的な排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」の今世紀後半の実現を目指すパリ協定(2015年)を踏まえ、日本も2050年までにその達成を目指すとされています。
温室効果ガスの中でも最もウエイトが大きいCO2に含まれるカーボン。これまで発見され、作り出された物質の8割は炭素を含んだ化合物(有機化合物。ただし、元々は生物が作り出す化合物を指す言葉故にCO2やダイヤモンド等は含みません。)です。他のあらゆる元素と異なり、炭素はお互いに長くつながり合って安定な分子を作ることができるからです。DNAやタンパク質、脂肪など我々の体も、木材、紙、プラスチック、アスファルトなどの材料も炭素が基軸となっていますし、石油や石炭などのエネルギー源も炭素と水素、炭素と炭素が結びついてできているのです。つまり、こうした「材料物質」の創出や、「エネルギー」の活用の際に温室効果ガスが排出され、その「排出抑制」や、「回収・固定」が求められています。

 

材料物質とエネルギー、排出抑制と回収・固定

まず、「材料物質」に関しては、例えば農業では、「化学肥料」は土壌で分解(発酵・腐敗)されると一酸化二窒素になってしまうため、化学肥料や農薬を用いないリレジェラティブ農業を指向する動き、「もみ殻」も土壌中で分解されればCO2になってしまうため、予め炭化した「バイオ炭」を用いればCO2になる量を減らす(土壌に貯留する量を増やす)研究、稲わらなどの穀物の「藁」や家畜の「排せつ物」も分解されるとメタンガスが発生するため、昆虫を使って素早く分解する研究が進められています。畜産においても、牛やヤギなどの反芻動物のげっぷにも大量のメタンガスが含まれるため、げっぷが出にくい成分を飼料に混ぜる研究等が進められています。あるいはそもそも、牛肉のタンパク質の量は、餌にした大豆のタンパク質の量のわずか5%になってしまうので、直接大豆を加工する「代替肉」や、細胞3Dプリンティングなどで家畜の細胞だけを培養する「培養肉」に関するスタートアップ企業も登場してきていますし、京都にも飼料が少なくて済む「昆虫」食を開発しているスタートアップ企業もあります。
あるいは鉄鋼業。高炉では、鉄鉱石から錆び(酸)をとるためにコークス(炭)を投入してCO2が排出され、転炉では、そうしてできた銑鉄(炭が結びついて脆い)から炭素をとるため、また酸素と結びつけてCO2が排出されている(もちろんこれらの工程で大量のエネルギーも用いられています)ため、高炉の排気口にCO2を回収・固定化するためのCCUS装置を取り付ける方式や、コークスの代わりに水素を用いる研究や電子をぶつける研究が進められています。
あるいは石油化学工業。プラスチックの原料であるナフサを、石油から精製する際に、石油を燃焼させCO2を排出してしまいます。近年は石油ではなくCO2からプラスチックを作る研究や、植物由来のバイオプラスチックの開発も進んでおり、京都にも紅色光合成細菌を用いた海洋植物由来の新素材を開発しているスタートアップ企業も登場しています。

次に、「エネルギー」には、石油・石炭あるいは食料などの化学エネルギーのほか、光エネルギー(波長が短い方がエネルギー高い)、電気エネルギー、熱エネルギーなど様々な形があり、同じ大きさで変換が繰り返されていますが、石油・石炭などの化石燃料(有機化合物)を燃焼させれば、つまり、酸素を結びつければ、エネルギーが取り出せますが、炭素の酸化物CO₂が生じてしまいます。酸素と結びつけることが「酸化」、逆に酸素を切り離すことが「還元」ですが、金属を結びつけてCO2を還元するにも、その金属を精製するのに結局CO2を排出してしまうのです。燃やしてもCO₂を出さないクリーンなエネルギー・水素も、その製造過程でCO₂を排出している、EVもそのものからCO₂が出なくとも、動力となる電気を化石燃料でまかなっているとすれば、効果が乏しいということになります(石油化学や鉄鋼業等での副生水素を「グレー水素」、それに回収固定装置を付けた「ブルー水素」、再生可能エネルギーを用いて生成する「グリーン水素」など様々な呼称があります)。このように、排出されているCO2を(化石燃料を使わずに)還元すること、化石燃料以外のものをエネルギー源にすることが重要なのです。

 

回収・固定- CO2の還元- 炭素の酸化還元-
(炭素(有機加工物、エネルギー内蔵))+(酸素)=(エネルギー)+(CO2)

工場等で排出されるCO2を回収・固定する技術には、「CCS(回収・貯蔵)」「CCU(回収・利用)」「CCUS(回収・利用・貯蔵)」など様々なものがありますが、その他にCO2の還元の観点で注目されているのが「植物」です。
35億年前、植物による光合成が始まって以来、地球上の酸素が光合成で作られているということのほかに、葉に当たる僅かな太陽光をエネルギー源にし、大気中にわずか0.04%しか存在しないCO2を還元し糖分に変換しているということが重要です。具体的には、太陽エネルギーと、葉緑体に含まれるタンパク質複合体「PSII」の触媒機能により、水が酸素(放出)・水素イオン・電子に分解されます(「明反応」)。蓄積された水素イオンの濃度差がエネルギーとなって生じる物質ATPと、電子を蓄える物質NADPHにより、CO2から糖質を作ります(「暗反応」)。化学プラントに見られるような、高温も高圧も必要とせず、幹や根、花や実を作り出しています。
この仕組みに倣う人工光合成の研究では、植物のように葉緑素を利用するもの、人工的に改変したタンパク質を活用するもの、半導体と分子触媒を用いた完全に人工的な系など、アプローチは多岐にわたっており、植物が主に作る化合物は、ブドウ糖を連結させたセルロースやデンプンなどですが、植物が作れない化合物を作ることも可能となります。
また、京都のスタートアップ企業では、植物の光合成でCO2だけでなく窒素も直接固定化する、さらにはそこに他の遺伝子を導入することで様々な物質を生み出す、夢の技術の実用化を目指しています。

 

排出抑制- 水素の酸化還元-
(水素)+(酸素)=(エネルギー)+(H2O)、電子放出(酸化)と電子吸収(還元)

化石燃料以外のエネルギー源としては、例えば「水素」がありましょう。
水素の酸化を活用してエネルギー(ここでは電気)を生み出すものとして、水素燃料電池(発電)があります。水素と酸素の混合ガスに火を付けると、水素から電子が飛び出すことにより水素イオンになります。そして電子は酸素と衝突し酸素イオンができます(このように原子(ここでは水素)から電子が放出されることが「酸化」の正体で逆が「還元」の正体。例えば亜鉛メッキ鉄板は、たとえ鉄がイオン化(酸化)しても亜鉛から電子をもらう(還元)ことで浸食を防止)。こうしてイオン同士が結びついて水ができるのですが、水素から電子が飛び出す工程と、電子が酸素と衝突する工程を分けて、電子の通り道を作ることで、電気が起こるという仕組みです。こうして水素自動車(燃料電池車)は、タンク内の水素と空気(酸素)で、H2Oを排出しながら電気を生み、それでモーターを回すものです。
また、エネルギーを取り出すことを目的としているものではありませんが、「光触媒」も水素の還元反応を利用しています。光のエネルギーによって、化学反応を促進する物質全体を指しますが、その中で実用化されているのが酸化チタンを用いたものです。酸化チタン(TiO2)に光を照射すると、そのエネルギーによって水が水素と酸素に分解(還元)されます。その際生じた電子を得た酸素(活性酸素)が、アルコール、植物の葉、ゴキブリさらにはCO2までをも分解(酸化)する、これによって汚れなどを太陽光で分解するというものです。

 

排出抑制- 再生可能エネルギーとそれを支える2次電池・スマートグリッド

化石燃料以外のエネルギー源としては、さらには太陽電池や風力等の再生可能エネルギーがありましょう。
既に京都にも、太陽光発電モニタリングシステムで実績の豊富な企業その検査システムを提供する企業のほか、風力発電の効率アップに挑戦しているスタートアップ企業も生まれています。
さらに、カーボンニュートラル社会では、発電量が変化する再生エネルギーから転換された電気の蓄電に、2次電池の需要がますます高まっています。世界に先駆けてリチウムイオン電池を商品化した日本は、電池メーカーのほか、負極材(グラファイト)、正極材(コバルト酸リチウムやニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムなど)、セパレーター、電解液などのメーカーが多数存在し、京都にも負極材の開発や鉛蓄電池とのハイブリッドなど斬新な電池の開発を進める企業もあります。しかし、2000年頃は小型タイプのシェアの大半が日本であったものの、今や中国が世界の7割を占め、特に車載用では中国・韓国勢が主流となっています。そんな中、京都には、EV向けバッテリー検査装置で世界で高いシェアを誇る企業や、交流モーターが主流となっているそうしたEV向けに世界初の交流(高電圧、大容量(電力(電圧×電流)×時間))リチウムイオン電池を開発するスタートアップ企業も生まれています。さらに、リチウムイオン電池の充電回数や時間等の面の制約を補い代替するものとして、物理現象によって瞬時に充放電が可能で、それによる劣化が少ない物理電池であるキャパシタも、EV業界からは引き続き注目がなされているところです。
そして再生可能エネルギーの電力需給のバランスはもちろん、交流電力網の存在を前提に直流製品に必須となっているコンバータ、そのことが前提に太陽電池に必須となっているインバータ、直流電池を前提にEV用交流モーターに必須となっているインバータなども含め、より全体効率化を図るスマートグリッド(電力・情報統合ネットワーク)の構築も大きなテーマとなっており、京都においてもAIによるエネルギー需給予測等に取り組むスタートアップ企業も既に生まれています。

 

コンテンツコンテンツ産業

ネイチャーネイチャーパワーテクノロジー

title_naiture
ネイチャーパワーテクノロジー

r3i082サイバー・フィジカル・メンタル システム

(工事中)

地域地域

北部産業創造センター ものづくり振興課・京大オフィス・京都大学国際科学イノベーション棟 知の京都・京都のSpecialist

南部
京都市・中部
北部
その他

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp