「第2回ジャパン・ハッカソン」の開催結果について(46か国から232人が参加し京都開催!)
令和3年2月5日(金曜日)から7日(日曜日)までの3日間にわたり、ジャパン・ハッカソン実行委員会(注1)が主催となって世界各国から参加者を募り、「第2回ジャパン・ハッカソン(注2)」が開催されました。
第2回はテーマを「SDGs × Deep Tech」とし、世界各国の学生や起業家、地域課題の解決に取り組む企業などがオンラン上で知恵や技術を持ち寄り、世界のSDGs達成への糸口を見つけ出す取組の、結果をお知らせします。
開催概要
応募 232名(46か国)、40アイデア
結果 上記のうち12アイデアについて、3日間のハッカソンを通してアイデアのブラッシュアップをチームに分かれて実施し、最終日に11チームが発表を行いました。入賞した3チームと、他8チームの概要は次のとおりです。
- <アイデア名> Ubuntu Hub 注※1 :途上国の教育環境整備のための無線ネットワークサービス
- <チームリーダー> Patrick Ocheja(ナイジェリア出身) 注※2
- <チームメンバー>
Grace Kagho(ナイジェリア出身)
Regina Ochonu (ナイジェリア出身)
Panji Gemilang(インドネシア出身)
- <概要> 途上国において、学校に通えずネット環境が未整備なためオンラン教育も受けられない学童に対し、無線LANとブロックチェーン技術により低価格でオンライン教育が受けられる環境を提供するアイデア
注※1 サービス名の「Ubuntu」は、アフリカの単語で「他者への思いやり」、「皆があっての私」などの意味
注※2 チームリーダーのPatrick氏は、現在、京都大学大学院の博士課程に在籍
- <アイデア名> MiraculousAI :AI技術を用いたMRI画像とCT画像の自動変換ソフトウェア
- <チームリーダー> Siddhartha Mishra(インド出身)
- <概要> 医療現場でMRIとCTの画像撮影時における被ばくやコスト高等の課題に対し、AI技術を用いたデータの相互変換機能により、身体への負担なくかつ低コストで、一方の画像から他方の画像を自動生成するソフトウェアのアイデア
- <アイデア名> Nadi Surya :ワクチン運搬用小型太陽光稼働冷蔵庫
- <チームリーダー> Huud Alam(インドネシア出身)
- <概要> 途上国のワクチンを届けるためのインフラが未整備という課題に対し、太陽光で稼働する冷蔵庫の供給により、市民がワクチンを接種しやすい環境を提供するアイデア
- Team Alpha (リーダー:パキスタン出身)
途上国で多発する火災に対して、火災初期の応急対応ができる遠隔操作可能なロボットを配備するアイデア
- susTANlable (リーダー:インドネシア出身)
途上国において農家の収入が不安定という課題に対し、AIとスマートフォンアプリを用いた栽培方法の改善と、商流経路を変えて中間マージン層を排除し農家の収益率を向上させるアイデア
- Playwithyou (リーダー:インドネシア出身)
コロナ禍でステイホームの広がりにより生じた子供の遊び場・学習スペースの確保の課題に対し、スマートフォンアプリを介して専門家から部屋のレイアウトの提案を受けられるアイデア
- AKASA Waste to Energy Incinerator (リーダー:インドネシア出身)
途上国において多量に発生するゴミ処理の課題に対し、メンテナンスが簡単かつ環境に配慮した小型高性能焼却炉を低価格で供給するアイデア
- Sayara App (リーダー:イラク出身)
自動車のメンテナンスや改良目的の専用部品入手のための時間やコスト面の課題に対し、自動車部品専門のCtoCマッチングプラットフォームをスマートフォンアプリで提供するアイデア
- ARはがき(Augmented Reality Postcards) (リーダー:中国出身)
伝統的なはがきに込める情報量を飛躍的に高めるため、スマートフォンではがきに印刷した3Dバーコードを読み込んで拡張現実を画面に表示し、観光や教育等の領域に生かすアイデア
- Hapekita (リーダー:インドネシア出身)
途上国において所得差による教育格差が広がっている課題に対し、富裕層から使わなくなったスマートフォンの寄付を受け付け、必要としている者に適切に届けるプラットフォームのアイデア
- Halaltrx (リーダー:インドネシア出身)
イスラム圏の特殊な金融決済をより簡便化できる金融サービスを、スマートフォンのアプリで提供するアイデア
開催の様子

開会式での主催者の挨拶、京都府山下副知事からの祝辞の様子(参加者はチャットから参加者全員にメッセージを送ることができた)

参加者が一同に集ったワークショップの様子

最終プレゼンの様子(プレゼンの最中に応援メッセージがチャットから挙がった)

閉会式に参加者、関係者が集まった様子
注1:「ジャパン・ハッカソン実行委員会」とは
京大起業部インターナショナル(京都大学経営管理大学院の学生やOBが主体となり運営する団体)、京都府、(一社)京都知恵産業創造の森、(公財)京都産業21、関連企業などで構成する任意団体です。
注2:「ハッカソン」とは
ハック(HACK)とマラソン(MARATHON)を組み合わせた造語です。学生、プログラマー、デザイナー、プロジェクトマネージャーなどが集まってチームを作り、実生活で起こる課題などに対してクリエイティブな解決策を見出す、世界的に実施されているイベントであり、オープンイノベーション手法の一つとなっています。