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知の京都- 神田崇行さん(京都大学大学院情報学研究科 教授)

産学公連携、産業振興の一環として、京の研究者・専門家の皆さんを紹介するページです。

知の京都 京都府の産業支援情報

「ロボット社会」において日常生活で活躍するロボット

(掲載日:令和元年6月5日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

神田先生

 京都大学大学院情報学研究科ヒューマンロボットインタラクション研究室(外部リンク)の神田崇行教授にお話をおうかがいしました。

センサネットワーク技術、サイバーフィジカルシステム

―ヒューマンロボットインタラクション、人間とロボットの相互作用、交互作用ということでしょうか。どんな研究をされてらっしゃるのですか。

神田) 「ロボット社会」に向けた、日常社会で活躍するロボットの研究をしています。センサ情報を基に実空間においてリアルタイムに行動する実体を広くロボットと捉え、人々と共存・協調して活躍する「人らしいロボット」など、様々なロボットの実現を目指しています。

―「ロボット社会」「人と共存・協調」といった点については、今春オープンしました「けいはんなロボット技術センター」でもまさしく、そういう社会、ロボットの実現を後押ししたいと思っており、測位や動作解析等のためのモーションキャプチャ―も備えています。

神田) 私どもも、人々の日常行動をモデル化し理解するためのセンサネットワーク技術や、それを用いて活動するロボットを実現するネットワークロボット技術の研究を進めてきました。

センサーネットワーク効果イメージ

―大変関心があります。

神田) また、人々の行動をモデル化してコンピュータ上で再現することで、人々の一歩先の将来行動を予期したり、システムが事前に計画を立てたりできるようにするサイバーフィジカルシステムも研究しています。これまでに、人々の歩行時のインタラクションをモデル化する歩行者モデルを構築し、ロボットの周囲でおきる現象をコンピュータ上で再現しました。予測計算によって、人々が次々にロボットに群がる混雑現象や、子供のインタラクションがエスカレートして、ロボットをたたいたり、押したりする「ロボットいじめ」といった調和の問題を回避できました。

測位イメージ

ヒューマンロボットインタラクション技術

―なるほど。

神田) 最近は、「街角環境」と言っていますが、人々が行き交う場所で、ロボットが移動し、人々と対話しながら、環境に調和して様々なサービスを提供するための研究を進めてきました。「街角」にロボットを出すってどういうことなのか。例えば、小学校でロボットを動かすと、子どもたちにロボット取り囲まれて、うまくいかないのです。

ロボットを取り囲む子どもたち

―よく聞きますね。

神田) ロボットが人と上手くかかわりあえるようにするために、インタラクションの中にある「人らしさ」を実現する処理のエッセンスを取り出して利用する方法などを研究しています。これまでに、視線、指さし、タイミング、立ち位置、話しかけ方、配り方、など、様々な振る舞いの中にある「人らしさ」を、人工物であるロボットに再現する、振る舞いのモデル化の研究を進めてきました。

―そうなのですね。

神田) 人に働きかけるロボットは難しいです。例えば、チラシを配るロボット。最初は、怖がられたり、断られたりして、たいていうまくいきません。じゃあ、人間はどうしているのか。上手な人は、まず常に場所を移動している、相手には斜めに近づいていく、さっと手を出して渡す、などしていまして、そのケースでは7割程度、成功していました。下手な人は、場所も全然動かないなどで、成功率は1割程度でした。ロボットに上手な人の行動パターンを学習させますと、なんと成功率7割程度になりました。

ロボットとコミュニケーション

人らしさ、ロボットらしさ

―おもしろいですね。

神田) こうなってくると、気が付けば、ロボットに対して何らかの「人性」を感じてきます。なにか同情したりですとか、長期間関わった場合には別れを悲しんだりですとか。

―分かる気がしますね。

神田) しかし一方で、「ロボットらしさ」も残しておきたいところです。人間とロボットのどちらに道案内をしてほしいかと問うた場合、3分の2の人は、ロボットと答えます。ロボットだと気兼ねしなくていいからです。こうして、「人らしいロボット」が、人でも機械でもない新しい社会的存在となりつつあることを明らかにしつつあります。

ロボットに気兼ねなく買い物

ロボットモラル

―そうなのですね。

神田) 近い将来、仕事をロボットに任すようになるためには、ロボットが「モラル」という観点で他者として尊重される存在となり、環境に安心感をもたらすインタラクションを行えるようにする研究を進めます。例えば、ロボットが人間にいじめられていたら助けるかどうか。あるいは、周囲にロボットしかいなければ、人間をどういう行動をとるか、ロボットを人間扱いするのか。

―そうなのですね。

神田) これによって、モラルという観点で人らしいロボットを実現し、人々とロボットとの共生社会を実現することを目指しています。

 

研究の進展がとっても楽しみです!

 

 

 

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商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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