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更新日:2017年8月31日

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京都の流域下水道・長寿・循環再生プラン_4.2 流域別アセットマネジメント実施計画の策定

 計画策定、施設・設備の新設・改築更新、維持管理、運営の各段階において、限られた予算で最大の効果を得るため、以下の手順により5つの流域下水道ごとにアセットマネジメント実施計画を策定します。

  • 下水道は、多種多様な施設・設備から構成されるため、それらを土木・建築構造物及び設備類に大別して管理方針を定め、さらに設備類は、機能を基にして分類を行います。
  • 施設・設備の現在の健全度を把握します。
  • 施設・設備の劣化予測を行い、適切なメンテナンスによる長寿命化とライフサイクルコスト(※)が最小となる改築更新時期を設定します。
  • 更新履歴の蓄積等、アセットマネジメントに必要なデータベースを構築します。
  • 改築更新時期が集中する際には、優先度評価により年度予算の平準化を行い、実現性の高い中長期計画を立案します。 

※ ライフサイクルコスト : 施設や設備を建設・維持・撤去・更新(構造物の一生)するための全ての費用。

1) 各段階における取り組みの視点

 以下の視点により、アセットマネジメント実施計画を策定します。

各段階における取り組みの視点

図 各段階における取り組みの視点

2) 対象とする施設・設備の分類と管理方針

 対象施設を分類し、管理方針を決定します。

アセットマネジメントにおける対象施設の分類と位置づけ  図 アセットマネジメントにおける対象施設の分類と位置づけ

   

図 浄化センターの処理工程

※浄化センターの処理工程は、大きく二分でき、集めた汚水を処理してきれいにし、河川などに放流する「水処理工程」と、 汚水をきれいにする過程で発生する汚泥の容量を減らして、処分する「汚泥処理工程」があります。

3) 健全度の把握と改築更新時期の設定方法

 施設や設備の機能や損傷の特徴などのグループごとに健全度を評価し、将来費用の推計を行います。(ミクロ的視点:施設・設備・機能単位での将来費用) 

  健全度評価と改築更新時期の設定
図 健全度評価と改築更新時期の設定

(参考) 設備の長寿命化によるコスト縮減効果の試算例

 洛西浄化センターの送風機については、標準耐用年数である20年目に更新する場合、60年間で必要となる機器費(当初設置費と更新費)および維持管理費の総コストは約5億6千万円ですが、必要なメンテナンスにより、更新を28年目とできた場合、60年間の総コストは約4億8千万円となり、そのコスト縮減効果は約8,000万円で約14%の縮減率となります。このように、必要なメンテナンスを行い長寿命化することでコスト縮減が可能となります

  <更新年別年価計算結果>

  実耐用年数の算定例(洛西浄化センター送風機)

図 実耐用年数の算定例(洛西浄化センター送風機)

※機器費(当初設置費と更新費)と維持管理費のバランスにより、更新を28年目とすることで、総コストを最も低くすることができます。

4) データの活用方法

 アセットマネジメントにおいて活用するデータベースを次の考え方に基づいて構築します。

  アセットマネジメント用のデータベース構築の考え方

 図 アセットマネジメント用のデータベース構築の考え方

5) 事業優先度設定の手法

 優先度は、施設・設備の健全度と機能性や経済性などにより設定される重要度から設定します。

  優先度の考え方

6) 更新費用の平準化と実現性の高い中長期計画の立案方法

  ミクロ的視点で推計した費用について、優先度により平準化し実現性の高い計画を策定します。

  最適な中長期計画案の策定手法

 図 最適な中長期計画案の策定手法

7) 新技術の積極的な導入

 計画、整備、管理の各段階において、民間企業による創意工夫を取り入れ、コスト縮減や省エネルギー化を図るため、以下の取り組みを進めます。

 

項目 内容
新たな入札制度の積極的な導入

入札時に入札参加者からコスト縮減や技術力に関する提案を求めるなど、民間企業の工夫や新技術を積極的に取り入れる入札制度の導入

    入札時VE方式

   設計・施工一体方式(デザインビルド)

   総合評価落札方式

   技術力評価型方式

浄化センター施設を活用した民間企業との共同研究の推進

 浄化センター現場での汚泥を活用する等、実践的な下水道の新技術開発を支援する共同研究制度の推進(平成17年度から運用開始)

(これまでの共同研究者 3件)

 

 

  

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