更新日:2026年2月27日

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京都府住宅審議会基本政策部会(第12回)開催結果

1日時

令和7年12月19日(金曜日)午後3時から午後5まで

2場所

Zoomによるオンライン会議

3出席者

委員:7名(欠席2名、代理1名)
傍聴者:なし
報道関係者:なし
その他:事務局

4議事

(1)前回の部会における委員ご意見について

  • 資料1及び2により事務局から説明。

(2)住宅政策のあり方について

【カーボンニュートラル・災害対策等の推進】

  • 資料3によりテーマに対する論点の整理について事務局から説明。

  • 資料4及び5により京都府の住宅を取り巻く状況及び主な施策の取組状況について事務局から説明。

(3)今後のスケジュール等について

  • 次回開催の第13回基本政策部会のスケジュール等について事務局から説明。

<議事について>

資料1、2及び3に関する主な質問・意見

  • 熱中症やヒートショックに関して、分析にとどまらず、日常生活の中での心がけの周知や断熱改修の促進へのつながりに期待したい。また、2011年の東京都健康長寿医療センター研究室などによる入浴中の心肺停止状態の事例調査によると、ヒートショックは必ずしも寒冷地でない地域での発生頻度が高く、京都府での発生も全国の中では上位に入っていることも判明している。

→意見として承るとともに、提供していただいた調査結果についても参考にさせていただく。

  • 耐震診断した後に耐震改修を実施した比率は10%程度と推計されているが、耐震性に不安を抱いて診断を受けていることから耐震診断をした中で耐震化が必要と判断される方が10%とは考えにくい。診断で不備が見つかっても実際に改修に至らないケースが多いことが課題と考えられる。近年の地震や災害の被害状況を踏まえると、個人の住宅であっても、倒壊等により周辺市街地にも多大な影響を及ぼすおそれがあり、これは大きな課題である。耐震改修が必要なケースではできる限り必要な耐震施策に導くための工夫が必要であると考える。

→御意見として承る。

資料4及び5に関する主な質問・意見

カーボンニュートラル

  • LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)に関する京都府での取り組みがあれば教えてほしい。

→現在、京都府としての取り組みがない状況ではあるが、ZEHとともに高性能な省エネ住宅の一つとして普及啓発に努めていきたいと考える。

  • 京都府の取り組みである「エコマイスター制度」について、家電量販店の従業員で省エネマイスターに選任された人は、ワッペンやバッジを身につけるなどして消費者に認知してもらえるようにしているのか。

→所管課に確認したところ、ワッペンなどをつけられているか把握できていないとのことである。省エネ性能表示説明の推進者である「省エネマイスター」は、講習等の手続きを経て、府から省エネマイスター講習会修了証を発行しており、修了証提示の義務などはなく、保管のみで更新もない制度となっている。

  • いろいろな補助メニューを用意しているが、長期優良住宅などの高性能な省エネ住宅は、一般的な所得水準の方の手には届かないものが多い。省エネ住宅とはいかなくとも、断熱改修などの比較的低額でできる取組を促す施策をより拡充すると良いのでは。国交省が行っていた「住宅エコポイント」のような身近な施策により断熱改修を推進し、改修の効果を実感してもらえるようなプログラムを実施すると良いのでは。
  • 耐震性能、カーボンニュートラルともに、住宅を地道に維持管理することが長寿命化や性能向上につながる重要な取り組みであるというメッセージをより強く発信していくと良いのでは。

→建物を使っていく中での維持管理はものすごく大切なことだと認識している。断熱改修などによる維持管理方策を含め、長く大切に使ってもらうための方策について周知していくことを検討していきたい。

  • 建築費が大幅に値上がりしており、資料5に示された「広がる京の木整備事業」や「低炭素建築物新築等計画の認定制度」の件数が令和5年に減少している。まず、その減少要因の分析が必要である。
  • 省エネ住宅に関する工事、耐震化ともに、消費者にとって価格的に頼みやすい工務店が申請手続きなども含めて対応しやすいように、工務店向けや関連の協会向けなどに情報やノウハウを発信していくと良いのではないか。

→工務店に対する情報周知については、住宅部局だけでなく他の商工系の部局などとも連携しながら進めていく必要があると考える。いただいた御意見を参考にして検討する。現時点でこういった取り組みについては把握していないが、もし関連情報があれば、次回部会でご報告させていただく。

→例えば、京都市における「まちの匠・ぷらす」の関連施策で、申請に必要な書類作成や申請手続きに関する支援をしている。京都市などの他自治体における類似の取り組みについても参考にすると良いのでは。

→高田先生におっしゃっていただいたように、京都市では既存住宅のストック活用という観点で、「安すまパートナー」という住まい手に地域の工務店や不動産事業者等を紹介する取り組みを通じて事業者の支援を行っている。京都市では、そういったところから次のアクションへ繋げていくような取り組みをしており、府として置き換えてどういったことができるかということも考えていきたい。

→住まい手、特に高齢者が個人で補助金申請の手続きを行うのは難しいが、市町村としてもそういった支援をきめ細かく実施するだけの人手や人材を確保するのは難しい。住情報政策の中で、相談窓口などで住まい手・作り手双方に対する情報提供・支援を行う仕組みを作ることを検討していく必要があると考える。

→京都市の場合は、公社や景観・まちづくりセンターの中にそういった窓口があって、情報提供・支援の業務をこなしている。現状、府全体として住情報に関する支援を十分できていない状態であり、各市町村、各地域における相談窓口の整備を支援することも必要であると考える。

  • 住宅関連での緑化の取り組みなどがあれば教えてほしい。緑化はヒートアイランド現象や豪雨への対策に有効であるが、日本の住宅地は緑化面積が非常に少ないと感じる。

→住宅の緑化に関する取り組みとしては、「優良田園住宅」という制度があり、例えば、農山村地域の住宅で建物ボリュームを一定の基準以内に抑えつつ、敷地内に菜園やガーデニングなどの緑化を行うことにより自然環境と調和したゆとりある住宅街区の形成を図るものである。
また、住宅関連ではないが、京都府では敷地面積が1,000平方メートルを超える建築物の新築や改築を対象として「建築物等の緑化促進制度」を実施している。内容としては、一定規模以上の開発や建築物の新築及び改築を行う際に一定面積以上の緑化と届出を義務付ける制度である。

→日本の緑化施策は、環境面からというよりむしろ景観面から入り、緑被率に着目した緑化推進の施策が始まった。府内の自治体でも、景観の面からだけでなく環境の面からも緑化を評価する議論は出てきているが、それ以上進んだ議論や制度は現状ないと言える。

→これまでの住宅政策のほとんどが都市開発に端を発するため、農村的な地域における住宅政策については積極的な議論はあまりされてこなかったが、現在、久御山町では農村的な地域における住宅政策として、優良田園住宅制度の適用に関する検討を始めているところである。地域ごとに条件は違えど、府内には農村的な地域に根差した住宅や住宅環境が多くあり、府として地域に根差した住宅のモデル事業なども推進していただきたい。京都府住宅審議会の発足前後に、各地域に合ったモデル住宅を考えて公営住宅に適用する施策を実施していたことがあり、もう一度検討していただけたらと思う。

  • 公営住宅には先進的なモデル住宅としての機能もあると考える。府としてコントロールできる住宅なので、現在行っている木質化などの取り組みも含め、引き続き府民に見せる場としていろいろな取り組みを進めていただきたい。

【災害対策等の推進】

  • 補助事業の実績から耐震シェルターの設置件数は耐震改修や簡易耐震改修件数よりかなり少ない状況であるが、その理由を補足してほしい。府内には築年数の長い木造住宅が多く、全ての耐震化は物理的に難しいので、まず簡単に取り組めるところから手をつけることは非常に重要であり、耐震シェルターの設置は人が死なないための比較的簡易な耐震化として重要な施策の一つであると考える。住宅施策の中に位置づけにくいところもあるのかもしれないが推進していく必要があり、対策を急いだほうがよい。

→耐震シェルター設置の補助件数が他の補助件数と比較して少ない理由については現時点で把握できていない。所管課に確認し、次回部会で回答させていただく。

  • マイクロ呑龍を含めた雨水タンクの設置は、自助や共助にもつながる可能性があり、特別なインフラ整備が必要になるものでもないため環境面からも非常に有効な取り組みだと思う。設置数と補助額が合っていないところもあるように思われ、少し気になる。

→マイクロ呑龍の設置場所は、住宅に限らず一般的な建築物も対象となっており、その関係で金額に多少の差が出てきている。マイクロ呑龍は、貯留機能を持ち防災意識や環境意識の向上に繋がるものとして、市町村と連携して費用補助を実施している。引き続き市町村と連携して進めていきたいと考える。

  • せっかくの補助制度が有効活用されておらずもったいないと思うので、周知策も含め最大限活用する方策を検討していく必要があると考える。
  • 町家のような密集市街地にある住宅において、災害時における二方向避難の確保は課題になりやすい。ハード整備をせずとも既存の環境で、例えばお寺の墓地などのある程度の期間存続されるスペースをみなし二方向避難先として位置づけることによって、従来の法規上では不可能であっても実質的に二方向避難が可能になる場合もあると思う。そういったコストをかけずに今ある資源を最大限活かすことで一人でも多くの人を救えるようなミクロな視点での住宅施策について検討しても良いのではないか。

→二方向避難の確保については、袋小路になっているところを開通させて二方向避難を確保する取り組みをしている。また、住宅施策においても「避難」というキーワードは今後重要になると思うので、ハード面に限らず考えていきたい。

  • 府全体にとって観光産業は重要な根幹産業であり、多くの観光客に来ていただく責任を考えると、観光防災への備えは住宅政策においてもある程度考慮する必要があると考える。災害時に地域住民への対応に加え、帰宅困難となる観光客に対して市町村と連携して民間賃貸住宅の一部を貸し出すなどの対応も複合的に組み込む工夫が必要である。

→民間賃貸住宅で帰宅困難な観光客を受け入れることについては、現時点では「帰宅困難者」という扱いにはならない。ただし、居住支援法人は被災者を対象とした支援として災害時に備えて民間賃貸住宅を確保しており、府として民間団体との協定により応急仮設住宅の供給先を確保しているため、そういった連携による観光客等への支援の取り組みを検討していきたいと考える。

  • 住宅金融支援機構では耐震改修リフォーム資金の融資をしており、耐震シェルターも対象だが、高額なリフォーム費用がかかることもあり、現状ではなかなか実績が伸びていない。京都府の補助金などの取り組みと連携して周知していきたい。
  • 高齢期が長くなる中で、住宅の高経年化が進んでくると、高齢者ほど「あと何年住めるか」という不安から「今さら多額の費用をかけて直すのは面倒・もったいない」という考えに至り耐震性能が乏しい住宅に住み続ける可能性が高い。それを念頭に、重点的にサポートすべき対象を絞ってプッシュ型の支援を実施することが重要ではないか。
  • 市町村が主体となって支援に取り組むことができればよいが、様々な課題があり手が回らない状況にある市町村の取り組みを府としてサポートするプログラム事業を充実できないかと感じている。
  • 耐震改修の技術の発展によりかつてほど高額な費用はかからず、また、完璧な耐震改修と比較して命が助かる程度の簡易な耐震改修であればより低額で改修できる。こういったことを知らない方もいると思うので、情報周知も合わせて耐震化の支援をやってほしい。

→対象を絞ったプッシュ型支援で、コストを抑えて命を守れる最低限の耐震化を行っていくというところで言うと、現時点で確定ではないが、京都府の耐震化対策計画の中で、密集市街地における耐震改修にあたって対象を絞って推進していくことを考えている。そういったところも含めて検討していきたい。

  • 施策の中で公民が連携できる関係性の構築についてしっかり位置付けてほしい。民間事業者と連携してやっていかなければいけないところが多くあるが、民間事業者としても住まい手との信頼関係の構築などにあたって行政からのサポートを必要としていると思われる。

【その他】

  • 実績の見せ方について、今後、建築費や人件費のさらなる高騰が予想されるため、実績件数や金額ベースでは減少する可能性が高い。実況を的確に示すために、実績件数や金額だけでなく、新築住宅に占める実績の比率で示すと良いのではないか。

→実績件数や金額だけでは効果や課題が見えにくい状況であると思うので、見せ方について検討していきたい。

5配布資料

お問い合わせ

建設交通部住宅政策課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5359

jutaku@pref.kyoto.lg.jp