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令和5年度第3回京都府社会教育委員会議の議事要旨

1 開催日時

令和6年2月15日(木曜日) 午後2時~同4時

2 場所

京都府庁3号館 地階 第4・5会議室

3 出席者

京都府社会教育委員

木原委員、坂本委員、佐藤委員、猿山委員、杉井委員、築山委員、林田委員、原田委員、平塚委員、福井委員、村井委員、森田委員、山本委員 (計13名)

事務局

京都府教育委員会 前川教育長

京都府教育庁指導部 相馬指導部長

京都府教育庁指導部社会教育課 杉本社会教育課長 他6名  (計9名)

傍聴者

0名

4 内容

1 開会

あいさつ(前川教育長)

2 内容 

(1) 報告・協議

ア 令和6年度京都府社会教育関係団体補助金予算(案)について(報告)

イ 令和6年度京都府社会教育課主要事項予算(案)について(報告)

 ◇ 説明(古川係長)

 ◇ 質疑応答(○委員、●事務局)

〇学習支援セットは、セットが複数あるのか。

●1セット20冊から60冊程度のものが300テーマ以上ある。府立学校版では14ジャンル178テーマ、小・中学校版では16ジャンル142テーマある。

〇何年か継続して収集を続けてきて一定のボリュームに達したので、今後若干の補充については全体の運営費から行い活用するということで、来年度まとまった形での新規購入はないという説明だった。

 また、わくわくキャンプについては、体験活動ということで、地域交響プロジェクトのテーマと重なっているので、そこに参加していただけるとよいが、そのようなものがあるという情報が伝わるようにする必要がある。このキャンプへの参加はどの程度あるのか。

●今年度については15名が参加した。

〇従来の参加者に声かけをすれば、交響プロジェクトの方へ参加していただくきっかけとなる。単純に予算の削減で、何もしないということにならないようにしていただきたい。

ウ 「人がつながる地域づくり」の推進について

(ア) 「令和6年度社会教育を推進するために」について(報告)

 ◇ 説明(明石総括社会教育主事)

 ◇ 質疑応答(○委員、●事務局)

○今までと随分違う形になり、見やすくなった。詳細に書かれている方の冊子は指導的立場にある方への配付ということで、学校の先生方に配付されるのか。

●主に社会教育に携わって指導的立場にある方や行政職員への配付を予定している。学校長へも配付し、学校にも冊子がある状況にする。

〇この冊子と振興プランを一緒に配付されるのか。

●振興プランについては令和3年度から進めているので、今回併せて配付する予定はない。

〇振興プランと関連する項目についての数字が入っているので、一緒に配付して照らし合わせないと番号の意味が分かりにくいのではないか。

●昨年度から市町の教育委員会や教育局の指導主事や社会教育主事から振興プランとの関連が分かりにくいという意見があった。振興プランのどこに戻ればよいのかということが京都府の行政職員に分かるように、今回から番号を記載することとした。確かに分かりにくい部分もあるので、今後考えていきたい。

〇振興プランの紙媒体のものは市町の社会教育職員に配られているのか。

●はい。

〇ネット上でも見られる。

〇2次元コードを読み取ると、振興プランの内容を確認することができる。各番号の内容について、スマホで対比できるということが伝わるように説明があるとよい。

 また、先ほどの予算の報告と関わって、わくわくキャンプが他の事業に統合されたという話があったが、P5の3つ目のアプローチ「地域における多様な学習・体験活動の充実」の中に交響プロジェクトを使ってもらえるということが分かるような記載があるとよい。

〇概要版の中面の下の部分について、文字の色が薄く、弱い印象になっているので、色校正で見やすくなるよう調整できるとよい。

 また、そのような場があるかどうか分からないが、市町の社会教育担当の職員の研修の機会にこの資料を紹介し、説明を補えるとよい。他にも、これを見ながら議論したり交流したりする機会があるとこの内容がより定着しやすくなると思う。

 

(イ) 社会教育の活動や魅力発信に向けた取組について(協議)

 ◇ 説明(杉本課長)

 ◇ 協議(○委員、●事務局)

○日頃、公民館の中で社会教育をしていて感じることは、難しいことを言っても皆さん興味がないということ。皆さんの興味や関心をどうつないでいくかが肝になる。以前、舞鶴市民を対象に生涯学習に関するアンケート調査を行ったところ、地域に興味があって、今後活動したいと思っておられる方というのは、小さいころに異年齢の交流が盛んだったという分析がされている。40代で、地域で活動されている方が多いという分析もあった。この結果から、興味のあることを進めていきながら、その中で異年齢の交流が盛んにできるようにしているところである。長い年月をかけて地域に興味をもつ方がたくさん増えればよいと思いながら活動している。難しいことではなく、楽しく集まって交流していくことを繰り返しながら、リピーターになっていただける方を探し、今度は企画に入っていただくという工夫をしている。

〇子どもの頃を含め、若いときに異年齢交流の機会があることが後々の活動につながっていくという話を聞き、子どもの頃に親が地域の場で楽しそうに活動している姿を見たことがきっかけとなって公民館の職員になったという人の話を思い出した。

〇PTAとは社会教育関係団体であり、京都府でも会員数が8万人弱という最大の会員数となっている。社会教育とは、学校の教育課程で行われる教育活動を除く、主に青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動であり、PTAの保護者は、子どもたちのために活動していると思われているが、子どもたちの活動を通して、親が学ぶ団体、つまりは親学びの団体がPTAである。その認識が共有されないことで、諸々の問題が出てきている。京都府PTA協議会の最大の役割は、親が学ぶ機会を創出することで、レジュメP21にあるような「地域や社会での活動に関する情報提供」や、参加の呼びかけなどを行っている。

 レジュメにあるアンケートを見ていると、学習していない理由として「特に必要がない」としている人が多く、今起きている問題にそもそも気づいてないのではないか。例えば、学校での不登校の増加、人権やジェンダーの問題など。学校の先生方は疲弊している。教育の原点は家庭教育であるということを自覚することが必要である。

 ここで問題になるのが情報発信。コロナ禍により、オンラインの環境が整い、いつでもどこでも自分の時間で好きなときに学べるようになったが、それにより学ぶ機会が増加したかということについては疑問が残る。研修会などの視聴率、受講率が減少したという話もある。よいものをどれだけ広く必要と思ってもらえるか、それには今ある問題に気づいてもらえるかということが重要で、効果的な広報や情報発信が必要であると感じている。

〇親が学ぶ場がPTAだということは社会教育関係者にとっては心強いメッセージになる。単に学校の支援団体ということではなく、親自身が学び成長する場として活動するPTAの姿がよく分かる話だった。

〇先ほど予算のところで説明があった地域交響プロジェクトの交付先は、広くいろんなジャンルを網羅した社会教育を担う人たちであるのではないか。交付金の受託団体自体にそもそも社会教育の認識がないという気がしている。団体に対して、これは社会教育の一環であることを認識してもらった上で活動していただけるとよい。地域で長く活動されている方、やる気のある方が申請されていると思う。交付金受託団体の方に、今回作成した「社会教育を推進するために」やその概要版を使ってワークショップをして、具体的に地域でどのような活動をしていくか、どのように社会教育として広げられるかという問いかけも可能である。他にもPTAや公民館などいろんな団体を巻き込みながら社会教育についての認識を広めていけるとよい。

〇交響プロジェクトには様々な分野の活動があり、子どもたちや地域の方たちの体験や交流が多様に展開している。それが実は社会教育なんだというメッセージを発信し、意識をもっていただくことが大事だというご意見だった。

 その辺りは国の審議会でも活発に議論されており、令和4年8月に出された中間報告では、厚生労働省や農林水産省など文部科学省以外の省庁における地域に関わる事業が社会教育につながっているという議論がされている。「社会教育を推進するために」の概要版の中面中央にある「人づくり・つながりづくり・地域づくり」は現在、そしてこれからの社会教育の鍵となるので、ワークショップの機会を通じて気づいていただく、つながっていただくことができる。

〇先ほど「社会教育を推進するために」の報告を聞き、学校が担う役割の重要性を再認識した。子どもたちは地域の中で育ち、また将来地域を担っていくこととなる。学校では年度当初に「学校教育の重点」と併せて、管理職が教職員に説明しているが、教職員にとって分かりやすい資料となった。活用していきたい。

 今、どの学校も地域とつながろうとがんばっている。実際、学校現場にとって地域の力は非常に大きい。本校では農業体験や調理実習などでお世話になっている。コロナ禍により、この間、調理実習ができておらず、精華町にある食生活改善推進員協議会(あすなろ会)に協力いただいた。また精華町の母子事業との関連で、0歳児の赤ちゃんとその保護者に来てもらい交流した。地域とのつながりの中で行う様々な体験に、子どもたちは目を輝かせている。このようなことも発信していきたい。

〇今、調理実習の話があったが、子ども達の体験を広げるという点では交響プロジェクト含め、社会教育が果たす役割は大きい。学校の先生方には「社会教育を推進するために」の概要版を通じて、このような活動が学校の周り、地域で行われているということを知っていただけるとよい。

〇京都府連合婦人会には、府内7つの地域から委員が出て活動しており、年に2回大きな研修会を開いている。また7つの地域それぞれでの活動もあり、私は福知山市連合婦人会で活動しているが、先ほどご意見があったように、難しい話から入るとなかなか人に来てもらえないので、分かりやすい話を少しずつ積み重ねてもらえるようにしている。自分自身も生涯学び、活動することで、生活環境が変わったり、生きがいを見つけることができたり、生き方が変わったりしていくように、とにかく積み重ねの学習を大切にしている。

 また10年以上前から食の体験ということで幼稚園や小・中学校へ行き、郷土食や地域食を紹介したり、一緒に調理し食べたりしている。他にもできることはあるかと考えているが、会員数が少なかったり、呼びかけても反応していただけなかったりということもあり、できることを続けている。

〇婦人会と青年団は伝統的に地縁組織としてあるが、近年活動が難しくなってきていると聞く。また一方で、女性の様々な活動がされているので、社会教育ということでつながっていけるとよい。

〇府立高校のPTAに携わったが、コロナ禍で対面での活動が難しかった。そのような中、リモートで話し合える環境が整ったこともあり、会議の設定を土曜日の午前中に限らず、皆さんの都合のいい時間帯ということで土曜日の夜8時から設定したこともある。マニュアルを作成し、Zoomにつなげられるようにした。

 魅力発信について、先ほどPTAは親学びの団体であるという話があったが、親が関わる施設として学校にどのようなものがあったらよいかというアンケートを取ったことがある。カフェがあると親同士が悩みを打ち明けるような場になるという意見があった。また、ある研究発表では、進路相談について他事例を知って我が家を見直すという機会があるといいという話もあった。PTAとして今後どのような活動をしていくのか考えていく必要がある。

 役員の選出についても、くじで決めるのではなく、サポーター制を導入していこうという動きもある。1・2年生の保護者約640人にPTAへの関わり方についてアンケートを取ると、そのうち6割ほど回答があった。「積極的に関わってもよい」と答えた割合は5%から10%の間だった。サポーターになってもよいと考えておられる方は一定数いらっしゃることが分かった。そのような中、どのような形で活動を引き継いでいくのか考えていく必要がある。押しつけにならず、やりたいと思っている人に手伝ってもらえるような幅広い活動が求められる。現役の役員さんにはそういったことについての情報を知ってもらいたい。また、冒頭で述べたように、学校自体がもっと開かれたものになるような工夫が必要である。確かにいろんな危険があるということはわかるが。例えば、校内の一角に保護者がいつ来てもよい場所があって、アドバイザーがいて悩み相談ができたり、保護者同士で話ができたり。行政の補助金に頼らず、持続可能な形でできるとよい。

 また「社会教育を推進するために」の裏面の図にあるコミュニティ・スクールと地域学校協働活動は、学校と地域を無理やり結びつけているような形になっているので、「学校」と「地域」とするよりも、最終的には「地域」の中に「学校」が含まれるような形になるとよい。今はこの形でよいが。PTA活動をしていて、PTAの「A」は、「組織」ではなく「地域・エリア」の「A」でよいのではないかと思っている。保護者が交流できるような場が学校内にあり、それが民間ベースでできるような知恵をこれから考えていくこと、そしてそれに賛同し、協力してくれる地域の企業や商店があると、持続可能な組織をつくっていけるのではないかと思っている。

〇社会教育の様々な事例を見ていると、カフェやサロンなど、とにかく気軽に来て話ができる場として、しゃべり場や居場所などが設けられている。またアンケートの話で、積極的に関わってもよいという回答が5%から10%で、割合が少ないように感じるかもしれないが、対象が600人となると、数十人いらっしゃることになる。そういうところとつながることの重要性や交流の場づくりについてお話しいただいた。

〇これまで大学で教員養成に携わり、生活経営や家族関係、ジェンダーについて学生に話してきた中で、例えば子どもの貧困について、相対的貧困という概念がある。すべての子どもに与えられるべきものはどの項目かと学生に問うと、朝食を食べることや医者にかかることはすべての子どもにとって必要だと答えるが、手づくりの夕食や、本や絵本、年に1回の家族旅行という項目は、必ずしもすべての子どもに与えられるものではないという達観した意見を述べる。1回生よりも4回生の方が、現実を見てそう考えている。ただ教員に意識調査を取ると、そういうわけではないという理念を語ってくださる。その辺りの差、希望格差が日本の社会にはかなりあるということを感じている。

 また、授業の中でこれまで22歳までの命を育むお金の計算をさせている。すべて公立で通ってきて、衣食住すべて生まれ落ちたときから保障されていると考えると、約3500万円から4000万円かかる。私学へ行くともっとかかるという計算になる。それについて学生は「親に感謝したい」と言う。生涯年収が2億8000万円あったとしても、1人の子どもを育てるのに3000万円、4000万円かけているとそれだけでは子どもをもてない。少子化は必然という話になる。それに対し、親に感謝するということだけで止めていると、世代間だけの私的な話に終わる。それだけお金をかけて育ててきてもらったのであれば、今後、親だけではなく、社会にどう還元していくかという発想をもたないといけないということを常に話してきた。今日の話の中で、生涯学習についての調査を見ると、私たちはまだ、個人のため、自分のためにという意識が強いと感じる。社会に貢献していくという意識が根づいていないと感じられる。その辺りをどう根づかせていくのか。希望格差もあり、相対的貧困もありながらではあるが、人のためにやることが、将来的には自分のためにもなるという循環の発想がなお根づいていない状況がある。

 仕事と家庭の充実と言われる中で、働く世代には「地域」がどうしても抜け落ちていく。成人教育の中で地域に回帰していくような発想、特に定年退職者や時間がある層に働きかけていくと、これまでの人生経験を生かして生きがいにつながっていくような循環が生まれていくのではと感じた。

〇生涯学習に個人の学習というイメージがあるのは、実は生涯学習政策が出てきた当初に社会教育との区別や住み分け、分かりやすさのために社会教育は集団、生涯学習は個人といった表現がされたことがあったかと思う。でも今、国の審議会等でも、個の学びだけではなく、地域での学びということが強調されるようになってきており、随分状況が変わった。

 今のご発言の中で、仕事と家庭になってしまい地域が抜けて落ちてしまうというご指摘があったが、そのような意味で、PTAというものは、子育てをし、仕事もしている一番多忙な世代の方たちの集まりであり、その活動独自の可能性や価値をもっているということに改めて気づかされた。

〇社会教育の認知という点で言うと、知らない方が非常に多い。各種団体における活動を地道にやっていかれることと併せて、もっとPRしていけるとよい。社会教育というものが硬いのか、社会貢献をしていないと駄目なんだという認識では広がっていかない。ボランティアやスポーツ、地域交響プロジェクトなど、今、すでに行われている様々な活動が社会教育であることを伝えていけるとよい。講師を呼んで発信することも1つ。若い世代に向けて、インターネットを使いながら。先日能登半島地震があったが、京都で起こった場合、社会教育はどのようなことができるのか考え、発信していくこともできる。

〇「社会教育とはこういうものですよ」という発信よりも、公民館でのサークルやボランティア、地域での活動など「それが社会教育ですよ」という発信の方が分かりやすく、伝わりやすい。

〇学校教育も社会教育も縦割りではなく、共に自分たちの役割をしっかりと担っていくことが大切である。学校が荒れて大変なときにPTA会長をしたことがあるが、PTAが先生たちを助けることで、先生たちがしっかりと教育できる。そのような環境にあると、子どもたちは落ち着いて授業が受けられる。それが自分の子どもに返ってくる。学校とPTAがお互いの役割においてきちんとやっていきましょうという形ができた。それには皆さんの協力、理解がないとできない。目標や目的を明確にし、連携していくことが大事だということをその時感じた。

 他の委員の発言にもあったように、社会教育をやっているという自覚をもって活動されている方は少ないと思う。しかし、これが社会教育なんだという自覚をもっていただくことによって、さらに広がっていくということがあろうかと思う。各団体のリーダー研修会など、事務局の説明にもあったように指導的な立場の方へのアプローチが必要で、待ち構えているのではなく、アウトリーチ型の働きかけが必要である。府でも出前講座をしているかと思うが、「社会教育を推進するために」の概要版を手にこちらから出向いていって説明することもできる。そうすると困ってることについて相談にものることができる。アナログとデジタル、両方を活用しながら積極的なアプローチが必要である。また、学校と地域をつなぐコーディネーターの役割も重要で、その方々へ向けて社会教育を担っているという自覚をもって活動してもらえるような発信をしていくことが大切である。

 そして何より「楽しさ」が必要である。学びや活動に参加された方が、楽しかった、自分の家に持ち帰って少しでも役に立つと感じてもらえたら、そこからまた広がっていく可能性がある。私たちも自覚をもって広げていきたいと思った。

〇支援者への支援、担い手への支援もアウトリーチ型でという提案をいただいた。

〇学習や教育のイメージが一般的に「教育=学校教育」となってしまっていて、どうしても堅く、「社会」が付いて「社会教育」となっても、結局、先生と教えてもらう人という関係性、イメージが強くなってしまっている。いろんな体験や経験、活動など、ポイントを押さえればすべて社会教育になるということを伝えていく意味では「社会教育を推進するために」の概要版のように、ポイントが押さえられているものを見せながら、今、皆さんがされている活動にこういうものがあれば是非「社会教育」と謳ってくださいと伝えられるとよいし、活動から逆引きできるようなものもあればよいと思う。また、地域交響プロジェクトについては、社会教育のアピールが弱いのではないか。社会教育の分野の中の協働教育というスタイルでやってくださいという要領に変えた方がイメージしてもらいやすい。社会教育をやってもらうんだという強い意思を伝えるとよいのではないか。

 教育、福祉、まちづくりなど、それぞれの分野においてそれぞれの計画が走っていくが、計画ができるタイミングがずれてるので、変化がそれぞれのプランに影響し合えていない状況になっている。例えば、こども基本法ができて動き出して、子どもの権利と言い、また児童福祉法改正の中で子どもの意見表明を仕組みとして必ず入れなければならない中で、社会教育における人権教育のテーマとしてすごく大切であるにも関わらず、こども基本法にも児童福祉法にも社会教育という言葉が1つも入ってこない。教育という言葉ですべて括られている。京都府の子育て環境日本一戦略の中にも、社会教育は一言も入っていない。一言でも入れてもらう、連動させていくということが大事である。

 また一緒に学び合いをしていく、生涯学習をしていくという話の中で、どうしても「教育=提供型」というイメージをもたれてしまっている。学び合いの場であるということ、地域の中ではいろんなネットワークが重層的にできていて、その中でお互いにどの分野がどんな課題にぶつかったときでも学び合いながら地域で成長していこうという、あらゆるネットワークを串刺しできるようなテーマが社会教育であり生涯学習であると思う。そのようなイメージがうまく伝わっていくとよいし、うまく社会教育を使ってもらうようなイメージがもてるとよいと思う。

 社会教育主事の養成課程では実習が必須だと思うが、実習後、資格を取って社会教育主事になった後にどのように活躍されているのかがあまり見えてこない。社会教育主事の養成をしている府内の大学の授業に府の職員が出向いて説明するようなことができるとよい。担い手はたくさんいるはずで、みんなでやっていこうというという空気ができてくるよい。

〇京都府の総合計画を見たときに、社会教育についての記載があるか探したことを思い出した。もっと目立っていけるとよい。

〇今、学生にできるだけ地域に出てきてもらうということをメインに活動している。舞鶴市では学生と地域の大人が交流できるコミュニティースペースのようなものを作ろうとしている。先ほどの発言にもあったが、若いうちに世代間交流をしておかないと、その後、地域に関わることが難しくなっていく。舞鶴市には大学がないので、できるだけ中高生のうちに地域に関わってほしい。最初は補助金などをいただいて始めることになるが、持続的な活動にしていくために、公的なお金で全てやるのではなく、地域の方や企業に協力を呼びかけ、お金を出し合って活動していく形を目指している。予算が終わった瞬間に活動が終わってしまわないように。

 今、3月のオープンを目指してDIYで場所を準備しており、8人くらいの高校生と一緒に床や壁を張っている。これも社会教育で、高校生が地域で活動するにおいてポイントになることが3つあると考えている。1つ目は「楽しさ」。社会教育をするから来てくださいというイベントには誰も来ない。高校生が社会教育を受けたいと思っているわけではなく、その場所に行きたいと思える楽しいイベントにしないといけない。今回のDIYも地域の大人が来て楽しく話し、地域の大工さんに教えてもらいながら活動している。そういうイベントが結果的に社会教育になっているという点がよいのかと思っている。2つ目は「つながり」。イベントが楽しそうでも、学生と主催者につながりがないと参加しにくい。今の場所は、私と、もう一人高校の先生がメインで活動しており、その先生がいるから生徒が来てくれる。また他のイベントで知り合ったことがきっかけになって来てくれることも。何かしらのつながりがあることで参加してもらいやすくなる。地域と学生をつなぐコーディネーターの存在が重要で、私自身も今、地域おこし協力隊として学校に行っていることで顔なじみになり、この制度があるから地域に出てきてくれている。全然知らない人が主催しているイベントだと参加しにくい。高校生と地域の人が関わるような接点づくりが必要である。最後、3つ目は「交通手段」の問題。親に送ってもらわないと活動場所まで出てこられないことや、公共交通機関を使えるにしても、毎回往復で何百円もかかると負担になる。地域のイベントや活動に参加するときの交通費を補助できるとよい。

〇勤務する大学がある地域の公民館で、市民向けの講座で話す機会がある。長年リピーターのようにずっと学ばれている高齢者が多く、その学びが個人で完結、または発表会をしておしまいになってしまっている。学んでいる方々、そして公民館の方々も、よく地域に還元と言われるが、どのようにしたらよいのか分からないと言われている。これまで学んだことやその経験が、地域の何かに役に立つ、生かせる道筋のようなものを、もう少しわかりやすく、やわらかく、楽しく情報提供でき、そのような場がつくられていくと、地域の中に隠れているいろんな人たちの知恵や経験がもっと地域の中で生かせると思う。

〇社会教育は市町が主体となる比重が高いが、ここにも社会教育職員の方々がいらっしゃるわけで、各委員から視野が広がる話を聞くことができた。協議のテーマである「魅力の発信」ということについても、それぞれのご発言の中に様々なヒントが含まれていた。課の方で整理いただき、今後の社会教育の推進につなげていただけるとよい。

 

(2) 事務連絡

 

3 閉会

あいさつ(相馬指導部長)

 

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