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令和7年7月11日(金曜日)午後2時~4時
京都府職員福利厚生センター3階第2・3会議室
対面とオンライン(zoom)
岡田実希、各務宇春、木原由佳里、猿山隆子、杉井潤子、杉本俊恵、田所祐史、
築山崇、丹羽寛美、三木孝史、村井琢哉、森田雅子、八木仁美、山内善博
計14名
京都府教育委員会 前川教育長
京都府教育庁指導部 相馬部長
京都府教育庁指導部社会教育課 田中(英)課長 他9名
京都府教育庁指導部学校教育課 平山総括指導主事兼係長
京都府立図書館 松本館長 他1名
計15名
0名
1.報告
ア京都府立図書館の運営等について
イ「令和6年度社会教育事業のまとめ」及び「令和7年度社会教育事業」について
2.協議「人がつながる地域づくり」の推進について
ア子どもとともに進める活動を充実させるために
イ京都府社会教育委員会議広報物について
開会あいさつ(前川教育長)
1.報告
ア京都府立図書館の運営等について
◇説明(松本館長、志摩副館長)
・京都府立図書館の概要
・「令和6年度事業実績」
・「令和6年度年間事業実績一覧」
・「令和7年度事業計画」
・「令和7年度年間事業計画一覧」
・サービス計画について
◇質疑応答(○委員、●事務局)
○今年は現行のサービス計画の最終年度となるため、来年度からの新しい計画の策定もされていくことになる。その基本方針についても最後に説明いただいた。「障害者サービス」の項目にある「サピエ図書館」について、簡単に説明いただきたい。
●「サピエ」は、視覚障害者や目で文字を読むことが困難な方々に対して、読みやすい本を整理し、提供するネットワーク。「サピエ図書館」はサピエのメインサービスであり、利用される場合は会員登録が必要となる。府立図書館でも会員登録の窓口を担っており、必要な方に繋ぐ役割は我々図書館にあると感じている。
○障害のある方にとって、アクセスのしやすさということが問われると思う。
○たくさんのところで連携事業をされていることが分かった。3点お聞きしたい。1点目は、言語的なところで、どの程度の国の言語まで所蔵されているのか。2点目は、令和6年度事業実績一覧にある「日本政策金融公庫と連携相談会」とはどのような形で連携相談をされたのか、簡単に教えていただきたい。また、その下にある「SKY大学」について、これはシニアの大学かと思うが、簡単にご説明いただけたらと思う。3点目は、夜7時まで開館されているが、5時から7時の時間帯の来館者の様子や年齢層について、もし分かれば教えていただきたい。
●1点目、府立図書館の洋書図書については、洋書コーナーを入口すぐに設け、見やすいようにしているが、数としては十分なものではないかもしれない。電子書籍サービス「EBSCOeBooks」でも洋書があり、約16,000タイトルの外国語コンテンツが利用できる。2点目の「日本政策金融公庫」との連携事業については、府立図書館を会場として、金融公庫が、起業を希望する人向けに相談会を行っている。その際、起業に関する資料が図書館にはたくさんあるため、図書館司書が参考となる資料をアドバイスしている。「SKY大学」との連携事業については、受講生に府立図書館に来ていただき、1つの講座の会場としてご活用いただいている。必ずしも図書館の資料を使ってということではないが、図書館の説明や見学会をあわせて行っており、初めて来館いただく方や興味をもっていただく方もたくさんおられることから、利用者拡大という連携が行えていると考えている。3点目、「平日5時以降の利用者の層」については、時間帯別で入館者数を把握していないが、5時以降の利用者数は徐々に減っている感覚はある。高齢の方や大学生、仕事帰りにさっと借りて帰られる方もある。
○その時間帯も貸出対応等、サービス内容は早い時間と全く同じか。
●開館時間帯は貸出にも対応している。細かいサービスで言うと、コピー機の利用については30分前に切り上げるということはある。
○「遅い時間帯までの開放を」という声も聞かれるところ。支援もありがたいが、内容についても今後ともよろしくお願いしたい。
イ「令和6年度社会教育事業のまとめ」及び「令和7年度社会教育事業」について
◇説明(田中課長)
・家庭教育支援の充実について
・地域学校協働活動の推進について
・京都府地域交響プロジェクト交付金(協働教育)について
◇質疑応答(○委員、●事務局)
○家庭教育支援に関わって、PTAの方からお越しいただいている委員の方々は、直接にいろんなお子さんたちの声をお聞きかと思う。こういった支援事業自体がどれぐらいそれぞれの親御さんたちのもとに届いているのかも気になるところ。
●広報には努めているが、本当に届かなければならない家庭に届いているのかという点は常に気にかけている。何かお聞きになったことや気付かれたことがあれば、教えていただけたらと思う。
○「地域交響プロジェクト」は初めて聞くと一体どんな取組なのか分かりにくいと思うが、これは地域で子どもたちの体験活動をもっと豊富にするため、自主的に活動された非営利の団体を支援していく取組。京都府としては、子どもの体験に限らず、幅広く地域の活動を支援する組み立てになっている。社会教育の方では、地域での子どもたちの学びや体験活動の充実により、地域で子どもをはぐくむ環境づくりを推進している。始まって5年になるが、毎年40団体前後が活動をされている。先ほどの説明の最後に、課題として「自走」という言葉が出ていた。要するに、支援の間は一定の資金的な援助もあるが、支援期間を過ぎるとなかなか継続が難しいというケースがある。これは活動発足当初から、数年後には団体それぞれの力で活動して持続的に活動していけることに重点を置いているという話であったかと思う。今回資料の中に、資金面も含めて自分たちで活動を始めている団体が出てきているというまとめが紹介されていた。今後は、団体それぞれが自力で活動していくようになることと、その活動が地域で広く知られて、横への広がりというものができていくことで、その地域全体としての活力が高まっていく、そこがこの活動全体が一番目指すところかと思う。
○今の説明で少し分かったような気がするが、1つ教えていただきたい。スタートアップ的な支援の交付金というふうにお聞きしたが、今までにこの交付金を受け、団体の活動が継続してさらに発展しているという、後のモニタリングのようなことはされているのか。
●モニタリングについては、今後重点的に行っていくことも検討している。
●毎年6月末を期限として申請を受け付けている。4月に前年度の実績報告を提出していただいているが、そこでは次の年も申請予定かどうかの意思は聞いていないため、次年度の申請が出された時点で初めて分かるという形になっている。運営が難しくなり、活動できないため申請されていないのか、自走できるようになったため申請されていないのか、実際には把握できていないという課題がある。
○課題のところに、「交付決定までに時間がかかる」とあったが、なかなかお金がおりてこないとなるとタイムラグが生じ、なかなか取りつけないということもあって、諦めている団体があるのではないかと予測する。行政的なことは仕方がないと思うが、交付金を諦めて自立しているところも、もしかしたらあるのかと思ったりする。団体が自立して活動されているのかどうかというところまであると、実態がもっと把握できるのでよいと思った。
○レジュメ28ページに、自立に関して画期的な資料がある。令和6年度における継続年数ごとの自立率ということで、これが1年目から4年目にかけて25%、45%、45%、60%というふうに上がってきている。またその右側には、団体の自立に対しプラスの効果をもたらしているという説明がある。非常に大事な数字なので、ぜひ共有しておきたい。それから、先ほどおっしゃった申請から交付決定までの期間については、当初もっと時間がかかっており、それではなかなか活動がしにくいということで、少しでも早く交付決定ができるようになってきている。ただ、申請から交付決定までに時間がかかるのは、事務局が丁寧に個別のヒアリングをし、団体の実態を把握し、団体へアドバイスをしているから。中身がしっかりあって、要件にふさわしいと判断した上で決定しているため、審査に時間がかかっている。また団体へのフォローについては、パートナーシップ・ミーティングを実施し、団体同士の交流の機会を作っていただいている。また事務局の皆さんが活動の場に足を運んで実態を掴み、アドバイスもしていただいている。この事業も3年、4年経ってくると、どういう成果が生まれてきていて、これからどう展開していくのかという部分が大事なので、教育委員会も重点を置いて関わっていくことが大事だと思う。
○地域学校協働活動については、昨年度、学校教育課と連携した研修会をもたれた。行政の方も連携して取り組んでいただいているということで、展開が充実してきているところかと思う。
●学校教育と社会教育は何か見えない壁があるようで、ハードルが高いと思われている。京都府のみならず国も言っているように、学校教育と社会教育の連携については、積極的には進めていけたらと思っている。
2.協議「人がつながる地域づくり」の推進について
ア子どもとともに進める活動を充実させるために
◇説明(岡村総括社会教育主事)
◇協議(○委員、●事務局)
○宇治市では地域学校協働本部を全校に配置し、推進員の委嘱や学校運営協議会の立ち上げを進めた。青少年育成協会の方や民生児童委員の方など、いろいろな団体や地域の方々は、これまでから「子どもたちを助けるために、小学校に力を貸したい」といろいろ考えて活動をしてこられた。その代表の皆様に「ここは地域学校協働本部と言うんですよ」と伝えたとき、「何が今までと変わったのか」という戸惑いをすごく感じておられた。そこで、「社会教育を推進するために」にある図を示しながら説明をするということが、ここ1~2年あった。大人の意識としては「支援をしてあげたい、子どものためにこんなことをしてあげたい」というのが根づいていていると思う。大人が何か働きかけるだけではなく、「子どもとともに」、子どもをまきこんでとなると、子どもを動かす技のようなものが必要になってくる。活動をされている方は高齢であることが多い。これまで長く活動をされ、自分たちの実績がある中で、新たに子どもたちをまきこんでいくということは非常に難しい。だから学校に先導してほしいと言ってこられる実情がある。もしかしたら、子どもとともに何かをしていく際の働きかけ方について、団体の長にアドバイスをする場をつくることで、新たな活動の仕方や動きができてくるかもしれないと思う。地域交響プロジェクトでは、たくさんのNPOによって動きが出てきているので、そういうところも巻き込んでいくと「子どもとともに進める活動」の充実に繋がっていくのではと思った。
○今までは、大人がつくったものをどう提供するかとか、地域の人たちが子どもたちに何ができるかという、大人が主語になっていた部分が多い中で、「子どもとともに」ということは、子どもを主語とした取組へとどう変わっていけるかが、プログラムづくりですごく大事になると思う。そういう意味では、プログラムをつくっている人たちだけでなく、「子どもの関心といえばあの人がいるよね」みたいな、何気ない会話から生まれていくような活動づくりを、町として進めていけるような関係性と環境に変えていけるかどうかというのが1つだと思う。もう1つは、子どもがプログラムを提供する側になってもよい。そういう意味では、立場がどう逆転できるか、混ざるか、ペアになるかといったことが、何をするかによってどんどん入れ替わるようなプログラムづくりや、関係づくりみたいなものが意識されるかどうかが、割と「子どもとともに進める」ことに対して、意識としてはすごく大事かと思う。夏休みの時期だと、サマースクールのようなことをされている市町村もあるかと思う。普段先生じゃない人が、町の先生として、それぞれの得意を生かした講座を同時に開催するようなことをしている市町村があったりする。普段から社会教育に関わる人だけでなく、町のあらゆる人たちが、社会教育を意識した市民との交流の場のようなものをつくっていくという土壌づくりからやっていくと、子どもたちも好きなことを極めてもいいんだなとか、自分の好きなことを誰かに元気よく伝えてもいいんだなとか、これをみんなで一緒やったら楽しいなと気付く。そういう土壌づくりを最初にやっていくことが、すごく大事なのではないかと思う。
○子どもたちが、「これがしたいんだ、こうしたいんだ」と提案する側になったときに、大人は子どもの言うことを聞いて後からついていくのではなく、大人も、「いや、おっちゃんはこうしたんやで」「じゃあどうしよう」というように、フラットに話し合っていけるような関係をつくっていけるとよいと思った。
○「先生は言ってもやってくれない」と感じている生徒がいると少し感じている。一方で自分のやりたいことを先生に伝え、それに乗っかってくれる地域の人をどうやって探したらよいかと相談に来る生徒もいる。私は高校生と地域を繋がせてもらうが、地域側も仕事があり、フリーで、ボランティアで、好きに動ける方が結構少ない。そうなったとき、補助金とか講師料とか、どういったものを地域の方にお返しするのかという課題も見えてきた。「これやりたい」「手伝いたい」、このバランスをとるのが結構難しいと、地域コーディネーターをしていて感じている。
○38ページの資料を見て、14歳までと15歳からの地域との関わり方が変わるというのが、義務教育から義務教育でなくなってくるところの差になってくるのかと私自身は感じている。義務教育だったら地域との関わりはあるが、高校でいえば、地元の生徒が地元の高校に来るというわけでもない。私のところでは、防災の取組や地元の鯉のぼりを描く等、様々な形で「高校」が地域と関わっている。生徒は地元の生徒ではないが、「学校」が地元と関わり、地元に貢献しようと関わりをもっている。「子どもが大人と関わる」ことは、言い方を変えれば「地元とともに」ということであり、「お互い支援しあいましょう」「一緒にやっていきましょう」というふうに進めていくことで、いろいろな意味で広がっていっていると感じている。
○「子どもとともに」というところで、やっぱり大人がわくわくして取り組んでいる様子を、子どもが見ることができることが、すごく大切だと思う。親が「こうしなさい」「これは楽しいよ」と口で言うのではなく、大人がどう楽しんでいるのかを子どもが見る、感じるというところがすごく大事だと思う。また、社会に貢献したいという意欲を大切にするという意味合いでは、一人の人格なので、認めてあげられるような仕掛けづくりを大人ができるとよい。何か、子どもが役に立てるような場を提供することが大切かと思っている。先ほど交響プロジェクトの方からあったパートナーシップ・ミーティングにおける交流についてはよいと思うが、実際に見に行って、体験して、持ち帰って、アレンジして、生かしていくというようにすると、さらに発展するのではないかと感じた。
○保護者の立場としてちょっとお話しさせていただくと、今、本当にPTA役員のなり手がすごく減っている。PTA自体に加入したくないという方もいるが、それぞれの地域で活動しているからこそ、そこの学校に在籍しているからこそ、社会参加という形になっていると思う。子どもと一緒に活動するということは、多分保護者の皆さんは、一番やりたいことだと思うので、先ほどもあったわくわくするような活動というのは1つかと思う。保護者一人一人が当事者意識をしっかりともつということが、今の時代に非常に大事なのではないかと思っている。というのも「学校でしてもらうことは学校で勝手にやったらよい」「地域で勝手にやってもらっている」という意識の方が、どちらかといえば保護者の中で根強いところがあるかなと思うので、「やってもらっている」ではなく、「一緒に参加してやっている」という当事者としての意識をもってほしいというところも盛り込んでいただけたらと思う。
○地域にはいろんな人が住んでいる。子ども、障害者、高齢者、ディンクス(※共働きで子どもをもたない夫婦)の人たち、妊娠しているお母さん、それから母子家庭、父子家庭の方などたくさんおられ、そういういろんな人たちが住んでいるのが地域。私は自治会長として、そこでどうやったらその地域の中で居場所づくりができるのかということをずっと取り組んできている。会員制にすると、会員のための自治会になってしまうので、例えば階段を登れない障害者の人は、自治会の催しには参加できない。すると自治会に入る意味はなくなってしまい、脱会されていく。それは高齢者の方も同じ。だからそこを変えて、どんな方でも参加できるような形の自治会運営にしている。その中で、多世代交流を目的としたチームをつくり、高齢の方、それから40代、30代の委員、そして子ども委員が2名いる。子どもの意見を中心に大人がサポートをして、多世代交流ができるようなイベントをつくっていくということをしている。いろんな方との交流があるということと、同じ目線でコミュニケーションをとりながら自ら進んでやりたいと思うような取組を行うことが一番大事なのかと思う。もう1つ大事だと思ったことは、大人も子どもも自己肯定感が得られるということ。楽しみながら人間として豊かになっていく、地域で豊かになっていく、同じ立場で幸せを共有できる、共感できることはとても大事なことだと思っている。そこで子どもたちが小学校5年生6年生、そして中学生になって、いずれ高校に行って、大人になる。「あのときの地域、楽しかったよね」という思い出が、必ず地域に戻してくれると思っている。そこで一番は、大人の固定観念が打ち破られるような子どもの発想を受け入れる側の大人の準備が必要なのかなと思っている。それから大人も子どもも、予期せぬこと、計画通りには進まないことというのは必ず直面すると思う。そんなとき、どれだけ失敗してもよい場所であるという、地域の受け皿というのがどれだけ必要なのかなと。私自身も含め、予期せぬこと、失敗ばかりだと思うところを、どうやってみんなで解決、地域の課題として解決していくのかを子どもたちに提案してもらうということもしている。
○今のご発言の自治会活動の例は、詳しくお話しいただく機会をあらためてぜひ作りたい。そこから今期のテーマを深めるヒントがたくさん出てくると思うので、事務局にぜひお願いをしておきたいと思う。
イ京都府社会教育委員会議広報物について
◇説明(岡村総括社会教育主事)
◇協議(○委員、●事務局)
○訪問先のご都合もあり、10月8日水曜日に限定となるが、希望があれば事務局の方にお伝えいただき、調整の上、訪問メンバーを決めるということでいきたいと思う。またWeb版の広報物について、そのあり方自身をどうするかというあたりは、また次回以降の会議の場等で協議できればと思う。なかなかホームページだと見に来てもらわないといけないという形になるので、そういったことも含めて改善の余地があるかと思う。今回は秋に訪問してその内容を広報で広く伝えていくということでいきたいと思う。
●この日に高校生と赤ちゃんの交流事業を福知山高校で行う。今回の訪問先「おひさまと風の子サロン」から赤ちゃんと保護者の方に来ていただき、高校生が赤ちゃんと触れ合ったり、出産の経験、子育て悩み・喜びとなどをお母さんから聞いたりする事業を予定している。
3.その他 京都府子ども読書活動推進計画(第5次計画)について
◇説明(田中(博)総括社会教育主事、平山総括指導主事兼係長)
◇質疑応答(○委員、●事務局)
なし
閉会あいさつ(田中(英)課長)
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