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令和8年7月23日(木曜日)午後1時30分~3時30分
京都府立図書館3階マルチメディアインテグレーション室
対面とオンライン(zoom)
各務宇春、木原由佳里、猿山隆子、田所祐史、築山崇、西山直人、丹羽寛美、平塚靖規、三木孝史、森田雅子
計10名
京都府教育委員会 前川教育長
京都府教育庁指導部 相馬部長
京都府教育庁指導部社会教育課 田中課長 他9名
京都府立図書館 川口館長 他3名
計16名
0名
1.報告
ア「令和7年度社会教育事業のまとめ」及び「令和8年度社会教育事業」について
イ京都府立図書館の運営等について
2.協議
ア「人がつながる地域づくり」の推進について
イ京都府社会教育委員会議広報物について
開会あいさつ(前川教育長)
1.報告
ア「令和7年度社会教育事業のまとめ」及び「令和8年度社会教育事業」について
◇説明(田中課長)
・家庭教育支援の充実について
・地域学校協働活動の推進について
・京都府地域交響プロジェクト交付金(協働教育)について
◇質疑応答(○委員、●事務局)
○昨年度の家庭教育アドバイザーの配置がどこであったか、再度教えてほしい。
●令和元年度から3年度までは、亀岡市、久御山町、精華町に配置。令和4年度から7年度までは、宇治市と与謝野町に配置した。
○地域学校協働活動に係る研修について、名称変更の説明があったかと思うが、従来の名称と新たな名称の違い及び変更の趣旨について、改めて簡潔に説明していただきたい。
●昨年度からの名称変更について、まず、「京都府地域学校協働活動推進員養成・スキルアップ講座」については、これまで年間を通じて、地域学校協働活動の在り方や地域学校協働活動の体制づくりに関する内容を中心に、主として座学形式で実施してきた。各地域においては、それぞれの特色や実情に応じて、地域学校協働活動に携わる推進員等が多様な学びや実践を積み重ねてこられている。こうした実践を共有し、相互のつながりを深めながら学び、さらに発展させていただきたいとの考えから、今年度は「地域学校協働活動推進のための研修会」に名称を変更した。従来の内容を継承しつつ、より主体的・対話的かつ体験的な学びを重視した研修として実施したいと考えている。また、昨年度まで実施していた「放課後児童対策を進めるための研修会」については、今年度、「社会総がかりで子どもを育てるための研修会」として実施を予定している。これまでは主に放課後児童対策に携わる関係者を対象としていたが、今年度は放課後児童に関わる方々に加え、子どもに関わる様々な立場の関係者にも参加いただき、子どもに関する内容を中心とした学習の場にしたいと考えている。活動の場や所属団体は異なっていても、研修を通じて関係者同士のつながりを深めていただくことをねらいとしており、「社会総がかりで子どもを育てる」という視点の下、参加対象となる団体や関係者の幅を広げていきたいと考えている。
●福祉部局との連携による研修会については事業一覧には明記していないが、「社会教育事業一覧」の「地域社会の教育力の向上」の項目に掲載している「子どものための地域連携事業」の府実施事業のうち、「地域学校協働活動推進委員会」の中にある「放課後児童対策」に関する部会が開催するものである。健康福祉部と連携して実施する研修会については、本資料には掲載できていないため、追加させていただく。
○「地域交響プロジェクト」については、昨年度までと比べて事業全体の名称や制度の枠組みが変更されることとなっている。ただし、協働教育の分野に関する部分については、従来の内容から大きな変更はないと認識している。なお、この件については、昨日、担当部署から公表されたばかりである。委員の皆様にはプレスリリースされた資料を後日送付される予定であるので、詳細についてはそちらを御確認いただきたい。
○資料11ページの「家庭教育アドバイザー」のイメージ図について教えていただきたい。家庭教育アドバイザーが保護者等に対して相談や助言を行うことが示されているが、この図だけを見ると、家庭教育アドバイザーが中心となって一人で対応しているような印象を受けた。図中にはスクールカウンセラーとの連携が示されているが、スクールソーシャルワーカー(SSW)をはじめとする関係者との連携についてはどのようになっているのか。以前、関係機関や専門職との連携について説明を伺ったことがあるが、実際にはスクールカウンセラーやSSW等と連携しながら対応されているという理解でよいか。
●ただ今御指摘いただいた点についてであるが、家庭教育アドバイザーの活動を視察したり、担当者から話を聞いたりする中で、家庭教育アドバイザーには元教員の方が多く、困りごとを抱える家庭や子どもに対して個別に深く関わりながら支援されている事例が多く見られた。一方で、そうした個別対応だけでなく、教員をはじめ、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、市町村の福祉部局等との横の連携を一層進めていくことが重要であると考えている。そのため、今年度は家庭教育アドバイザーが個別支援の担い手として活動するだけでなく、関係機関や専門職との連携を図りながら、家庭や子どもを後方から支える役割をより重視した取組へと見直しを図ったところである。
○御説明いただいた内容は十分理解している。こうしたイメージ図は、図示の仕方が難しい面もあると思うが、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、福祉部局等との連携の視点についても図の中にしっかりと示していただくことで、多くの関係者が連携しながら力強く支援に取り組んでいることがより分かりやすく伝わるのではないかと感じた。
●現場の状況としては、近年、個人情報保護の観点から、支援に必要な情報の共有が難しい場合も増えている。そのため、支援が必要な家庭や子どもに対して適切な支援を迅速につなげるためには、日頃から関係者同士が連携し、支援のネットワークを構築しておくことが重要であると考えている。こうしたことから、家庭教育アドバイザーについても、個別に支援を行うだけでなく、学校、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、福祉部局等とのつながりを強化しながら、必要な支援につなげられる体制づくりを進めるという位置付けで取り組んでいる。
イ京都府立図書館の運営等について
◇説明(川口館長)
・「京都府立図書館サービス計画」
・「令和7年度事業実績」
・「令和7年度年間事業実績一覧」
・「令和8年度事業計画」
・「令和8年度年間事業計画一覧」
◇質疑応答(○委員、●事務局)
○2点教えていただきたい。1点目は、「子どものための」という観点で事業計画にも位置付けられているが、来館者数や貸出冊数のいずれでも構わないので、小学生、中学生、高校生の利用状況がどの程度あるのか、分かる範囲で教えていただきたい。2点目は、「子どもの読書活動推進計画」に関する質問である。令和6年度に策定された第5次計画の策定に関わらせていただいたが、その中で、京都府内において外国人の子どもが増加し、日本語の習得が十分でない子どもへの対応が課題として挙げられていた。こうした状況を踏まえ、図書館には、日本語の習得が十分でない子どもたちへの読書環境の充実や資料提供が期待されており、それは府立図書館だけでなく、市町村立図書館や学校図書館も含めた取組として計画に位置付けられている。本日の説明では、この点について特に触れられていなかったため、日本語の習得が十分でない子どもたちに対する図書館サービスや資料提供について、現時点での取組や今後の考え方があれば教えていただきたい。
●京都府立図書館における小・中学生の利用についてであるが、本館では2001年以降、本館での閲覧用の児童書の収集を行っていない。そのため、小・中学生が直接来館した場合であっても、新しい絵本や児童書を館内で利用していただくことは難しい状況にある。一方で、市町村立図書館等への貸出用資料としての児童書は収集・保存している。また、学校支援用の図書セットも整備しており、小・中学校や府立学校等に貸し出すことで、子どもたちへの読書支援を行っているところである。このため、小・中学生による利用は、館内で資料を直接利用する形よりも、学校や市町村立図書館を通じた間接的な利用が中心となっている。ただ、本館は動物園や公園に近接した立地であることから、親子連れで来館される方も一定数おられる。そのため、2001年以前に収集した児童書の一部については、カウンター付近に配置し、手に取って見ていただけるようにしているところである。「子どもが気軽に過ごせるスペースがあってもよいのではないか」という意見もいただいている。ただし、館内スペースには限りがあるため、今後、工夫しながら対応を検討していきたいと考えている。
●子どもに対する図書館サービスについては、今後様々な観点から検討していく必要があると考えている。ただ、京都府立図書館では児童書の直接貸出サービスは行っていないため、学校支援セットの貸出や、市町村立図書館への支援を通じて子どもたちの読書活動を支えていきたいと考えている。また、令和8年度の計画においても、市町村立図書館へ貸し出す児童書の充実について検討することとしており、そうした取組を通じて支援を進めていきたい。学校に対する支援の充実も重要であると考えている。2点目の、日本語の習得が十分でない外国にルーツを持つ子どもへの対応についてである。本館では英語の図書等を所蔵しているほか、留学生の館内見学を受け入れ、図書館の利用促進につながる取組を行っている。一方で、学校図書館において、外国にルーツを持つ児童生徒に対してどのような図書を提供していくかについては、各学校においても課題となっている可能性がある。本館としても、可能な限り支援していきたいと考えているが、現時点では多言語資料を十分に所蔵している状況ではなく、学校図書館に対して直接的に提供できる支援については、今後検討していく必要があると考えている。
○子どもたちの読書環境については、地域にある、より身近な場で読書や学びに触れる機会を確保し、それを府立図書館が支援していくという方向性であると理解した。以前、年齢別の来館者数や利用状況について伺った際には、そのような統計を把握することが難しいとの説明を受けたことを思い出した。関連して、外国人の利用についてもお尋ねしたい。現在、京都には多くの外国人観光客が訪れており、インバウンド需要も非常に高まっている。私自身、海外を訪れた際に、その地域の情報を得るために現地の図書館を利用した経験があるが、京都府立図書館においても、外国人利用者のニーズとして何か見えてきていることはあるか。特に近年は欧米からの観光客が増加しており、比較的長期間滞在される方も見受けられる。現時点では明確なニーズとして表れていない部分もあるかもしれないが、今後はそうした長期滞在者による図書館利用も想定されるのではないかと考える。そこで、外国人観光客や外国人居住者を含め、外国人利用者の図書館に対するニーズや利用状況について、現時点で把握されていることや、お気づきの点があればお聞かせいただきたい。
●外国人の方の利用についてであるが、図書の貸出に当たっては、府内在住等の利用資格を確認した上で利用者カードを発行しているため、観光客の方に図書を館外貸出することは難しい状況である。一方で、館内利用に向けた取組として、英語で書かれた図書や京都を英語で紹介する資料などを収集しており、現在も館内1階において英語資料をまとめて配置している。また、先ほども申し上げたとおり、昨年度には留学生を対象とした館内見学の機会を設けており、図書館の利用や資料の紹介を行ったところである。現時点では、外国人観光客や外国人利用者のニーズについて十分に把握できているわけではないが、今後は外国人の方々の視点から見た図書館への意見や要望についても伺いながら、図書館サービスの充実に向けた検討の参考としていきたいと考えている。
2.協議
ア「人がつながる地域づくり」の推進について
◇説明(岡村総括社会教育主事)
◇協議(○委員、●事務局)
○本日のテーマは「多様な学び」であるが、「多様な学び」という一つの決まった学びの形があるわけではない。それぞれの地域や活動の場において、様々な内容、様々な方法、様々な機会を通じて学びが生まれているものと考えている。学びとは、新たな知識を得ることであったり、新たな気づきを得ることであったり、あるいは経験を積み重ねることであったりすると思う。そのような観点から、本日は委員の皆様が日頃の活動の中で見聞きされたことや、「このような言葉が印象に残った」、「このような取組をされている方がおられた」といった事例について、ぜひお聞かせいただきたいと考えている。
○京都府PTA協議会の常任顧問を務めている。教員の方々とも連携しながら様々な研修事業に取り組んでいる。しかし、現在の保護者の中には、「PTAに入りたくない」という意識を持つ方もおられ、PTAに加入された後も、「なぜ研修会に参加しなければならないのか」と感じている方が少なくない。実際に研修会に参加された方からは「参加してよかった」という声をいただくことが多いが、その最初の一歩を踏み出していただくことの難しさを、近年特に感じているところである。だからといって、このような取組をなくしたり、全てをオンライン化したりすればよいというものではないと思う。やはり実際に会場へ足を運び、その場の空気を感じることや、講師の表情、人柄、参加者同士の雰囲気に触れることによって得られる学びがある。先ほど図書館の方の話にもあったが、実際に図書館へ行き、本に触れ、その存在感や厚みを感じることに意味があるのと同じように、対面の場だからこそ生まれる気づきや学び、そして横のつながりがあると考えている。京都府PTA協議会では、府内を12の郡市連に分け、それぞれの代表者に集まっていただいているが、その中で得られた学びや情報を、いかに各地域や各学校の保護者へ広げていくかが、大きな課題であると感じている。私自身も子どもがおり、現在下の子が高校生であるが、自分が高校生だった頃の学びと現在の学びとでは大きく様子が変わっている。その違いを知り、新たな気づきを得ることができるのも、PTA活動を通じた横のつながりや交流の大きな意義の一つではないかと考えている。
○今のお話を伺っていると、現在の子どもたちが学校で学んでいる内容や学習方法は、20年、30年前と比べても大きく変化しているように思う。保護者の立場からすると、子どもたちの学習の様子を見ていて戸惑ったり、心配になったりすることもあるのではないかと感じた。そこでお伺いしたいが、PTA活動や保護者同士の交流の中で、特に話題になることや関心の高いテーマにはどのようなものがあるのか、保護者の皆さんが現在どのようなことに関心を持ち、課題として感じておられるのかについて、お聞かせいただきたい。
○保護者の関心事については、子どもの年代によって大きく異なると感じている。例えば、小学生の保護者の間では、「スマートフォンをいつ頃から持たせるべきか」、また「タブレットを活用した学習がどのように行われているのか」といったことが話題になることが多い。一方、中学生や高校生の保護者になると、進路に関する話題への関心が非常に高くなる。高校入試の制度や選抜方法も変化してきており、「どのような方法で受験するのか」、「どの程度の学力が必要なのか」といったことについて、保護者の間で情報交換をする機会が多い。また、大学入試についても制度の変更が続いており、その変化のスピードに保護者が十分ついていけていないと感じることもある。子ども自身も学校でのことを詳しく話さない場合があるため、保護者同士で情報を共有しながら理解を深めようとしているのが現状である。そのため、PTA活動や保護者同士のつながりは、子どもたちを取り巻く教育環境の変化や進路に関する情報を共有し、学び合う貴重な機会になっていると感じている。
○私は福知山市から参加しているが、福知山市の会員の方々の様子を見ていると、京都府連合婦人会が企画する講習会や研修会に参加するまでのハードルは比較的高く感じておられるように思う。「参加してみよう」と思うまでには少し敷居の高さを感じる方も少なくない。しかし、実際に参加された方からは、「思っていた以上に学びがあった」、「貴重な体験ができた」といった感想を聞くことが多い。特に、一人では参加しにくくても、誰かと一緒であれば参加してみようという気持ちになりやすく、そのような形で参加された方が学びを得て帰られる事例が多く見られる。実際に体験することで意識や考え方も変わっていくように感じており、他の地域の方々も含めて、多くの参加者が「参加してよかった」と感じておられる。ここ2、3年の活動を見ていても、そのような声は確実に増えてきている。また、これまでとは少し異なる内容や方法による学びに触れることで、「行ってよかった」、「次回も参加してみたい」と感じる方が増えており、婦人会の活動にも、少しずつではあるが参加者が増加してきていると感じている。例えば昨年度、日本赤十字社の協力により、防災食づくりを体験する研修があった。参加前は、防災に関する学習として防災食づくりに関心を持って参加された方が多かったと思うが、実際に体験してみることで、「このような方法があるのか」、「こうした工夫をすれば、災害時でも前向きな気持ちで食事を楽しむことができるのではないか」といった気づきを得ることができたのではないかと思う。参加者からは、「参加してよかった」という声が多く聞かれ、各市町の会員の皆さんからも好評であった。防災学習についても、単に話を聞くだけではなく、自ら参加し体験することで、「こうすればよいのか」という具体的な学びにつながったと感じている。参加された方々も同様の思いを持たれたのではないかと思う。
○防災というと、避難計画や災害時要配慮者への支援、地域の防災体制づくりといった内容が取り上げられることが多いが、今のお話にあった防災食のように、「食」を切り口として防災を考えるというのは、大変身近で分かりやすいテーマであると感じた。食べることは日常生活と密接に結び付いており、普段の暮らしの延長線上で考えることができる。その意味で、先ほど「楽しく学べた」というお話があったが、学びにおいては「楽しい」と感じられることも非常に重要な要素であると思う。今のお話は、防災に関する具体的な事例であると同時に、学びそのものの本質にもつながる内容であったように感じた。
○防災に関しては、様々な視点や切り口があると思うが、そうした取組の多くは各市町の婦人会活動の中でも行われている。それらを実際に体験型の研修として形にすることができたのが、昨年度の取組であったと感じている。
○防災に関連してお話ししたい。昨日の京都新聞洛西版に、西乙訓高校の防災に関する取組を掲載していただいた。洛西地域限定の記事ではあるが、先ほどの防災学習の話とも関連する内容である。西乙訓高校では昨年度から地域の自治会を対象とした「防災クッキング」に取り組んでいる。今回新聞で取り上げていただいた内容は、学校の生徒、地域の自治会長、自主防災会の方々が一緒になって防災について学んだ取組についてである。本校は長岡京市と大山崎町の両方にまたがる場所に位置しているため、防災に関する取組を進める中で、行政区域や所管の違いが話題になることもある。しかし、実際に災害が発生した場合には、市町の境界や所管の違いは関係なく、地域全体で支え合うことが必要になる。例えば、避難所となる本校には長岡京市の方も大山崎町の方も避難して来られることになる。そのため、どの機関が対応するかだけでなく、地域全体でどのように備えるかを考えることが重要であり、今回の学習を通じて参加者の皆さんにもその点を改めて理解していただくことができたと感じている。取組の中では、段ボールベッドの組立てなどのワークショップも実施した。災害時の対応について話を聞くだけでなく、実際に体験してみることで、「段ボールベッドはどのように組み立てるのか」、「限られた環境の中でどのように生活するのか」といったことを具体的に学ぶことができた。また、地域の自治会を対象に実施した防災クッキングには約70名が参加され、ポリ袋を活用した調理方法などを実際に体験していただいた。参加者からは、「このような方法で料理ができるのか」、「災害時にも活用できそうだ」といった声が聞かれ、実際に体験することの大切さを改めて感じた。こうした取組は、冊子「社会教育を推進するために」にもある地域や学校、住民が連携した社会教育の実践に通じるものであり、地域の課題について考え、共に学ぶ機会として大きな意義があったと考えている。今回の活動を通じて、その学びを地域へ発信することができたのではないかと思う。
○私は仕事の関係で現在他県に住んでいるが、最近、その地元で数年前に開校した夜間中学の学校評議員を務めることになり、学校見学や話を伺う機会があった。夜間中学には、学校になじめなかった日本人の10代の生徒や、外国にルーツを持つ10代から20代前半の若者、さらには50代、60代の方々など、様々な年代や背景を持つ方が通学している。学習に当たっては、生徒一人一人の学習歴や日本語能力、年齢、学習段階が異なることから、現場では非常に柔軟な対応が行われている。学習内容に応じてグループを編成したり、習熟度に応じた指導を行ったり、場合によっては異なる背景を持つ人たちが一緒に学んだりするなど、多様な学びの場が形成されている。その様子を見ていると、夜間中学は昼間の中学校を補完する存在というだけではなく、それ自体が独自の価値を持つ学びの場となっていることを強く感じる。私自身も大変多くのことを学ばせていただいているところである。また、現場の先生方のお話を伺うと、一般的な中学校のイメージを持って夜間中学へ赴任したものの、実際には学ぶことの意味や価値、その豊かさや多様性について改めて気付かされたという声も聞かれた。私自身も、夜間中学に関わる中で、「学ぶとは何か」、「学校の役割とは何か」といったことについて改めて考え、学ばせていただいているところである。
○京丹波町の公民館について、本来であれば各公民館に館長や主事を配置するところ、当町では少し特殊な運営形態をとってきた。公民館施設は町が管理しながら、公民館事業については地域の公民館組織に委託して実施していた。しかし、少子高齢化の進行や担い手不足の影響もあり、令和7年度にその組織が解散することとなった。それまでは各公民館に公民館組織の館長が配置されていたが、組織の解散に伴い館長職がなくなったため、現在は社会教育課長が全ての公民館の館長を兼務する体制となっている。公民館の活動についてであるが、現在は各公民館が独自に事業を展開しているという状況ではなく、町全体として実施している社会教育事業を公民館事業として位置付けながら運営している。例えば、「町民大学」を開催し、京丹波町の歴史や文化、人、もの、音楽などをテーマとした講座を実施している。また、布ぞうりづくり、しめ縄づくり、切り絵教室などについては、公民館を会場として実施し、公民館事業として位置付けている。こうした講座を通じて、町民の方々に地域の魅力を改めて知っていただく機会になっていると感じている。京丹波町は小さな町であり、「何もない」と思われているが、実際には地域の歴史や文化など多くの魅力があり、それらに光を当てるような講座づくりを心掛けている。参加者からは、「地域について新たな発見があった」、「大変良かった」といった感想をいただくことも多く、継続して参加される方や、新たな企画を要望される方もおられる。そのため、一定の学びの機会として定着してきていると感じている。このように、公民館施設の管理は行っているものの、事業については町全体の社会教育事業として展開しているのが現状である。また、防災に関する話題もあったが、公民館は災害時の避難所となる施設でもあり、その活用は非常に重要であると考えている。災害が発生しないことが何よりであるが、万が一の場合には地域の拠点として機能できるよう備えていく必要がある。最近では、防災の視点を取り入れた「防災運動会」を実施しているところもある。具体的には、町内に工場がある食品会社による防災講座や、地元消防団の協力による初期消火訓練などを実施し、防災について学びながら地域住民同士の交流を深める機会としている。こうした取組を知った他の地域からも関心が寄せられており、防災をテーマとした地域活動が広がりつつある。今後もこうした活動を通じて、地域のつながりづくりや学びの機会の充実につなげていきたいと考えている。
○長年、社会教育委員を務めてきたが、改めて振り返ると、社会教育の対象は高齢者から乳幼児まで非常に幅広く、関係する分野も多岐にわたっていると感じている。先ほど婦人会の委員からもお話があったが、社会教育の重要な役割の一つは、人と人がつながり、出会い、学び合う機会をつくることではないかと思う。また、防災の話を伺いながら感じたが、平時は様々な分野や組織が縦割りになっているとしても、災害時はそのような枠組みにとらわれている場合ではない。阪神・淡路大震災の際にも、そのことは強く意識されたところであり、最終的には現場での判断や地域のつながりが重要になる場面が多かったように思う。PTAに関するお話についても興味深く伺った。私自身、私立中学校・高等学校の同窓会長を務めているが、私立学校では保護者会活動が非常に活発である一方、PTAについては担い手不足や役員のなり手不足といった課題も耳にしている。その点についても、様々な立場から考えさせられるものがあった。私自身は最近、平和に関する活動に携わる機会が多くなっている。被爆二世という立場もあり、京都における被爆者関係の活動に携わる中で、戦争を繰り返してはならないという思いや平和の大切さを伝える取組を行っている。また、大学や国際交流関係の活動を通じて、外国にルーツを持つ方々との交流や、多文化共生に関する取組にも関わっているところである。本日も夜間中学や外国にルーツを持つ方々の学びについてのお話があったが、こうした社会教育委員会議の場では、多様な分野の取組や考え方に触れることができ、大変参考になっている。最後に、資料について一言申し上げたい。今回の概要版リーフレットは非常に見やすく整理されており、全体として大変分かりやすくなったと感じている。これまでは情報量が多く、委員から様々な意見が出されていたが、今回の資料は内容を適切に整理しながら、必要な情報が伝わる構成になっていると思う。
○本日の協議では、今年度の重点である「多様な学びを通じて、人々が互いにつながり、かかわり合う地域づくり」を念頭に意見交換を行った。本日の議論を通じて、学習の主体という観点では婦人会をはじめとする様々な団体があり、また学習内容としても防災学習など多様なテーマが挙げられた。このように、「多様な学び」と一言でいっても、その内容や形態は実に多岐にわたっていることを改めて感じたところである。一方で、本日報告があった事業実施状況や今後の計画、また「社会教育を推進するために」の冊子に示されている府の社会教育施策と、本日の議論との間には、必ずしも十分な結び付きが見えにくい部分もあるように感じた。「社会教育を推進するために」の冒頭では、社会教育について、公民館、図書館、博物館、青少年の自然体験活動、子育て中の保護者への学習機会などを例に挙げながら、分かりやすく説明されている。実際、市町村における社会教育活動も、こうした場面で展開されているものが多いと思われる。また、施設だけでなく、社会教育関係団体や各種連絡協議会など、様々な団体活動の中でも学びが行われており、私自身、「多様な学び」と聞いてまず思い浮かべるのはそのような取組である。その一方で、先ほど紹介いただいた夜間中学の事例のように、様々な事情や課題を抱えた方々が、それぞれのニーズに応じて学んでいる実態もある。そのような学びの実態や課題についても、社会教育行政として把握していくことが重要ではないかと感じている。「人づくり」「つながりづくり」「地域づくり」といった方向性については、いずれも重要な視点である。しかし、こうした理念と具体的な取組との結び付きについては、今後さらに整理し、具現化していく余地があるのではないかと感じた。また、「社会教育を推進するために」の冊子3ページ、4ページ以降には具体的な対応策が示されているが、中にはやや抽象的な記述にとどまっているものも見受けられる。今後は、より具体的な取組や成果との関連が分かりやすく示されるとよいのではないかと思う。本日の会議は図書館が会場であったが、公民館や博物館についても様々な課題がある。学校との連携という視点だけでなく、成人教育や地域住民の学びといった観点から、府として何ができるのかについて、今後も委員の皆様や事務局とともに考えていきたい。
○先ほど、本日の議論と事業との結び付きが見えにくいのではないかとの御意見があったが、今回報告のあった各種事業や講座、研修会と、本日委員の皆様から御紹介いただいた住民の自主的・主体的な学びとの間には、一定の距離があるようにも感じる。その距離感こそが、社会教育を考える上での一つの課題であり、重要な論点なのではないかと思う。行政が実施する事業や研修を通じた学びと、地域や団体、個人が自発的に取り組む多様な学びとを、どのようにつなぎ、支えていくのか。その関係性については、本委員会においても継続して議論していく必要があると考える。また、事務局や府においても、社会教育施策を推進する上で重要な視点になると思われることから、本日いただいた御意見を共有しながら、今後も皆様とともに考えていきたい。
イ京都府社会教育委員会議広報物について
◇説明(岡村総括社会教育主事)
◇協議(○委員、●事務局)
○先ほどからの御発言の内容を基に、まずは事務局において原稿の形に整理していただき、その内容について次回の会議で委員の皆様に御確認いただきながら、意見交換を行い、内容を固めていくという進め方にしたいと考えている。原稿が作成された段階で、内容の補足や修正、あるいは本日十分に触れられなかったことで改めて盛り込みたい内容があれば、その時点で自由に御意見をいただければと思う。本日は、多岐にわたる観点から御発言をいただいたため、事務局には記録を基に内容を整理・編集していただくことになる。委員の皆様には、第2回会議においてその案を御覧いただき、改めて意見交換をお願いしたい。なお、編集に当たっては、本日の発言を順に掲載する形になるのか、あるいはテーマごとに整理する形になるのかなど、構成についても事務局で検討いただくことになると思う。その点も含めて、まずは事務局にお預けする形にしたい。今回の議論では、「多様な学びを通じて人々がつながる」ということについて、様々な具体例が示された。また、行政が実施する事業や研修、講座と、住民の身近なところで行われている学びや活動とのつながりという視点も重要な論点として共有できたのではないかと考えている。
閉会あいさつ(相馬部長)
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