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平成23年度第2回京都府社会教育委員会議の議事要旨

1 開催日時

平成23年8月29日(月曜日) 午後2時から同4時まで

2 場所

ルビノ京都堀川 3階 アムール    (京都市上京区堀川通下長者町下ル)

3 出席者

京都府社会教育委員

伊藤 悦子委員、卯滝 俊明委員、大木 満和委員、川崎 純性委員、小寺 正一委員、
坂根 文伸委員、高松 崇委員、田野 照子委員、寺本 和生委員、西岡 正子委員、
堀池 香代委員、槇村 久子委員、森田 邦彦委員

計13名(2名欠席)

事務局

京都府教育庁指導部 永野指導部長
京都府教育庁指導部社会教育課 丸川社会教育課長 他7名

計9名

傍聴者

1名

4 議題

「府立少年自然の家」について

5 内容

(1)開会

  ア 出席者の確認

  イ  永野指導部長あいさつ

(2)報告

【第1回会議の質問事項についての回答】
  
○ 視聴覚ライブラリーについて

利用促進について
・所蔵ビデオ等をジャンル別に検索できる一覧や利用方法については、京都府教育委員会のホームページに掲載している。
・毎年、小・中学校、社会教育施設や関係団体等に市町村の教育委員会を通じて、利用を喚起している。
・ホームページについては、多くの方に利用してもらえるよう改善策を検討中である。

寄贈ビデオについて
・各種団体等から寄贈されたビデオ等については、内容を確認の上活用している。

利用環境整備について
・視聴覚ライブラリーに所蔵するビデオ等をインターネット等を活用して配信することは、著作権保護の観点から困難である。
・新しくビデオ等を購入するときには、聴覚障害のある方や子どもたちでも見ることができるよう字幕のあるものを選定している。


○ 府立高校サタデー広場活動事業について

参加者増への取組について
・学校教育に支障のない範囲で参加しやすい日程を設定したり、地域への広報活動の工夫に努める。


○ 府立少年自然の家について

・府立少年自然の家は、宿泊施設であり、日帰りの利用については、特別に受け入れているのが現状である。リピーターによる利用は少なく、年によって利用もバラツキがある。
・利用者アンケートをもとに、要望に応じて、畳の入れ替えや氷の販売、HPの充実等、できる限り速やかに対応している。
・他施設との比較については、規模や運営形態、事業内容の違いにより一律に比較できない状況である。経営計画はどこも作成していないとの回答を得た。


○ 6月補正:子どもたちの心の復興支援事業について

・京都府は関西広域連合の枠組みの中で、福島県の支援にあたっている。京都府教育委員会では、夏休み前までは「教育活動支援チーム」を福島県に派遣し、子どもたちの心のケアや学校教育活動再開を支援してきた。
・夏休みに入り、福島県の小・中・高校生を京都府に招き、小・中学生には体験活動を、高校生には実習活動等を提供した。
・小・中学生には清水寺等の見学や京焼きの絵付けなどの文化体験活動や京都大学の研究施設等を活用した体験活動、高校生は工業高校・農芸高校・須知高校・海洋高校で受け入れ、実習を行った。参加した子どもたちは、「気分転換になった」「久しぶりに実習ができた」等、大変喜んでいた。

(3)協議

【説明】
 
○ 府民サービス等改革検討委員会による府民利用施設のあり方検証結果

・府民サービス等改革検討委員会による府民利用施設のあり方検証結果が8月24日(水)、京都府議会の総務・環境常任委員会に報告された。
・これは本年度、指定管理の指定期間が終了する南山城少年自然の家、るり渓少年自然の家を含む37施設について、書面審査・ヒアリング・現地調査を行って検討されたものである。
・報告された内容は『施設利用の現状、児童・生徒数の推移、施設維持に係る財政負担等を考慮すると、府内に2施設とも維持することは困難である。また、利用者数の状況や施設の築年数、地理的条件等を考慮すると、南山城少年自然の家を廃止し、るり渓少年自然の家にその機能を集約すべきである』というものであった。


○ 監査委員決算審査における要望事項

・今年度、監査委員による決算審査が教育委員会に対して実施された際に出された要望の内容は、『府立少年自然の家は、恵まれた自然の中の教育施設として大きな役割を担ってきたところであるが、「南山城少年自然の家」については設置以来40年近くが経過して老朽化が進むとともに、近隣には類似施設が複数存在する。両少年自然の家が果たしてきた役割は大きいが、その役割を「るり渓少年自然の家」に集約し、更なるレベルアップを図るための再構築を図ってはどうか、より良いあり方を探っていただきたい。』というものであった。


○ 協議のポイント

・府民サービス等改革検討委員会による検証結果や監査委員の決算審査における要望事項を踏まえ、今後の少年自然の家をどのようにするのか、その方向性について協議していただきたい。
・京都府の青少年教育を推進するために、少年自然の家にどのような機能を充実させることが必要なのか、具体的な御示唆をいただきたい。


【質疑・応答】 

<委員からの主な質問>

ア 日帰り利用はどのように参加者をカウントしているのか。
イ 府民サービス等改革検討委員会による検証結果の「公共性」、「有効性」、「効率性」とは何を判断基準とされているのか。
ウ 冬場の利用率が20~24%である一方、現在の利用者数はピーク時の70%ということだが、現在の年間及び夏場の利用率、及び稼働率の基準を教えてほしい。
エ 2施設を1施設にして南山城少年自然の家の利用者に今後不都合はないのか。また、るり渓少年自然の家は受け入れる余裕があるのか。
オ 少子化により児童数が60%になっているのだから利用率が下がるのは当然である。検討委員会は1人あたり何日使っているか等、少子化も考えて判断したのか。
カ 府費負担率が50%を上回るとコストが高いとされているが、他の施設も同様ではないか。行政の持ち出しについてどう判断すればよいか解らないので教えて欲しい。


<事務局からの回答>

ア 少年自然の家の稼働率は、本来の趣旨として宿泊を伴うことを前提としているため、宿泊室の稼働率をカウントしている。日帰り利用者のカウントは施設によって異なるので次回回答する。
イ 「公共性」は公益性と必需性の視点で、設置目的に沿った運営がされていることや、府民から見た必要性などで判断されている。「有効性」は利用率、利用者数の推移、類似施設等の代替性で判断されている。「効率性」はコスト、府費負担割合等で判断されている。
ウ 年間の宿泊室の平均利用率は南山城少年自然の家が36%、るり渓少年自然の家が36.7%であり、いずれも部屋使用数で利用率を算出している。月ごとの稼働率については、次回回答する。
エ 現在は府民と他府県の利用者との料金や申込方法は同じだが、府民を優先にするという方策をとるなど検討は必要と考える。現在、夏場は毎日2団体の予約でほぼ埋まっている。
オ 検討委員会の事務局には、前回の社会教育委員会議の意見を伝達している。今後も児童数が減少する中で、2施設を維持するべきかどうかを判断されたようだ。
カ 負担率50%については、ひとつの基準として設けられたものと思う。


【意見交流】

○ 今後の少年自然の家をどのようにするのか、その方向性について

<委員からの主な意見>

・財政面で2つを維持するのは至難の業である。るり渓少年自然の家はまだ比較的新しいこと、南部には北部に比べ同様の施設が充実しつつあること、北部には体験施設が南部に比べると少ないことを考えると、るり渓少年自然の家に集約してその機能を充実させてほしい。
・2施設を残すのは難しいので、1施設にして、その充実をどうするかという具体的な話を進めるべきである。少年にこだわるのか、自然にこだわるのか、今必要とされているものに変えていくのか、考えないといけない。
・キャンプから学び取れるものがあるということはこの会議の合意を得られていると思う。「何のための自然の家なのか」「いろんな人が使いやすい複合機能を充実させるのかどうか」という論点で考えていくべきである。


○ 機能面の充実について

<委員からの主な意見>

ア 施設・設備について

・2施設を1施設に集約するとして、ハード面の充実のために、予算をかけることは可能か。
・南山城少年自然の家が閉鎖になった場合、るり渓少年自然の家でその代替事業はできるのか。利用者は地の利で選んでいるわけではないと思う。施設の設備や環境面でるり渓少年自然の家で利用者の満足感が得られるのか。
・高等学校でも、学習合宿に利用できたり、合唱や吹奏楽など部活動でも利用できるよう、施設の充実を図ってほしい。
・中学校では、授業時数確保を考えると、泊を伴う体験学習は難しい。小学校では、宿泊体験の時期が6月・7月に集中しており、通年での活用は難しい。利用率を上げることを考えるなら、部活動ができる施設を整えるべき。部活動なら通年で活用できる。
・家族連れが利用しやすいように、アスレチックなど他施設の設備も参考にするべきである。学校中心の利用ではなく、家族でも参加できるしくみ作りが必要だ。

イ 事業プログラムについて

・稼働率を上げるなら日帰りキャンプ等にも力を入れていくべきではないか。
・少年自然の家を利用してどういう事業を展開するか、時代のニーズにあったソフト事業を検討してほしい。例えば里山の立地を活かした環境教育のセンター的な事業を考えてはどうか。少年だけでなく大人も利用できる、斬新な、今の時代のニーズにあったアイデアを考える必要がある。
・非日常的体験というものは子どもにはとても良い経験になる。ソフト事業はこれまでのものを踏襲されていると思うが、批判とリスクを恐れずにドラスティックに改革して、魅力ある施設にして欲しい。
・「利用者が少ないから、2施設を1施設にする」と短銘的に考えることは納得できないものがあるが、今後を考えた場合「社会教育」の視点で、例えば田植えだとか稲刈りだとか屋根の雪下ろしだとか、季節や地域の特色を活かした事業プログラムを開発して地域の活性化につなげて欲しい。
・稼働率を上げる方策ばかりを考えていては、障害のある子どもの体験活動など、自然の家でなければならない必然性がある事業に影響があるのではないか。

ウ 体験活動について

・利用の仕方を検討する必要がある。小学5年生の体験待ちではなくて、もっと多くの学年で体験機会を増やすべきである。高学年なら子どもに体験の企画をさせるとか、中学年なら宿泊にこだわらず日帰りにとどめるとか学年によって様々な体験の仕方がある。
・学校や地域と連携し、例えば椎茸狩りのような1回限りの体験ではなく、継続して体験でき、その中で感動を得るような体験も必要である。
・昭和40・50年代は子どもの数も多く、学校では体験活動も熱心に行われていたが、今はそうではない。学校よりも子ども会など地域の活動を視点に入れるべきである。

エ アクセスについて

・るり渓少年自然の家は日帰り利用の場合、特にアクセスに時間がかかるのがネックである。
・障害のある子どもが利用しやすいように、最寄りの駅から施設までのアクセスを考えて欲しい。送迎を請け負う福祉事業所との連携なども考えて欲しい。

オ 運営について

・自然の家にプロ級のコーディネーターを配置するべきではないか。
・利用料金は他と比べて安すぎるのではないか。
・自然の家の性格や機能など、専門的なスタッフを集めて検討する専門部会の立ち上げを検討するべきである。


○ 議長
・施設の性格を変えるという観点も必要ではないか、新しいソフト事業も検討するべきではないかという御提案もあった。すぐに実現するかどうか解らないが、専門的な方々を集めて、この施設の充実について検討してみてはどうか。これまでの社会教育委員会議の意見も参考にして、メンバーについてもこの中から出しても結構かと思う。
・今後の長期的な検討課題として、施設の趣旨や名称、利用形態を考えていくべきではないか。その他、利用料金、アクセス等の他、短期的には統合しても大きな問題がないか、出てきた場合どのように克服するか、などが検討課題として挙げられる。
・施設の視察を提案する。


○ 事務局
・本日の提言をもとに、次回回答できることは準備し、御協議いただく課題については整理する。
・「1つの施設にする場合はるり渓少年自然の家に」と検証結果で報告されているので、次は皆さんにその施設を見て、所長の声も聞いていただき、充実策を検討願えればありがたい。



(4)閉会

永野指導部長あいさつ

お問い合わせ

教育庁指導部社会教育課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5888

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