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鴨川真発見記 平成24年6月

 第18号 鯉のお話し(その2)

放課後のお楽しみ

ダブルヒット

 この季節、鯉が浅瀬でバシャバシャ群れたり、深い所では体が水面からモロ出しになるほどにジャンプしたりと賑わしています。

 その日は鯉との縁があったのか知りませんが、お昼休みには綺麗な清んだ水の中を群れ泳ぐ鯉達にうまく太陽の光が当たり、鮮明に鯉の姿を捉えることができました。

 仕事を終えた帰り道、少し遠回りして帰る事にして鴨川沿いの東側を歩いていると、対岸を見つめる人が一人。そちらを見ると遠目には2人の少年が釣り竿をしならせて格闘していました。竿が細くてよく見えずパントマイムのような感じでした。

 少し眺めていると水面にバシャっと水しぶき。これは釣れている。もう一人の竿の先にもバシャっと水しぶきが上がりました。そうです、2人の少年は同時に同じ場所でヒットした模様です。

 そうこうする間にもギャラリーは増えていきます。橋の上からも川の両岸からもこの様子を見つめています。

 一匹目の鯉が引き寄せられ、その姿が現れました。以前葵橋付近で目撃した大きな鯉にひけを取らない大きさです。

 もう一人の少年も必死に格闘し、ようやく鯉を引き揚げました。いつもはグランドで繰り広げられるスポーツの様子に目がいく出雲路橋ですが、この日はこちらのファイトに釘付けでした。

 二人は二匹を前にしてお互いに記念撮影をしてリリースしました。

 さらに歩を進めると、葵橋の下で「ワー」という少年の声がします。少年は大きなナマズを釣り上げたと見せてくれました。

 勉強、勉強の今時の子ども達も鴨川で生き生きと楽しんでいるなと感じるとともに、彼等の良い思い出が刻まれていくのだろうと感じました。彼等が大人になって、その子ども達に思い出話をする未来にもこの環境を引き継いでいくのも我々大人の使命ではないでしょうか。

※鴨川で釣りをする場合には漁業協同組合の遊漁券が必要です。鯉の場合は一日券2,000円、年券4,000円です。

          

平成24年6月4日 (京都土木事務所Y)

 

鯉ダブルヒット(PDF:756KB) 

 

 第19号 桜の時期は過ぎ去って

あちこちで花を咲かせた野草たち

名も無き草花と思いきや

 様々な種類の桜がバトンタッチしながら長い間その美しさを楽しめる京都ですが、ピンクに染まった鴨川の河川敷も目にも鮮やかな新緑でぬりつぶされました。

 足元を見ると桜が主役の時期は終わったとばかりに、様々な野草が花を咲かせています。名もない野草たち。(正確には私が名を知らない野草たちです)

 よく見ると微妙な色使いで、何とも言えない淡いやさしい感じを受ける花もあります。

<シロバナタンポポ>

 子どもの頃は野草の上で寝転がることもしばしばありましたが、そこに生えているのが何という名前かは興味も無く、誰でもが知っている「タンポポ」とか「レンゲ」とかしか知りませんでした。

<ナズナ>

 今回は、春から初夏にかけて鴨川で目にする野草の花を、野草図鑑を片手に見てみたいと思います。
 ド素人なので、多分これと判断出来たものには、?と付けながら紹介しますが、判断できないものには?とコメントを付けてみました。(詳しくはPDFファイルにて)

<シロツメグサ>

 沢山の種類の花を眺めていると、「世界で一つだけの花」のメロディーが頭の中にながれてきます。桜に負けず一番になるのではなく、一生懸命なオンリーワンと思うと愛着もわくのではないでしょうか。

 

平成24年5月28日 (京都土木事務所Y)


<アセビ>

<なんでしょうか>

薄青の花

ピンクの小さな花

様々な野草たち(PDF:710KB)

 

 第20号 鴨川の案内板

こんなところに!知らなかった

 鴨川に「観光名所への案内板を設置して欲しい」という御意見を耳にすることが多いです。

 実は、欲しい情報がギュッと詰まった案内板があるのです。それは、平成18年に国際ソロプチミスト京都からいただいた案内板です。

 これらの案内板のデザインは、府民の皆様に対するアンケート調査に基づき
1 誰もが利用しやすい
2 周辺環境と調和し、鴨川らしい
3 鴨川の自然環境保護、歴史、文化の継承に寄与する

 を基本方針に、平成16年に京都府が考案したものを国際ソロプチミスト京都さんに実現いただいたものです。

 日頃、鴨川を歩いている方は良く御存知かと思いますが、この場を借りて紹介させていただきます。

 この仕様の案内板は、鴨川の上流にある賀茂川通学橋から下流の塩小路橋、高野川の高野橋下流の各橋の右岸か左岸、又は両岸に配置されています。

<繁華街の真ん中 四条大橋にも>

<市内中流域の最上流 賀茂川通学橋にも>

<最下流は塩小路橋>

 国際ソロプチミスト京都さんからの寄贈25基、京都府設置4基、京都大学持久走同好会からの寄贈1基の計30箇所で見ることが出来ます。

 しかしながら、設置場所が足下で、高さも50cm程度なため、草が伸びると見づらくなります。

 そのため、視界に入っていても気づきにくいのが現状ではないでしょうか。まして、たまに通る人や自転車で通過する人が認識するのは難しいかもしれません。そんな中、冒頭の御意見が出てくるのは仕方ないとして、どうすれば視認性が良くなるかの検討も必要だと考えています。

 私自身、整理の為に散歩のついでに確認作業をしたのですが、見つけるのに苦労した箇所もありました。景色に溶け込んでいるのということだと思います。

 皆様も鴨川散歩のついでに、オリエンテーリング気分で各橋の案内板を巡ってみるのはいかがでしょうか。
      

平成24年6月4日 京都土木事務所Y)


鴨川位置案内板(PDF:608KB)

 

 第21号 特別天然記念物 オオサンショウウオ その1

ハイブリッドなオオサンショウウオ

 京都市内に水族館がオープンして数ヶ月が経ちました。
 連日多くの人が訪れて大変賑わっているとのことです。(私はもう少し賑わいが去ってから行くつもりです。)

 この水族館に鴨川の上流域が再現されていて、ここに生息している特別天然記念物のオオサンショウウオも展示されているとのこと。

 先日、京都市の文化財保護課が実施されている「オオサンショウウオの生息調査」の23年度調査報告を聞きました。

 この調査は、日本に古来から生息しているオオサンショウウオと近縁外来種であるチューゴクオオサンショウウオとの混在状況を把握することを目的に平成23年度から28年度までの間実施されるものです。

 23年度は鴨川水系を中心に調査されたそうで、その結果は鴨川の上流部のオオサンショウウオは9割以上がハイブリッドだそうです。
 ハイブリッドと言えば「ハイブリッドカー」とかを連想しますが、広辞苑では一番最初に「雑種」と記載されています。

 在来種、外来種は共に僅かな割合でしか生息していないことが判明しました。
 ちなみに、京都水族館には全三種類のオオサンショウウオ十数匹が預けられているそうです。

 他の河川の調査結果では、サンプル数は9個体と少ないものの、「清滝川」では10割と全ての個体が在来種だったそうで、交雑が進んでいる水域と在来種のみの繁殖水域があるようです。
 私も昨年、管内河川の点検中に「清滝川」の「オオサンショウウオ」を見ました。

<清滝川 この落差を自力で登るのは不可能でしょう>

 この時は、2個体の「オオサンショウウオ」が時間差で同じルートを辿って、階段状にコンクリートで固められた所を下流へ移動し、同じ岩陰に入りました。
 階段を下る度に「ベタン、ベタン」と痛々しい音が辺りに響き渡り、その音で存在を知ったのでした。

※オオサンショウウオの在来種は国の特別記念物です。一般の方の捕獲は禁止されています。発見された場合は、京都市又は、京都府の文化財保護課へ連絡してください。

京都文化財保護課   075-414-5903
京都文化財保護課   075-366-1498

 この2個体はおそらく在来種と思われます。この次の世代も在来種が後を継いでいくのでしょうか。

<清滝川 同じ岩陰へと進む2個体のうちの1個体>

 

平成24年6月12日 (京都土木事務所Y)

 

清滝川のオオサンショウウオ(PDF:772KB)

 

 第22号 特別天然記念物 オオサンショウウオ その2

オオサンショウウオ目撃情報

 「オオサンショウウオ」の目撃情報といえば、鴨川中流域や下流域でも寄せられています。
 下流では、鮎の仮設魚道で話題となっている桂川合流部近くの龍門堰で、漁協の方が目撃されたと聞きました。

 昨年度に実施した三条~四条間の工事現場では、オオサンショウウオが現れて大暴れして現場の作業員さんを驚かせました。

<鴨川三条四条間工事現場のオオサンショウウオ>

 また、出町付近では交番へ「オオサンショウウオがいるがどうしたらいいのか?」と駆け込む方もあって、交番から相談の電話が度々入っています。

 当所の近所、北山大橋の下流に設置している飛び石のすぐ傍にゆらゆらと流れに揺られる「オオサンショウウオ」を目撃したこともあります。

北山大橋のオオサンショウウオ(PDF:630KB) 

 目撃情報に対しては、大きな口を開けて噛みつくことがあり危険であるのと同時に、特別天然記念物ということもあり、そっとしておいて頂くようお願いしてきました。

 しかしながら先日開催された第18回鴨川府民会議の「オオサンショウウオ生息調査」に関する報告の中で目撃したときの連絡先を知りました。

 目撃した場合は、京都市又は京都府の文化財保護課へ連絡すると、平日、休日を問わず担当職員が現地へ赴いて適切な対応をするとのことです。

 皆さんも「オオサンショウウオ」を目撃した場合は、交番や土木事務所ではなく、文化財保護課へ御一報願います。

京都府文化財保護課   075-414-5903
京都市文化財保護課   075-366-1498

 当所では、生き物そのものの管理は担っておりませんので、悪しからず御了承をお願いします。

※オオサンショウウオの他にも鴨川の水辺には外来種の両生類が生息しています。

 

平成24年6月12日 (京都土木事務所Y)


<甲羅干しのミシシッピアカミミガメ>

<水に漂うミシシッピアカミミガメ>

<水辺に佇むウシガエル>

<少年に一時捕獲されたウシガエル>

 

ウナギとスッポン(PDF:766KB)

 

 第23号 鮎釣り解禁!人も野鳥もハンター

人は友釣り。野鳥は瞬間技。

 6月に入って鴨川の鮎釣りも解禁を迎えました。(6月3日)
 都市の街中で鮎釣りの竿を担いだ釣り人を見ることが出来るのは鴨川ならではの光景です。 

<四条大橋から上流を望む 川の中の点が釣り人>

<釣れますか?ギャラリーも多いです>

 鴨川では、昨年から「京の恵みを活かす会」により、仮魚道を設け鮎の遡上を手助けする取組が行われています。

 今年は去年の龍門堰に加えて四条大橋下流に簡易な施設を設けて鮎を更に上流域へといざなう試みが実施されています。

<四条大橋下流の落差工に竹の簡易な堰>

 このような仮設魚道が設置されたことにより、鮎の遡上する様子が間近で見られるようになったのですが、以前から鮎はこの落差を一生懸命遡上していたそうです。(漁協の方のお話し)

<四条大橋上流の落差工で遡上する魚を狙うサギ>

 遡上した鮎は、「釣り人に釣られて食卓へ」「鳥に捕獲されて胃袋へ」「生き延びて産卵」といった具合に一年間の生涯を閉じるのでしょう。(鮎はほぼ1年間の寿命)

<ここが良いんだよね!と言わんばかりに集います>

 「釣り人」と「野鳥」どっちが捕獲量が多いのか?鮎の餌となる「苔」はどの位有るのか?産卵までたどり着いて、生まれた稚魚は何匹が海までたどり着けるのか?

<一撃必殺の「ハヤワザ」です 捕獲の瞬間は下記PDFで>

<ガッチリくわえました この魚は鮎でしょうか?>

 まだまだ知りたいことは沢山ありますが、いずれにしても鴨川は、野鳥にとっても「恵み多い」河川の様です。

※鴨川での鮎釣りは遊漁料が必要です。
 ・年間 8,000円
 ・日釣り 3,500円 (8月1日以降1,500円)

 

平成24年6月11日 (京都土木事務所Y)

 

鮎とサギと釣り人と(PDF:457KB)

 

 第24号 鴨川にもホタルが舞い飛ぶ

中洲部分除去でも「どっこい生きてる」ホタルです。

 京都市内のホタル情報を掲載したいので飛翔状況を教えて欲しいという出版社の要請を度々受けます。当所としては生物の管理までなかなか手が回っていない状況です。

 加えて、ホタルといえば午後7時頃から飛翔するのですが、北は旧京北町から南は伏見区まで京都市内の河川を観察して回るとなると、かなりの人員と時間が必要となります。従って、状況の把握はできていませんとの回答にならざるを得ません。

 とはいうものの「鴨川真発見記」としては、鴨川にホタルが飛翔との情報を聞けば個人的に「一度でいいから見てみたい」と好奇心が頭をもたげます。
 というわけで小雨降る中、鴨川のホタル鑑賞に出掛けました。

 出掛けた場所はというと、鴨川を紹介する写真によく使用される「北大路橋から出雲路橋間」です。この場所は今年の2月まで中洲を一部を残して除去した区間です。

 数年前に同じく中洲を一部残して除去したある区間では、「前年まで数多くのホタルが飛翔していたのに…」とのご指摘もあるのですが、こちらでは、今までにも増してホタルをみることが出来るのでした。毎年ホタルが飛翔することで有名な「みそそぎ川」(鴨川の高水敷に整備された人工水路)の二条大橋近辺に負けず劣らずの飛翔数でした。

<ホタルの写真は素人には難しい。かろうじての一枚。>

 しかしながら、ホタル自身にとって鴨川周辺の環境はどうなのでしょうか。一年かけて成虫になるホタルの羽ばたく期間はわずか1週間。その一週間を「交尾」という子孫を残す行為に命をかけるわけですが、車のヘッドライトや街灯などの強い光がパートナー探しの妨げになるとホタルに詳しい大学の先生お話しがありました。

<出町付近早朝のホタル。行き倒れ寸前でした。>

 街中でホタルの鑑賞ができると自然を取り戻したと人間は喜びますが、昔のように控えめな光の世界ではホタルも快適だったでしょうが、人間の生活を中心に考える今の世の中では街中のホタルは少し迷惑顔かもしれません。

<ホタルの飛翔する中洲>

<鴨川の北大路橋から下流すぐの左岸です>

 ホタル鑑賞の翌日は梅雨の雨で増水し中洲も水没、ホタルの運命やいかに。

<どっぷり水に浸かって草はなぎ倒されました。>

※昨年有志職員と委託業者が実施した同区間での幼虫調査
 の様子

ホタルの自己調査(PDF:956KB)


平成24年6月19日 (京都土木事務所Y)

 

 第25号 鴨川の桜も懸命に生きている

桜の自己再生プロジェクトを見た

 京都土木事務所では、鴨川と西高瀬川の合流点を府民の皆さんが集える拠点として整備しています。
 その拠点には府民の皆様に様々な種類の桜を長い期間に渡って楽しんで頂ける様な整備を検討しています。
 そのため、お隣の「府立植物園」の職員さんによるフィールドワーク「桜の勉強」をお願いしました。
 この時の参加者一同「これは知らなかった」と感心したのは、桜の再生でした。
 桜の幹が「ボロボロ・フワフワ」に枯れてしまいスポンジ状になった所に「幹の上部で元気な所」から「ひょろひょろ」と根が伸びてきます。
 この根を竹で作った筒に苔を詰めて地面へと導くと、太く成長した根はやがて幹へと変化して命を繋いでいくそうです。
 根の養生を始めたばかりの木と、幹へと成長し枝が伸びるまでに育った木「ビフォーアフター」を見ると「なるほどこうなるのか」と納得しました。

<ビフォー>

<アフター>

(京都府立植物園サクラ再生プロジェクトの一環)
 この時のお話しでは、人が手入れしない場合でも自らのスポンジ状の幹の中を根が伸びて地面に達し、やがては空洞となった幹の中に新たな幹を形成する場合があるとのことでした。 

 お話しを聞いた時は身近にそんな桜があるとは思ってもいませんでしたが、鴨川散歩の途中で何気なく桜の木を見ると倒れそうになっている幹を杖の様な柱で支えられているのが目に入りました。

 鴨川側を正面と仮定して、加茂街道側の裏に回ってみると何やら幹の中に数本の幹らしき存在があります。

<逞しい生命力です>

 「これがあの時教えてもらったあれか」と、人の手助けなしに身近に存在していたことに驚くとともに、この場所で今春に花見をしたことを思い出して、まだまだ見えていないことが多いなと思うのでした。



平成24年6月20日(京都土木事務所Y)

<桜咲く時期は幹には目が向きません>

 桜の自己再生( PDFファイル ,1MB)(PDF:1,620KB)  

 

 第26号 野鳥子育て真っ盛り

「あちら」「こちら」で親子連れを見かけます

 春「野鳥の恋の季節」を経てそのDNAが引き継がれていきます。
 先日の報道ではカルガモの親子が「とあるお寺」の池から鴨川へお引っ越し、警察官の交通整理の手も借りて無事に毎年恒例の行事を終えたとありました。

<ここまで大きくなると子供だけで泳いでいます>

<それでも親鳥が水から上がると後に続きます>

 カルガモの中には、小さな雛の時から鴨川で育つものもあって、お引っ越し組は「親と変わらぬ体格」の子供を連れたグループと同時に「まだまだ生まれて数日」と思われる子供を連れたグループが同時に見受けられます。

<まだまだ親鳥から離れられません>

 この小さな雛は親に後ろに金魚のフンの様について回っていますが、親に遅れて急いで追いつく時は水の上を「泳ぐ」というより水面を走っている様で、まるで「ゼンマイ仕掛けのおもちゃ」がピューと進むのに似た素早い動きを見せます。

 カルガモは成鳥になっても雄と雌の違いがわかりませんが、マガモの雄は首が緑に色づくのでよくわかります。徐々に羽毛が生え替わる様で、次の写真は緑の中に茶色が斑に残った状態の雄が親と一緒に行動している様子です。

<少し汚れた様に見えるのが雛のなごりです>

 ツバメは水面を盛んに飛び回り、虫を捕獲します。水を飲む時も飛びながら口を開けて水面から汲み取ります。鴨川の近隣住宅の軒下に作った巣で待つ雛は、大きな口を開けて「ピーピー」と鳴きながら親からの食事の配達を待っています。

<ツバメはペアで餌の確保に出掛けます>

 こちらは「アオサギ」の親子?かと見受けますが、カモと違い静かに佇んで見守っているようです。「サギ」の場合は幼鳥でも単独行動が多いようで成鳥と並んで見るのはこれが初めてでした。

<どちらが成鳥でしょう。体格は左が大きいですが。>

 「ダイサギ」「コサギ」は真っ白で幼鳥なのか成鳥なのか、単独行動なので見分けがつきません。以前紹介しましたとおり、魚の捕獲が下手なのが幼鳥かな?くらいの見分けです。

 子育て一年生の親鳥もベテラン親鳥もこの巣立ちまでの数ヶ月は一生懸命愛情を注いで育てているようです。

 

平成24年6月22日 (京都土木事務所Y)

 

野鳥の子育て( PDFファイル ,1MB)(PDF:1,742KB) 

 

 第27号 半木(なからぎ)の道って何?

「はんぎ」じゃないの?誰が名付けたの?

 鴨川真発見記第11号で紹介しました「八重紅垂れさくら」の並木道となっている「半木(なからぎ)の道」ですが、昨年の初夏の頃ふと思い立ってどうして「なからぎ」なのか調べることにしました。

<半木の道南端の「半木の道」標識柱>

 京都観光文化検定の公式テキストブックにも登場する「半木の道」、半木神社の存在と共に紹介されていますが、その名が「半木神社」に由来するとの記述はありません。

 「半木(なからぎ)の道」の命名は、当時の京都府知事の発案であると、桜の寄附団体である「鴨川ライオンズクラブ」の方から後で聞きましたが、ともあれ「半木神社」のことを調べてみることにしました。

 京都土木事務所の近くを車で通りかかると、カーナビに「半木神社」が表示されます。表示場所は明らかに「京都府立植物園」の敷地内の様でした。

 入口で係りの方に尋ねてみました。「ここに”なからぎ神社”という神社はありますか?」「その神社は正式な神社ですか?」すると係員の方からは「あります、あります。それは世界遺産上賀茂神社の末社で由緒正しい神社です」とのこと。

 園内案内パンフを片手に園内を奥へと進んでいきます。これまでに何度となく足を運びましたが、その存在には全く気付いていませんでした。

<半木神社の鳥居>

 園内の奥、池のほとりに鳥居があり、祠が祀られていました。由緒書きを見ると、「その昔この地に居を構えた秦氏にまつわる神社で上賀茂神社の末社」とあります。上賀茂神社には「半木神社のお守り」も販売しているとの案内もありました。「これは上賀茂神社へ参上するしかないでしょう」とその足で向かうことにしました。

 上賀茂神社の大きな案内板に見つけました。「末社」ながら世界遺産の一員です。ついでに息子に「実守」(みのりまもり)という努力が実るお守りを購入して調査を終了しました。

<「実守」という名のお守り>

(このお守りの御利益かどうかは分かりませんが、息子は今年高校1年生になって元気に通学しています。)

 ちなみに、この「半木(なからぎ)神社」のある地域は「半木(はんぎ)町」という町名で、「半木の道」は当所の所在地である「賀茂今井町」に位置しています。


平成24年6月26日 (京都土木事務所Y)



半木神社( PDFファイル ,1MB)(PDF:1,050KB) 

 

 第28号 鴨川と高野川から引き込まれた「禊ぎ」のせせらぎ

上賀茂神社と下鴨神社と鴨川・高野川の関わり

 京都三大祭のトップを切って開催されました「葵祭」。このお祭りの「休憩地点」と「終点」である「下鴨神社」と「上賀茂神社」。

 この両神社へは「鴨川」と「高野川」から禊ぎの小川が引き込まれています。
 「上賀茂神社」へは鴨川の柊野堰堤の下流にある明神井堰から引き込まれていた水が神社境内では「ならの小川」と呼ばれるせせらぎとなり、葵祭に先だって行われる「斎王代禊の儀」(下鴨神社と隔年で挙行)が行われています。

<鴨川志久呂橋(しくろばし)下流の明神井堰>

<途中畑の野菜に命の水を分配しながら流れます>

<上賀茂神社の境内「ならの小川」>

 境内を出るとその流れは「明神川」となって再度鴨川へと合流していきます。 

<明神川は鴨川と賀茂社家へ別れて流れます>

 「下鴨神社」へは高野川の上流に井出ヶ鼻井堰から「泉川」として引き込まれます。泉川は農業用水路として整備されましたが、その流末では下鴨神社へ流れ込み、こちらも禊ぎの水として利用され、境内から出ると鴨川と高野川の両河川へ分かれて流れ込んでいます。

<高野川山端橋下流の井出ヶ鼻井堰から「泉川」へ>

<下鴨神社境内の「泉川」>

<泉川から高野川へ合流>

<河合橋上流へ流れ込みます>

 この様に「鴨川」「高野川」は平安の時代から「葵祭」の基礎的な部分に大きく関わっている河川なのです。
 昔はこの鴨川を神聖な川として綺麗に保つ様に狩猟で捕まえた獲物を洗うことを禁じた命令も出されたそうです。

 京都土木事務所では鴨川の清流を守るため、上流域において土石の流入防止を目的として定期的なパトロールに取り組んでおり今後とも目を光らせていきたいと考えています。
                                                                   

平成24年6月27日 (京都土木事務所Y)

 

 第29号 「葵祭」の行列が鴨川を渡る橋は? 

 「出町橋」「北大路橋」「御薗橋」の3橋

 前回は「上賀茂・下鴨」両神社と「鴨川・高野川」両河川の関わりについて触れましたが、今回は「葵祭」の行列コースについて紹介してみたいと思います。

 朝に御所を出発した行列は、下鴨神社でお昼の休憩の後に終点上賀茂神社へと向かいます。

 「下鴨神社」へと入る手前で鴨川の「出町橋」を最初に渡ります。この「出町橋」が台風により一部損失した際には、一つ上流の「葵橋」(「新出町橋」と呼ばれていた)を渡ったこともあるという”エピソード”を説明した看板を「葵橋」右岸上流のベンチの傍に設置しています。

 「出町橋」は大正時代には歩道という概念も無く、渡河する行列見物する人々は河川敷きから見上げていたそうです。

 今の状況はどうかと「出町橋」に出向いてみました。

 予想どおり「わんさか」の見物人に圧倒されながら到着の行列を待ちました。行列が到着すると誰もが同じ行動です。20年前では起こらない現象をみることとなりました。

<我も我もと手が伸びます>

 「携帯端末」や「デジカメ」で行列の様子を撮影する人々です。あちらもこちらも「ニョキ、ニョキ」と手が伸びて当方の写真に写り込んでしまい「行列の様子を撮影する」というよりもその手を撮影することとなってしまいました。

 行列は下鴨本通りを北上し、北大路通りを西進、「北大路橋」を渡って「加茂街道」を北上します。

 京都土木事務所の向かいに行列が姿を現したので、再度行列に近づいてみると、「出町橋」とは違い両面通行の加茂街道では街道沿いの新緑に平安装束が映えてとても風情を感じることができました。

<加茂街道は広々でゆったり見物できます>

 

平成24年6月26日 (京都土木事務所Y)

葵祭の様子( PDFファイル ,1MB)(PDF:1,567KB)

 

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