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鴨川真発見記 平成27年5月

 第189号 鴨川上流を少しでも自然の姿に戻す取組

ガレキなど撤去開始 生き物にもやさしく

 新聞報道やTVなどのマスコミ報道で御存知の方も多いと思いますが、鴨川上流域に散乱していた投棄物を人力撤去する取組が“鴨川を美しくする会”の主催で実施されています。

 その様子は新聞報道や鴨川府民会議の資料等でご確認頂ければと思いますが、今回ご紹介するのは、京都土木事務所の取組として人力では撤去が不可能な大きなコンクリートガラやアスファルトガラなどのガレキ類を重機で集めて撤去している様子です。

 下流からバックホウで拾い集めたガレキ類を、河川をできるだけ濁さないように右岸の河原へ集め、そこでガレキ類のみを選別し、2台のバックホウがリレーして受け渡し、対岸に止めたクレーンで吊り上げて搬出する作業が4月30日に始まりました。

<写真左に重機の通り道を造って上流へ>

 雲ヶ畑へと続く道路にクレーン車を設置し、片側交互通行に規制して作業が進められました。

<片側交互通行 交通誘導員配置>

<2台のバックホウでリレー搬出>

 土と共にすくい上げたガレキ類をメッシュ状になっているバケットを振動させて、振るいにかけます。

<すくい上げて>

<振るいにかける>

 それを広げたシートの上に乗せて包み込んで搬出します。この時、混じった自然石は人力で川にもどして、中継のバックホウにリレーします。それをクレーンで吊り上げて、道路上に止めたトラックに積み込んでいきます。

<広げたシートにのせて>

<自然石は人力で選別>

<吊り上げて>

<クレーンの元へ>

<クレーンで高く吊り上げ>

<トラックに積み込み>

 ガレキ類が拾い集められて綺麗になった川の中の様子と、搬出作業の様子を併せて見てみました。

<工事看板>

<川の中へ>

 散乱していたガレキ類は拾い集められ、自然石がごろごろと転がる河原が広がり、澄んだ水が淵を充たしていました。

<自然な河原の復活>

<淵を満たす澄んだ水>

 今後も作業方法を試行錯誤しながら、自然にやさしい工夫をした作業を実施したいと考えています。

 そんな鴨川上流で自然を感じる動植物に出会いました。三種類の花です。下唇を突き出した様な花とそれに似たような野草です。そして綺麗な色違いの花もみることができました。

 私にはなんという野草かわかりませんので、詳しい方に聞いてみました。“ラショウモンカズラ”という野草の花と、それと似た花は“カキドオシ”でした。

<ラショウモンカズラ>

<カキドオシ>

 そして紫系の花を咲かせているのは、サクラソウ属の花との事でした。

<サクラソウ属の花>

 高くそびえる高木の上からは、藤の紫色の花が垂れ下がっています。ツルを伸ばして高い所まで登り詰めたようです。藤棚ならぬ藤ツリーですが、この状態が良いのか悪いのかはわかりませんが・・・。

 自然を感じながら、作業現場を後にしました。その途中でも自然の営みを目にする事が出来ました。川の中の石ころの上でトカゲが繁殖行為をしていました。

<足元にトカゲ発見>

<よく見ると繁殖中>

 様々な生き物の“すみか”でもある鴨川上流が綺麗になって、彼等も喜んでいる事でしょう。

 

平成27年5月21日  (京都土木事務所Y)

 

【追伸】 更なる取組

 重機によるコンガラなどの一部撤去完了後の5月16日に、川の中に残された廃棄物をボランティアの方々が人力で回収すると共に、「鴨川府民会議」主催で道路沿いの不法投棄を警戒するパトロールが実施されました。

<鴨川府民会議による不法投棄パトロール開始>

 川の中では、ウエットスーツに身を包んだダイバーが川底に沈んだ鉄筋などを拾い上げ、一般の方は河原に残されたゴミを拾い集めました。

<ウエットスーツや胴長姿で川の中へ>

<残ったゴミを拾い上げる>

<回収されたゴミをトラックで搬出>

 パトロールでは、河川の不法投棄の現状や、今まで京都市や地元で取り組まれてきた対応策について現地で確認しました。今後防止策が検討されます。

<パトロールで不法投棄の現状を確認>

 こうして行政と住民が協働する事により、鴨川源流は元の姿を取り戻そうとしています。注目を浴びる事で不法投棄させない環境が保たれていく事でしょう。

 

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