山城広域振興局

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山城の災害記録(昭和28年)

防災への取り組み

京都府では、府民の安心・安全な暮らしを守るため、多くの公共事業を計画的に実施していますが、特に山地に起因する災害の未然防止と災害に強い山づくりを目指して、治山事業の積極的な導入、実施に取り組んでいます。しかし、災害は忘れた頃にやって来る、ともいいます。常日頃から、防災について或いは災害発生時の対応方法について、一人一人がしっかりと認識し、関心を持つことがとても重要です。
このコーナーでは、過去に山城地域で起こった大災害を紹介していきます。

昭和28年災害

概要

平成16年10月、北近畿を襲った台風23号によって大きな災害がもたらされたことは、記憶に新しいところですが、「昭和28年災害以来の大災害」との表現で報道されていました。
災害の発生から半世紀余りが経過してなお大災害の代名詞になっていて、山城地域にも大きな被害をもたらした、昭和28年災害の概要を紹介します。
なお、昭和28年8月に発生した南山城水害と9月に発生した台風13号による被害の2つの災害が「昭和28年災害」と呼ばれています。

南山城水害

日本がまだ戦後の復興期にあった昭和28年(1953年)、8月14日から16日にかけて近畿北部に停滞していた寒冷前線が原因で、京都府南部から滋賀県南部さらに三重県西部にかけての地域が雷を伴った激しい豪雨に見舞われました。相楽、綴喜地方では、特に8月15日午前1時から午前5時以降まで激しく降り、和束町湯船地域では総雨量428mm、時間雨量100mmに達するなど、正に記録的な大雨となりました。(等雨量線図参照)
  この大雨により、相楽郡では洪水や土石流の発生や堤防の決壊が起こり、綴喜郡井手町では大正池の堤防が決壊するなどの被害が発生し、相楽、綴喜地方で死者と行方不明者336名、重傷者1,366名、被災家屋5676戸、被害総額150億円(当時)の大災害となりました。
  この災害の特徴は、山地崩壊や土砂流出によって引き起こされた土砂災害であることです。後の調査結果によると、崩壊箇所6551箇所、崩壊土砂量は10トントラック30万台分に相当する227万立方メートル、流出土砂量140万立方メートルにも及びました。
  南山城地域は、風化した花崗岩地域であり、もともと崩壊や流出を起こしやすく、さらに被害河川には天井川が多く、短時間で増水したことも被害を拡大させた要因です。さらに、当時の社会的背景として、戦後の食糧不足を補うための開墾や燃料資源の採取等によって、山地荒廃が著しかったことがあげられます。
  この8月14日から16日にかけての集中豪雨による災害を「南山城水害」と呼んでいます。

等雨量線図

台風13号による被害

南山城水害の発生から約1ヶ月後の9月25日、志摩半島に台風13号が上陸しました。この台風は、典型的な雨台風であったので、降雨地域、降水量とも非常に大きく、総雨量が京都府北部の多いところで500mm以上、山城地域でも230mmを超えるなど、京都府内の全域が豪雨に見舞われ、淀川、由良川、木津川、宇治川、桂川等の大河川がいずれも決壊や氾濫し、各地で浸水被害を引き起こしました。(台風13号の進路図参照)
被害状況は、死者と行方不明者119名、重軽傷者1492名、被災家屋65109戸、被害総額556億円(当時)にも上る大災害となりました。京都府北部や中部が特に大きな被害を受けましたが、農作物の収穫時期と重なったことが、社会的、経済的損失を増大させました。


洪水被害状況 (相楽郡山城町綺田地区)


家屋被災状況(綴喜郡井手町玉水地区)

(参考)本文中に引用した図や写真は、京都府砂防協会発行の「京都府の昭和28年災害」から引用しています。

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