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冬の味覚・古老柿(宇治田原町)

お正月のお茶のお供にもぴったり。宇治茶の生産地であるここ京都府綴喜郡宇治田原町で冬の時季に生産される、全国でもここだけの、「柿屋を使った古老柿」を紹介します。

毎年11月に入ると「柿屋」が立ち始めます。全て手作り。高所での作業は細心の注意を払います。屋根の部分はうまい具合に風が抜ける仕組みになっています。棚にはたくさんの柿が並べられます。

古老柿のできるまで

古老柿は、「鶴の子柿」という小ぶりの渋柿を使います。
では古老柿のできるまでを簡単に説明します。

  1. 「柿屋」を建てる。
    11月上旬~中旬、刈り取りの終わった田んぼに「柿屋」を建てる。屋根をワラで葺くと強い風が吹いても可動するので風が抜けて吹き飛ばされないし、結露がたれることもありません。
  2. 柿をもぎ取る。
    竹竿の先を二股にしたもので柿をもぎ取る。体に負担のかかる作業です。
  3. 柿屋に並べて乾燥させる。
    へたを切って皮をむき柿屋の棚に並べて15~20日乾燥させます。
    と言っても、毎日夕方にはシートやむしろでくるみます。内部の水分が表面にしみ出てきて糖分が出てきて白くなるのです。
    また、雨がかからないように天気が悪くなる度に柿を移動させます。まさに空とにらめっこの日が続きます。
  4. 柿を踊らせる。
    ある程度乾いてきた柿を柿屋から下ろし、むしろに広げます。
    柿を踊らせると柔らかくなります。昔は箕の上で踊らせていましたが、最近は回転する機械も使います。もちろん、夜は別の場所に移動させます。この作業が約1週間続きます。
  5. 出荷
    表面に白い粉がふいたら完成。
    12月中旬に「初市」が開かれ、出荷が始まります。
    生産する農家の大部分は事前に注文を聞いており、生産が終わる12月末には柿屋は解体されます。

    生産にあたってのご苦労は?との質問に、生産者の方が口をそろえておっしゃったのが、「天気」。良質の古老柿を作るために、出荷までの毎日が空と相談しながらの作業です。雨が降りそうなら、早めに柿を移動させます。雨が降ってからでは全ての柿を移動させるまでに濡れてしまいます。品質が大きく左右されるだけに天気情報は欠かせません。

食べてみたい!どこで買えるの?

宇治田原町内では、「JA京都やましろ宇治茶の郷」やお茶屋さん、スーパーなど。町外でも近隣スーパーに一部出回っていることがあります。また、京都錦市場では扱う店があり、通信販売を行っているお茶屋さんもあります。販売については「宇治茶の郷」へお問い合わせください。

販売期間:通常、12月中旬~翌年1月くらい。2月になるとほとんどなくなります。気候の影響等により、年によって生産量が異なるため、販売期間が早々に終了する場合もあります。ご希望の方は11月中のお問合せ、ご予約をお勧めします。

もっと知りたい!「古老柿」は「孤娘柿」?

<発祥伝承のお話>

むかし、渋柿を甘くする方法が知られていない時代・・・。
あるとき村に一人の娘が現れて、干し柿の製法を伝えた。立ち去る娘の後を村人がついていくと、禅定寺(宇治田原町禅定寺)近くの岩場で姿を消したと思ったら観音の姿を現した。娘は禅定寺の本尊、十一面観音の化身だった。以来その干し柿を「一人の娘の柿」という意味で「孤娘柿(ころうがき)」と読んだ。


このお話で娘が観音の姿を現したという「美女石(びじょせき)」近くに「おとめ観音(柿の木観音)」と名付けられた像が平成5年に「ころ柿の観音像」として安置されました。

光背に柿の葉、台座は柿のへた、手のひらには柿、柿のネックレスを付けておられると聞いて、少々息の切れる山道をたどり、観音様に会いに行ってきました。

「おとめ観音」は、京都府歴史的自然環境地域に指定されている禅定寺内に安置されています。少し奥まったところにあるので、行かれる方は一声かけてから行っていただければとの禅定寺さんのお話でした。

 

 

京都府歴史的自然環境地域
禅定寺のページ
http://www.pref.kyoto.jp/shizen-kankyo/hozen09.html

 

 

先の発祥伝承では「孤娘柿」、白く粉を吹いた様子を老人に例えて「古老柿」、ころころ転がすから「ころ柿」。一般的には「古老柿」が使用されているようです。

 

町内で一番小さな柿屋
町内で一番大きな柿屋

お問い合わせ

宇治茶の郷
〒610-0255
京都府綴喜郡宇治田原町大字郷ノ口小字中林12
TEL:(0774)88-2629

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山城広域振興局農林商工部 農商工連携・推進課 農業・宇治茶振興係

宇治市宇治若森7-6

ファックス:0774-22-8865

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