養殖の方法、資材、作業などを簡単に説明します。トリガイ養殖では、種苗を入れた養殖容器を筏から垂下して行います。養殖容器にはトリガイが潜るために砂の代わりにアンスラサイト(無煙炭)を入れ、種苗を収容後網蓋をします。養殖期間は約1年で、この間トリガイは、海水中の植物プランクトン等を餌として育ちます。
(1)トリガイ養殖に適した環境条件
1)養殖場所の水深
海面下5〜7mで養殖したものが成長・生残とも良好でした。しかし、あまり海底に近いと餌が少なく水質も悪くなって貝の成長・生残に影響が生じます。そのため、養殖を行うには水深10m以上の場所が適しています。
2)水温
水温10〜30℃の範囲内であれば養殖は可能です。しかし、高水温時期に急激に水温が変動したり高水温状態(水温25℃以上)が長期間(50日間以上)続いたりすると、トリガイの生残や成長に悪影響が及ぶ恐れがあります。
3)波浪
波浪が激しいと、養殖容器内のアンスラサイトが流出するので養殖には不適です。
4)潮流
ある程度潮の流れのある方が養殖容器内の換水が良くなるため、成長が良くなる傾向にあります。
5)その他
舞鶴湾、栗田湾および宮津湾等の天然の大型トリガイの生息している海域が、やはり養殖海域としても適しています。
Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.