養殖トリガイの出荷は、例年6月中旬頃から始まります。出荷の形態は活貝および加工品ですが、出荷前にトリガイの規格分けをする必要があります。現在、漁業者が自主的に行っている選別基準では大サイズ(殻長8.5cm以上かつ殻付重量150g以上)、中サイズ(殻付重量130g以上)、小サイズ(殻付重量100〜129g)、殻付重量100g未満を規格外としています。この選別作業には、全ての漁業者が同じ基準で規格分けができるように選別板(写真17,写真18)を用います。
写真17 選別板を用いて、大、中、小にサイズ分けします
写真18 出荷前の選別作業
選別された貝のうち、大〜小サイズの貝には「丹後とり貝」のブランド名を付けて販売しています。トリガイのサイズによって販売単価が大きく異なりますので選別は厳密に行う必要があります(写真19)。
写真19 規格分けして出荷します(大サイズ)
選別の済んだトリガイを、規格別にコンテナに再収容しておくことで、迅速かつ計画的に出荷する事ができます。
4)衛生検査
消費者に安全で安心できる養殖トリガイを提供していくためには、出荷前に各種の検査を行って安全確認をする必要があります。
1貝毒検査
海中で養殖している二枚貝では、有害なプランクトン等の摂取で貝が毒化し、その貝を食べたことによって食中毒を引き起こした事例がしばしば発生しています。これらの食中毒を未然に防ぐため、養殖貝の数個体を用いて貝毒検査を行います。貝毒検査の項目は、麻痺性貝毒と下痢性貝毒の2項目です。これらの検査は民間の検査機関に依頼しますが、分析には数日を要します。結果が判明してから出荷できるよう、日程に留意します。検査結果が陰性の場合は出荷できますが、陽性の場合には再度検査を行い、陰性になるまで出荷を停止します。
2細菌検査
一部のトリガイは加工品として出荷します(写真20)。
写真20 一部は加工品として出荷します
加工品を出荷する際には、製品の細菌検査が必要となります。現在実施している細菌検査の項目は、一般細菌数、大腸菌群数および腸炎ビブリオ等となっています。この検査も食中毒防止のために実施する必要があります。
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