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6 環境負荷の少ない循環型社会の構築【環境基本計画】

(1)大気環境の保全

移動発生源、固定発生源対策を総合的に推進することにより、大気を汚染する物質の排出量 を削減し、大気汚染に係る環境基準の達成を図ります。

ア 自動車交通公害対策の推進

 自動車から発生する汚染物質、とりわけ全発生量への寄与度が約60%を占める窒素酸化物を減少させるため、最新規制適合車への転換の促進、ディーゼル車からガソリン車・LPG車への転換及び低公害車、低NOx車の導入促進などの単体対策を推進します。
  また、アイドリング・ストップなどの自動車の適正な使用について普及・啓発を図り、府民の自主的な実践活動の取組を推進します。
  さらに、発生交通量そのものを減少させるために、自転車利用を拡大するための環境整備や公共交通 機関の整備・利用促進を進め、共同輸配送等により物流の合理化を図るとともに、技術開発の状況等に応じ環境への負荷の少ない交通 輸送機関やパークアンドライド等の導入を検討します。
 また、汚染物質の排出を抑制するために、交通流の円滑化を図り、道路交通 情報通信システム(VICS)の導入や交差点の改良等を推進します。 併せて、道路の立体交差化や植樹帯を設置するなどの道路構造対策、緩衝空間の設置などの沿道対策を進め、局地的な汚染の低減を図ります。

施策体系

 

自動車交通公害対策の推進 (1)自動車単体対策の強化
(2)低公害車等の普及促進
(3)発生交通量の低減の推進
(4)交通流対策の推進
(5)道路構造対策の推進
(6)沿道対策等の推進
(7)アイドリング・ストップなどの普及・啓発の推進

 

イ 工場・事業場対策の推進

  固定発生源を設置する工場・事業場については、大気汚染防止法や条例に基づく排出規制、総量 規制、燃料使用基準等の規制や指導を徹底、強化するとともに、ばい煙等処理施設の設置促進等を通 じて工場・事業場対策を推進することにより、規制物質排出量の一層の削減を図ります。
  ダイオキシン類をはじめとする有害化学物質については、大気汚染防止法、条例による規制遵守を徹底・指導するとともに、事業者の自主的な取組を促進することにより、排出抑制を図り、安全を確保するために必要な測定・調査を行います。
  なお、浮遊粒子状物質のようにその発生機構や発生源別の寄与率等に未解明の部分が多く残っている物質については、調査研究を一層推進し、効果 的な規制等に向けて科学的知見の集積を図ります。
  また、光化学オキシダント対策については、条例に基づく「揮発性有機化合物排出抑制指針」により事業者の自主的な排出抑制対策を促進するとともに、関係府県との連携のもと情報交換など効果 的な対応を図ります。

施策体系

工場・事業場対策の推進 (1)窒素酸化物対策の推進
(2)浮遊粒子状物質対策の推進
(3)硫黄酸化物対策の推進
(4)有害化学物質対策の推進
(5)緊急時対策の推進

ウ 悪臭防止対策の推進

 悪臭防止法に基づく規制の強化を図るとともに、市町村に対して、悪臭防止技術、悪臭 測定法等の技術的な支援を実施します。

現状

  • 大気汚染の発生源は、工場等の固定発生源については京都市を中心とした南部地域に集中して立地しており、とりわけ京都市には府内の全ばい煙等発生施設の約60%が集中しています。また、南部地域以外の固定発生源は、舞鶴市、福知山市、亀岡市といった北・中部地域の市域に集中して立地しています。
  • ばい煙発生施設等の設置数は、近年、横ばいの状況であり、すでに良質燃料の普及が進み、ばい煙等の排出抑制や処理の技術も十分に確立した技術レベルに達しています。
  • 移動発生源は、北部地域の臨海地域において船舶やディーゼル機関車等があるものの、その主なものは自動車であり、とりわけ南部地域の京都市で府内の自動車走行量 の約半分を占めています。
  • 自動車の保有台数は、近年では約3%/年の伸び率で漸増しており、京都府における窒素酸化物の発生量 の約60%を自動車が占めています。また、自動車排出ガス測定局における測定状況からは、近年の自動車排出ガスに対する規制強化の効果 は明確には現れていません。
  • 大気環境については、一酸化炭素及び二酸化硫黄は、環境基準を達成していますが、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質は、主として京都市内の一部の自動車排出ガス測定局で、環境基準が非達成の状況を継続しています。また、光化学オキシダントは、ほとんどの測定局において、環境基準が非達成の状況です。
  • 規制物質以外の大気汚染物質として、ダイオキシン類をはじめとするいわゆる有害化学物質が問題となっています。製造されているものだけでも数万種類もある化学物質の中から有害化学物質を特定し、そのすべての物質の排出規制を行い、環境濃度を把握することは困難ですが、その一部については、すでに大気汚染防止法や条例において排出規制を行い、排出を抑制しています。
  • 悪臭の状況を公害苦情件数からみると、騒音とともに多く、年間300件程度の苦情が寄せられる状況が継続しており、発生源別 の上位は、家庭生活(調理臭、浄化槽臭等)と製造業となっています。

(2)水環境の保全

  汚濁負荷量の6割を占める生活排水への対策を総合的に推進することにより、川や海への汚濁物質の排出を削減するとともに、地下への有害物質等の浸透を防止し、水質汚濁に係る環境基準の達成を図ります。

ア 生活排水対策の推進

  環境情報の提供等により環境に配慮したライフスタイルの普及・啓発に努め、家庭での生活排水による汚濁負荷を低減するとともに、生活排水対策重点地域の指定拡大に努め、生活排水対策の重点的・効果 的な推進を図ります。
 また、「京都府水洗化総合計画’98」に基づき、下水道をはじめ、合併処理浄化槽、農業集落排水施設、コミュニティ・プラント等の生活排水処理施設の整備及びし尿処理施設の整備を推進します。

施策体系

生活排水対策の推進 (1)普及・啓発等の推進
(2)生活排水対策重点地域の指定
(3)「京都府水洗化総合計画’98」の推進

イ 工場・事業場排水対策の推進

 水質汚濁防止法や条例に基づき、工場・事業場を対象に排水基準等の遵守状況を監視するとともに、水の循環使用等による生産工程の改善、有害物質を含まない原材料の採用、排水処理の高度化等による汚濁負荷の低減を指導します。
  ダイオキシン類をはじめとする有害化学物質については、法、条例による規制遵守を徹底・指導するとともに、事業者の自主的な取組を促進することにより排出抑制を図り、安全を確保するために必要な測定・調査を行います。
  また、小規模な工場・事業場又は法令の対象となっていない工場・事業場についても、汚濁負荷量 の削減を指導することとします。

ウ 農畜産排水対策の推進

  農業者に対して農薬、肥料の適正使用に関する普及・啓発を行い、環境保全型農業(環境にやさしい農業)を推進します。また、家畜ふん尿等地域の未利用資源の適正な処理やリサイクルを促進します。

エ ゴルフ場使用農薬による水質汚濁防止対策の推進

  ゴルフ場使用農薬による水質汚濁については、必要な規制・指導を行うとともに、「京都府ゴルフ場農薬安全使用指導要綱」及び「京都府ゴルフ場農薬安全使用指針」に基づき、環境に配慮した農薬の適正使用等について、指導を徹底します。
  また、ゴルフ場使用農薬の実態を引き続き調査し、分析法の研究等により安全の確保を図ります。

オ 水域別施策の推進

(ア)閉鎖性水域の水質汚濁防止対策の推進

  瀬戸内海をはじめ舞鶴湾、宮津湾、久美浜湾などの閉鎖性水域の水質を保全するため、「瀬戸内海の環境保全に係る京都府計画」、「化学的酸素要求量 に係る総量削減計画」等に基づく水質保全対策を推進するとともに、下水道の整備や高度処理化等を促進します。

(イ)都市内中小河川等の水質汚濁防止対策の推進

 汚濁がみられる都市内中小河川等の水質を改善するため、必要に応じて汚濁原因等についての調査を実施し、その結果 に基づき、原因者に対する指導を強化するとともに、下水道等の整備を促進します。

(ウ)水系別の総合的な水環境保全対策の推進

  生活排水対策や工場・事業場排水対策のみならず、保水機能や水質浄化機能等を有する森林・緑地等の保全も含めた水系別 の総合的な対策を推進していきます。

カ 地下水の保全

  有害物質による地下水汚染を防止するため、工場・事業場に対する地下浸透防止の徹底を指導し、また、地下水の常時監視を実施します。
  また、汚染が確認された場合には、継続的に監視調査を実施し、人の健康に被害が生じるおそれがないよう適切な対策を実施します。

施策体系

地下水の保全 (1)有害物質等の地下浸透防止対策の推進
(2)地下水の常時監視の実施
(3)地下水の継続的監視及び対策の実施

現状

  • 京都府の河川、海域における水質汚濁の状況は、人の健康の保護に関する項目については、ほとんどの地点で環境基準が達成されていますが、生活環境の保全に関する項目については測定を実施した48水域中11水域で非達成(平成8年度)となっています。なお、全般 的には各水域の水質は、近年、概ね横ばいとなっており、また、都市部を流れる中小河川においては、改善はみられるものの、一部の水域では依然として汚濁が継続しています。
  • BOD(生物化学的酸素要求量)発生負荷量の発生源別寄与割合では、生活排水の寄与が全体の約6割を占め、産業排水(約3割)の約2倍となっており、なかでも未処理の生活雑排水の寄与が大きくなっています。
  • 農畜産排水については、BOD発生負荷量は少ないものの、一部地域において苦情発生原因の一つとなっています。
  • ゴルフ場使用農薬による水質汚濁が社会問題化しましたが、現状では公共用水域での検出率濃度とも低いレベルで推移しています。
  • 主要河川の発生負荷量のうち、生活排水の占める割合は、由良川及び宇治川では約5割、桂川及び久美浜湾等では約6割、木津川では約7割となっており、このうち、木津川及び久美浜湾においては、生活雑排水のうち未処理のものが6割余りとなっています。
  • 近年、人為的に製造された化学物質やダイオキシン類をはじめとする非意図的に生成された物質による新たな環境汚染が問題となっています。
  • 地下水については、人の健康に関する項目のうち、有機塩素系化合物等について一部の地域で汚染がみられます。

(3)土壌環境・地盤環境の保全

土壌汚染防止対策を総合的に推進することにより、健全な土壌環境を維持し、環境基準を達成するとともに、地盤沈下防止対策を推進します。

ア 土壌汚染防止対策の推進

  有害物質等の地下浸透を未然に防止するため、事業者等に対し指導を徹底します。
  また、万一、土壌汚染が認められた場合は、事業者等に対し調査及び環境基準達成のための対策を実施するよう指導し、必要な監視を行います。また、ダイオキシン等については、府民の安全を確保するため必要な測定・調査を実施します。
  さらに、農用地の土壌汚染が認められた場合は、土地改良事業等の適切な対策を実施します。

イ 地盤沈下防止対策の推進

  地盤沈下の傾向がみられる地域での観測・監視の継続と代替水源を確保するための下水処理水の再利用、表流水の導入などの地盤沈下防止対策を推進します。

現状

  • 過去に汚染が認められた一部の土壌について、土地改良事業等の対策が進められています。また、市街地の一部では、工場跡地の敷地内において汚染が発見されましたが、現在、浄化対策が実施されています。
  • 住民生活の安全性の観点から、地盤の安定性の確保が重要であり、沖積層や洪積層において地下水の急激・過剰な汲み上げが行われることにより、地盤沈下が生じる可能性がありますが、府内では、地下水依存度の高い南部地域(京都・乙訓地区)の一部で、地盤沈下の傾向が認められます。

(4)騒音・振動の防止

 騒音・振動の発生源別対策を総合的に推進することにより、様々な原因による騒音・振動を低減し、環境基準の達成を図ります。

ア 自動車騒音・道路交通振動防止対策の推進

  自動車からの騒音を抑制するための発生源対策の推進に努めるとともに、交通 管制システムの高度化や道路ネットワークによる交通流の分散、ドライバーへの適切な情報提供等の交通 流の総合的誘導、交差点での渋滞の解消、交通規制及び交通指導取締り等の交通 流対策を推進します。
  また、公共交通機関の整備及び利用の促進等により発生交通量を低減します。
  さらに、幹線道路沿道に適合した土地利用の誘導等の沿道対策、遮音壁の設置、低騒音舗装の敷設等の道路構造対策を推進します。

イ 新幹線鉄道騒音・振動防止対策の推進

 新幹線鉄道騒音・振動については、騒音・振動の実態を継続的に把握し、沿線住民の生活環境の保全を図るため、発生源対策、振動防止対策等の促進を関係機関に要請します。
  さらに、沿線の土地利用計画の決定又は変更に際して、著しい騒音・振動が及ぶ地域については、新たな市街化を極力抑制するとともに、市街化する場合においては、非住居系を基本とした適正な土地利用を図ります。

ウ 近隣騒音防止対策の推進

  深夜飲食店営業等の騒音については、条例に基づく深夜におけるカラオケ装置の使用制限等の規制の徹底を図るとともに、市町村等関係機関との連携を図り、指導、啓発を推進します。
  また、家庭等の生活騒音についても、住民の騒音防止意識やマナーの向上を図るため、広報紙等による啓発活動を積極的に推進します。

エ 工場・事業場の騒音・振動防止対策の推進

  騒音規制法、振動規制法及び条例に基づく特定施設を有する工場等については、規制基準を遵守すべく、監視・指導を実施するとともに、住工分離の観点から適正な土地利用を推進します。
  また、特定施設の設置届出に際しては、必要に応じ、防音、防振装置や防音壁の設置、低騒音・低振動型機械の導入、機械基盤・建築構造の改善等を指導します。

現状

  • 工場・事業場等の操業、自動車・鉄道の通過、建設作業、さらにはカラオケや拡声機、住民の日常生活等に伴い、様々な騒音・振動が発生しています。
  • 府内における騒音の環境基準達成率は、道路に面しない地域に比べ、道路に面 する地域が低い状況となっています。
  • 騒音に関する苦情は公害苦情件数全体の中でも悪臭とともに多く、発生源別 にみると、カラオケ騒音の苦情もあって「飲食店」が最も多く、次いで「製造業」、「サービス業」、「建設業」となっています。
  • 振動は局所的に発生する公害であり、振動に関する苦情件数は公害苦情件数全体の1%程度と少ない状況にあります。

(5)廃棄物・リサイクル対策の推進

  一般廃棄物、産業廃棄物の減量化・リサイクルなどを総合的に推進し、ダイオキシンの排出を抑制するとともに、不法投棄の防止対策を推進します。

ア 一般廃棄物対策の推進

 減量化・リサイクルについては、「京都府廃棄物減量化・リサイクル計画(京晴れ・晴れプラン)」に基づき、府民、事業者及び行政が、自主的かつ相互に連携・協力して、廃棄物の発生抑制、資源化・再利用の促進、府民ぐるみでの取組を進めるとともに、「京都府分別 収集促進計画」に基づき、容器包装廃棄物の分別収集及び再商品化を促進します。府は、「地球にやさしい府庁づくり計画」に基づき、率先して再生商品を使用するなどの取組を推進し、また、庁内の紙ごみを効率的にリサイクルする手法等についても検討を進めます。
 ダイオキシン等については、焼却施設の排出ガス調査を行う等実態を把握するとともに、ダイオキシン排出基準の遵守を指導・徹底し、運転管理や施設の改善を図るよう指導します。また、ごみの減量 化・リサイクルを推進し、焼却量そのものの削減を図ります。さらに、処理技術の開発状況に応じて、再生利用型処理への転換を円滑に進めるとともに、「京都府ごみ処理広域化計画(仮称)」の策定等広域化も視野に入れた計画的な市町村の施設整備を促進します。
 ごみの散乱や不法投棄については、市町村と連携し、府民や観光旅行者等に対する啓発等を実施します。
 特に、道路や河川などへの一般廃棄物の不法投棄も依然としてみられることから、投棄された場所の管理者が、市町村とも一層連携して、その発生を防止するよう指導します。

施策体系

一般廃棄物対策の推進 (1)減量化・リサイクルの推進
(2)計画的な施設整備の促進
(3)ダイオキシン対策の推進
(4)散乱ごみ等発生防止対策の推進

イ 産業廃棄物対策の推進

 産業廃棄物の適正処理については、国において進められている廃棄物処理に係る各種基準の見直し・強化を踏まえ、排出事業者や産業廃棄物処理業者に対し、基準の遵守を指導していきます。
 最終処分場をはじめとする産業廃棄物処理施設については、民間事業者による施設整備がますます困難となっていることから、引き続き公共関与による広域処理体制の整備を推進します。
 また、農業面では「環境にやさしい農業推進基本方針」に基づく農業者の取組などにより、循環型の廃棄物処理を推進します。  ダイオキシン対策については、規制対象となる焼却施設の立入調査などにより実態を把握し、施設の構造基準・維持管理基準に適合するよう監視・指導します。
 不法投棄対策については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正により、産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の適用拡大や不法投棄の原状回復制度の導入が行われたことを踏まえ、その防止のため、警察等の関係機関との連携強化を図り、監視・指導に努めるとともに、告発などの措置も含め、厳正に対処していきます。

施策体系

産業廃棄物対策の推進 (1)減量化・リサイクルの推進
(2)適正処理の推進
(3)公共関与による施設整備の推進
(4)ダイオキシン対策の推進
(5)不法投棄対策の推進

現状

  • 廃棄物の増大に対応して、それを処理する施設が年々整備されつつありますが、近年は、環境への負荷の増大に対する懸念や市街化の進展などから、廃棄物処理施設の立地がますます困難となっており、生産、流通 、消費の各段階で廃棄物の減量化やリサイクルの取組が進められつつあります。
  • 一般廃棄物の処理については、市町村の固有事務ですが、府は、京晴れ・晴れプランなどに基づき、減量 化・リサイクルを推進するとともに、市町村に対して、それらの取組や一般 廃棄物の適正処理についての技術的支援等を行っています。
  • 容器包装廃棄物については、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」に基づく分別 収集及び再商品化が平成9年度から開始されたところであり、平成8年12月に策定した「京都府分別 収集促進計画」に基づき、その対策を推進しています。
  • 使い捨て容器の増加などに起因する散乱ごみの問題については、クリーン・リサイクル運動による啓発活動などを推進しています。
  • 産業廃棄物については、「京都府産業廃棄物処理計画」に基づき、産業廃棄物処理対策を総合的・計画的に推進しています。
  • 産業廃棄物の処理については、排出事業者責任の原則に基づき、産業廃棄物の安定化や減量 化のための中間処理、産業廃棄物処理業者への委託処分などが行われています。また、リサイクルについては、コンクリート・アスファルト及び金属くずの再利用、家畜ふん尿の堆肥化、下水道汚泥焼却灰等の建設資材化などの取組が進められています。
  • 産業廃棄物処理施設の整備については、民間事業者による施設整備が行われていますが、府としても、公共関与による広域処理体制の整備を図るため、株式会社京都環境保全公社への支援を行い、また、大阪湾圏域広域処理場整備事業(フェニックス事業)にも参画しています。
  • 不法投棄については、市町村と連携し、監視パトロ-ルを実施するとともに、京都府違法開発等対策(地域)機動班を中心に関係機関が連携して対応していますが、依然としてあとをたたず、悪質化する傾向にあります。平成10年2月には、こうした不法投棄等の防止を図るため、府、京都市及び府警察本部による「京都府産業廃棄物不法投棄等防止行政連絡協議会」を設置しています。

(6)有害化学物質対策の推進

  大気や水質においてこれまで規制されてきた有害化学物質に加え、これまでに意図しない物質の出現に対応するため、調査研究等の充実や情報の把握等を総合的に推進します。

ア 調査研究等の充実

 環境ホルモンをはじめとする有害化学物質については生態系への影響や環境中の挙動等が必ずしも明らかでないことからそれらに関する研究や分析法の研究等を行い、科学的知見の集積に努め、国等の情報を的確に把握し、また、府民等へ提供します。
  また、環境中の濃度等については、ダイオキシン等をはじめ緊急性の高いものについてその発生量 等を把握し、定期的なモニタリングを行います。

イ 工場・事業場の有害化学物質対策の推進

 工場・事業場における有害化学物質については、法、条例に基づく排出規制等の指導・徹底はもとより、事業者の自主的な排出抑制対策の取組を促進するため必要な情報の収集・提供に努めます。
 特に、配慮が必要とされる化学物質については、生産、使用、廃棄の各段階における適切な対策を事業者に求めていくこととします。

現状

  • 近年、科学技術の進展、産業構造の変化等に伴い、生産・使用される化学物質は多種類にわたり、その中には使用、廃棄等の仕方によっては問題を生じるものも少なくありません。とりわけ、現在、ダイオキシン類のような非意図的に生成・排出される物質及び人や野生生物の生体の内分泌機能に変調を生じさせることが懸念される外因性内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンによる環境汚染が問題となっています。
  • 国では、大気汚染防止法や水質汚濁防止法の改正により、排出規制物質が追加されていますが、府においても条例で大気関係36項目、水質関係24項目を排出規制物質として、その排出基準を設けるとともに、それ以外の化学物質についても排出等を抑制するため事業者の自主的な管理について規定しています。

(7)エネルギー・水資源の有効利用

 省エネ及びエネルギー有効利用対策、新エネルギーの利用促進、水資源の有効利用の促進等を総合的に推進することにより、エネルギー・水資源の有効利用を図ります。

ア 省エネ及びエネルギー有効利用対策の推進

地球の温暖化等に適切に対応し、持続的発展が可能な社会を構築するためには、日常生活や事業活動を見直し、社会・経済活動のあらゆる分野において、省エネ及びエネルギーの有効利用を進めていくことが必要です。
  特に、今後ともエネルギー使用の増加が予測される民生(家庭・業務)部門に対して、エネルギーの使用の抑制及び合理化に向けた普及・啓発を一層推進します。
  また、府自らも、「地球にやさしい府庁づくり計画」に基づき、節電、節水などの省エネ対策を率先して実行します。

イ 新エネルギーの利用促進

  環境負荷の少ない循環型社会を構築するためには、省エネ及びエネルギー有効利用対策を推進するとともに、有限である化石燃料に依存したエネルギー供給構造から脱却する必要があります。
  このため、「京都新エネルギービジョン」に基づき、太陽エネルギー、風力エネルギーやこれまで十分利用できていなかった廃棄物エネルギー等の環境負荷の少ない新エネルギーとともに、コージェネレーション等の新しいエネルギー利用形態についても導入の促進を図ります。

ウ 水資源の有効利用の促進

 水資源は、限りある貴重な資源であり、様々な段階での水資源確保のための努力があってはじめて利用できることから、生活や産業を支える水資源の有効利用を図るため、家庭用水等の節水を促進するとともに、工場・事業場での工業用水の回収率の向上を促進します。
 また、水の合理的、循環的な利用を図るため、オフィス、工場・事業場等において、雨水、下水処理水等の洗浄用水等の雑用水への利用や下水処理水の上流還元等水資源の有効利用を促進します。

施策体系

水資源の有効利用の推進 (1)節水等の普及・啓発
(2)工業用水の回収率の向上対策
(3)雨水、下水処理水等の有効利用の推進

現状

  • 日本のエネルギー需要は、二度の石油危機後、省エネルギーが進んだことにより、いったん低い伸びとなりましたが、1980年代後半からは好景気などを背景に高い伸びを示しています。なかでも、住宅やビルにおける民生部門の伸びが著しく、この傾向は今後も続くと予想されています。
  • 京都府におけるエネルギー需要量は、平成5年度において約61,000×103 Gcalであり、昭和55年度から平成5年度の年平均伸び率は2.6%と、全国の1.8%を上回る伸び率で増加しています。また、部門別 では、民生部門が最も多く、次いで産業部門、運輸部門の順となっています。全国と比較すると産業部門の割合が小さく、民生部門の割合が大きいというのが特色です。
  • また、京都府における一人当たりの水使用量をみると、企業等での節水努力や回収率の向上など水の有効利用等の一定の進展により、横這い傾向にあります。しかし、都市化によるライフスタイルの変化(トイレの水洗化、風呂や洗濯機の大型化、シャワーの設置等)、世帯数の増加により生活用水の需要が増え、長期的には水使用量 は増加傾向にあり、一人一日当たりの平均給水量は435リットル/人・日と、全国平均の391リットル/人・日(平成7年度水道統計)に比べて多くなっています。また、工場・事業場での工業用水の回収率は、全国平均76.9%(平成6年全業種平均)に対し、本府の工業用水の回収率は52.3%(平成7年全業種平均)となっています。

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