セーフコミュニティプラン
セーフコミュニティとは
- 事故、自殺、犯罪による死亡やけがは偶然の結果ではなく、予防できるという理念のもと、行政と地域住民など多くの主体の協働により、健やかで元気に暮らすことができるまちづくりを進めるものです。
- スウェーデンの地方都市で始まった住民の手で安心・安全な社会をつくろうという運動が体系化されたものです。
- 住民と一緒に「みんなが事故、自殺、犯罪がなく、安心して暮らしていくにはどうすべきか。」を考える中で、一人一人が「気づき」を持ち、自主的な活動へとつなげていきます。
- また、データや記録から、事故などが「いつ」「どこで」「どのように」発生したかを調べ、対策に反映させるとともに、効果を検証し評価をしていくことも大きな特徴です。
プラン策定の趣旨
- モノや情報が溢れ、一見豊かな社会になったものの、その反面、人と人とのつながり、地域の絆が弱まりつつあります。その結果、人々の孤立化が進み、いろいろな不安が地域社会にまで蔓延し、子どもや高齢者が被害者となる事故、虐待、自殺、街頭犯罪などの増加の背景となっています。
- このような中、地域のコミュニティを再生し、人々を孤立させない地域社会を築くことが求められています。
- 京都府では、セーフコミュニティの取組を通じて、人と人とのつながりや地域の絆を再生し、府民の全てが安心・安全に暮らすことができるまちづくりを進めるとともに、この取組を進める地域において、事故や自殺等による死亡やけがが概ね3割削減(※1)することをめざします。
※1 京都府の最近10年間の不慮の事故や自殺による死亡者数約1,200人で計算すると、約360人もの命を守ることができます。
現状と課題
1.不慮の事故や自殺により多くの府民が死亡
- 京都府では、 不慮の事故や自殺によって毎年1,000人 以上の府民が命を失っている。交通事故による死亡者は 取締の強化などにより年々減少傾向にあるが、全体としては、依然高いレベルにある。
- また、急激に進む高齢化の中で、要介護者も増加の傾向にある。
- 事故や自殺、又は要介護状態の発生は予防可能なものであり、この基本理念を府民が認識し、一人ひとりが予防に取り組む必要がある。
2.社会的弱い立場にある人達が巻き込まれる事案が増加
- 子どもや高齢者、女性が巻き込まれる事故や犯罪が増加傾向にある。特に、高齢者が逃げ遅れにより自然災害や火災などで被災するケースが増加し、高齢者の交通事故もこの10年間で1.7倍に増加している。
- また、児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)、高齢者虐待などは、法令整備などにより住民理解が進んだことにもよるが、相談、通告件数が大幅に増加し、社会問題化している。
3.事故や傷害の増加の背景には地域の絆の希薄化がある
- 虐待、自殺等は、地域のつながりの希薄化、人々の孤立化が背景にあると指摘されている。
- また、不慮の事故、特に子どもの事故などは、地域による危険要因の除去や注意喚起などにより、未然防止も十分に可能であるが、地域の力が弱まったことにより、これらの機能が十分に発揮できなくなっている。
- さらに、地域の自衛力も低下し、街頭犯罪等の増加を招く結果にもなっている。
4.各組織の調整や連携が十分でないため、効果的、重層的な施策の取組が不十分
- 現在、様々な分野において安心・安全のための取組が進められ、また、その多くが府民の参画・協働により実施されているが、行政の縦割りの中で、個別バラバラに実施されている。
- 例えば、地域で子どもを守る取組が府、警察、教育委員会など様々な主体で実施されているが、地域において十分な連携及び情報の共有がなされていないケースもある。
- これらが地域の中で横断的に連携し、情報を共有し、共通の目標を持つことにより、相乗効果が生まれ、より効果的な取組が可能となる。
5.「現状把握~目標設定~実施~効果評価~見直し」というPDCAの確立が必要
- 安心・安全のための取組のほとんどで、取組に対する評価が十分になされていない。
- セーフコミュニティの先進国スウェーデンでは、けがに関する記録プログラムを定め、常に取組に対する評価を実施することにより、病院での外傷受療率を約3割削減(1978年~1982年)させている。
- このようにデータによる現状把握をきっちりと行い、継続して記録していくことにより、評価と見直しによるPDCAを確立し、取組を進める必要がある。
施策展開の方向
1.事故やけがは予防できるという基本理念を府民へ周知
地域住民を巻き込んだイベントの開催や安心・安全に取り組む地域グループのネットワークづくりなどにより、事故や自殺等は予防できるという基本理念を広め、セーフコミュニティの基盤づくりを進めるとともに、市町村への普及・啓発を行う。
2.社会的に弱い立場にある人達の視点に立った施策の実施
子ども、高齢者、女性、障害者など社会的に弱い立場にある人達が被害者となる事故や犯罪が増加する中、このような人達の視点に立った施策の実施が必要
また、様々な人達が施策の企画から実施までのプロセスに参画する中で、取組の趣旨を十分に理解し、効果的な予防対策の実現へとつなげていくことが重要である。
3.地域住民との協働による地域活動推進組織を整備し、地域活動を通じ地域の絆を再生
「地域の安心・安全」を合い言葉に、地域の絆、地域の力を高めるため、自治会等を核として安心・安全なまちづくりを進める地域活動推進組織を整え、自主的な活動へと導いていく必要がある。
このため、自治会、NPO等の地域活動グループやボランティアをコーディネートすることにより、地域資源を活用した行動力のある組織づくりを進める。
また、地域住民とともに、地域の安心・安全のため何をすべきかを考え、実施計画を策定し、取組をすることにより、地域コミュニティの再生による安心・安全なまちづくりを進める。
4.地域の安心・安全を共通の目標に各組織が連携・情報共有し、効果的、重層的な取組を推進
事業・取組をより効果的に実施するためには、地域の実態に合わせた事業を「選択と集中」により実行していく必要がある。そのため、地域活動推進組織については、行政の縦割りにとらわれることなく、あらゆる行政機関と連携をとりながら活動を進める体制が必要である。また、各行政機関等においては、それぞれが所管する事項に関し、連携・調整しながら、地域のニーズにあった支援や取組を円滑に実施することが必要である。
さらに、地域活動の実施に当たっては、府民の役割、市町村の役割、府の役割を十分に踏まえて、様々な主体の協働により取り組む必要がある。
そうした上で、全ての年齢層や環境をカバーする長期的かつ持続的なプログラムを策定し実行していく。
5.「現状把握~目標設定~実施~効果評価~見直し」というPDCAの確立
的確な予防対策を企画・実施するため、事故や自殺などに関する各種の統計及び拠点病院の患者情報等により、事故等の発生場所・環境、要因、症例、頻度等に関するデータを収集し、記録を行う必要がある。
併せて、これらのデータ等に基づき、地域の目標を設定し、取組の評価方策を確立し、PDCAサイクルにより取組を進めることが必要である。
重点施策
安心・安全な地域づくりを総合的に進める「セーフコミュニティ」を府域に広める。
そのため、まず、モデル地域(亀岡市)を定め、府として以下の施策を重点的に進め、日本初のセーフコミュニティの認証を得ることをめざす。
19年度日本初の認証取得のための重点施策
1. 事故やけがは予防できるという基本理念を府民へ周知
- 来年開催予定の日本セーフティプロモーション学会(仮称)を京都に誘致し、安心・安全の京都を世界にPRし、日本初の認証取得を支援
- 「けが予防推進デー」を定め、キャンペーンを実施し、セーフコミュニティをPR
- セーフコミュニティPR番組等を作成し、府民へ事故や自殺等の予防を啓発
2. 京都府安心・安全まちづくり推進プロジェクト員等(※2)が現地現場で地域活動をコーディネート・サポート
- 市町村(亀岡市)が設置するセーフコミュニティ推進協議会をサポートし、地域の自主的な活動を通じて地域の絆を再生
- 社会的に弱い立場にある人達の視点、府民目線に立った施策を提案・実施
- 地域の安心・安全を共通の目標に各組織が連携・情報共有し、効果的、重層的な取組を推進するため、現地と各部局とのパイプ役となり地域活動を支援
※2 京都府の各部局及び広域振興局において、セーフコミュニティ推進のためにプロジェクト員として任命された職員
3.現状の把握、評価のため、事故や自殺などのデータ等を収集・記録するシステムを構築
- 地域のけが等の現状を把握し、記録するため、地域の拠点病院等において、外傷データ等の収集と記録のためのシステムを構築
- 大学との連携により、地域の外傷データを分析する外傷監視のための機能を設置
府域へ拡大するに当たっての今後の検討事項
- セーフコミュニティを現地で総合的にコーディネート・サポートする体制の強化(専門的知識を持った普及員の配置等)
- セーフコミュニティを進め、地域の安心・安全を高める事業や取組に重点投資するセーフコミュニティ推進予算枠の設定など
セーフコミュニティ推進のイメージ
参考
1.政府立案メンバー
| 氏名 | 現職 | 備考 |
|---|---|---|
| 岡山 寧子 | 府立医科大学看護学科長、教授 | |
| 反町 吉秀 | 青森県東地方健康福祉こどもセンター保健部保健医長 | 参与 |
| 本田 豊 | 立命館大学政策科学部教授 | 参与 |
| 渡邊 能行 | 府立医科大学大学院医学研究科研究部長、教授 | 参与、座長 |
| 山内 勇 | 亀岡市企画管理部企画課長 |
2.検討委員会による検討結果
| 委員会 | 日時 | 場所 | 出席者 | 課題 |
|---|---|---|---|---|
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第1回 |
7月26日 水曜10時 | 亀岡市役所 |
36名 |
地域との意見交換 市の行政課題 |
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第2回 |
8月2日 水曜 14時30分 |
亀岡市役所 |
25名 |
地域との意見交換 子どもの事故防止について |
|
第3回 |
8月9日 水曜 13時30分 |
亀岡市役所 |
35名 |
地域との意見交換 高齢者等の事故防止について |
|
第4回 |
8月18日 金曜 17時30分 |
亀岡市役所 |
23名 |
地域との意見交換 不慮の事故、交通事故の防止について |
|
第5回 |
8月28日 月曜 10時 |
亀岡市役所 |
37名 |
地域との意見交換 虐待、自殺予防について |
|
第6回 |
9月4日 月曜 10時 |
亀岡市役所 |
14名 |
中間案及び地域活動推進方策について |
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第7回 |
9月19日 火曜 17時30分 |
ハートピア京都 |
18名 |
中間案及び地域活動推進方策について |
|
第8回 |
10月11日 水曜 14時00分 |
南丹広域振興局 |
17名 |
地域との意見交換 自殺予防及び介護予防 |
|
第9回 |
11月20日 月曜 17時30分 |
府庁旧本館 |
17名 |
最終案及び地域活動推進方策について |
