知事と和ぃ和ぃミーティング府民交流会 in 山城の開催結果について
知事と和ぃ和ぃミーティング府民交流会 in 山城
京都府では、府政運営の基本指針である「明日の京都」について、地域の皆さまに進捗状況をお示しするとともに、今後のまちづくりのあり方について、アイデアやご提案をいただくため、概ね2年おきに「府民交流会」を開催することとしています。
今回、平成25年9月7日に「府民交流会 in 山城」を開催し、およそ200人の府民の皆さまにご参加いただきました。
知事からの挨拶
京都府の明日を決定します「明日の京都」、「地域振興計画」の見直しに向け、2年から3年毎に開催するもので、府民の皆さまとの交流を通じまして、いただきましたご意見を府政にしっかり反映していきたいとの思いで開催しております。交流会に先立ち府民の皆さまから募集いたしました「明日の京都」づくりのためのご提案・アイデアをもとに意見を交わし、また会場の皆さまから評価をいただきながら、明日の京都の姿を共有し、府民の皆さまとともにめざす「明日の京都」の進展に役立てていきたいと考えております。
開催概要
- 日時:平成25年9月7日(土曜日)午前10時30分から午後0時5分まで
- 場所:同志社大学京田辺キャンパス夢告館
- 参加者数:200人
- 出演者:家次 昭 京都産業育成コンソーシアム常任幹事・事務局長
小山 元治 京都府茶協同組合理事長
坂上 英彦 京都嵯峨芸術大学芸術学部教授(山城地域戦略会議副座長)
谷口 知弘 同志社大学客員教授・コミュニティデザイン研究室代表
萩永 麻由加 月刊誌『Leaf』編集部副編集長
山田 啓二 京都府知事
- 司会者:竹内 弘一 KBS京都アナウンサー
知事と和ぃ和ぃミーティング府民交流会 in 山城開催チラシ(PDF:335KB)
知事と和ぃ和ぃミーティング府民交流会 in 山城出演者プロフィール
提案概要
提案・アイデア①
提案者:東本 博利 茶生産者
提案内容:『800年の歴史ある伝統の宇治茶で人を幸せにしたい』
- 高品質の日本を代表する高級煎茶、宇治茶の生産に従事し、品質を落としてはならないという思いで頑張っているが、丹精込めて作っても茶価が下がっており、コストを削減して大量生産しないと採算が合わない状況となっている。急須で飲むリーフ茶、宇治煎茶の消費拡大のための一層のPRが必要であり、「こだわり層」」の方々を中心に「幸せを感じる事の出来る飲み物」としてPRができれば良いと思う。
- 近年の異常気象に対応していくには、畑の地力を上げていく事が大切。これには刈草などの有機物や堆肥の投入が必要だが、コストも手間もかかり十分にできていない。木津川などの堤防河川敷などの刈草や竹などを資材と考え、堆肥化していただき農家に提供していただければ、環境と資源のリサイクルの点からも良いのではないか。
- 茶業研究所の方と農家が今まで以上に繋がりを持てれば、益々の宇治茶発展に繋がるのではないか。それには、より研究していただける環境で、農家と意見交換できるような新しい建物、職員の体制強化や、宇治茶の本当の価値を多くの方に知っていただくための販売戦略の研究が必要ではないか。
ディスカッション内容
- 煎茶、玉露は、先人達が苦労して800年の歴史の中でつくり上げてきた日本一の宇治ブランドである。急須で淹れたお茶は、飲んで喜んでもらえる、淹れている方も嬉しくなる「幸せを感じる飲み物」であると思う。学校では、次の世代の子供達にお茶の伝統文化を知ってもらう取り組みをしている。
- 茶協同組合、茶業研究所、大学と協働で、地球温暖化が及ぼすお茶への影響を研究している。
- 和束町の煎茶は、品評会でも優秀な成績を収めているが、手摘みなど手間をかけて生産している。手間をかけて最高品質のお茶を作ることが地区を発展させるのでこれからも頑張っていただきたい。
- 月刊誌『Leaf』で、スイーツが人気のある特集。抹茶のスイーツなど、スイーツを食べるときは、自分が幸せになりたかったり、誰かを幸せにしたくて買う。カフェのメニューで、特別な幸せを感じられるスイーツと日々の小さなハッピーを感じられるお茶のコラボがあればいいと思う。
- コラボというキーワード。農業分野の枠に限らず、メディア、環境分野と一緒になって取り組んでいく必要がある。宇治茶を世界遺産にするプラットフォームが進められているが、まさにその分野、業種、地域を越えて連携しようという取り組みである。世界遺産登録が実現すれば、山城地域を良くしていこうという大きな力になったり、勇気になっていくと思っている。
知事コメント
- 宇治茶の世界遺産登録というのは、世界遺産が目的というよりも、宇治茶の良さをみんなで改めて確認すること。
- 日本では、お茶が食事などの附属品になってしまっており、お金を取らない。だから割に合わない、おいしいお茶は出てこないという悪循環になっていると思う。本当においしいお茶をきちっと味わってもらえるシステムをつくらないといけない。お茶の淹れ方などから本当においしい飲み方を一般に広めていくことが必要。
- ご提案いただいたとおり、お茶の中には精神を鎮静する作用のあるテアニンなどが含まれており、発酵茶と異なりビタミンも豊富。健康に良い飲料であることを発信していくことが必要。
- 木津川等河川の刈草の4分の1が堆肥化されているが、残りは焼却・廃棄処分となっている。今後、使用できるようシステム化する検討が必要。
- 茶業研究所は研究機関としてはすばらしいが、単なる研究に限らず、宇治茶の情報発信を行える場所にする方向で考えていきたい。
提案・アイデア②
提案者:福永 じゅん 泉工業株式会社専務取締役
提案内容:『団塊ジュニアのパワーを結集して京都の課題を解決しよう』
- 人口比率も高い40歳代前後の団塊ジュニアが会社でも責任ある地位となっている。団塊ジュニアが京都の問題を解決するための横断的プロジェクトチーム等会社の枠を飛び越えて情報交換をし集結することで、各会社が保有する資源や多くの人材を有効的に活用できる。プロジェクトチームが、京都府の事業費予算の8掛けで解決を図れば財政の助力にもなる。
- 団塊ジュニア世代の人数に着目した課題解決の仕組みを作ればどうか。
- 中小零細企業が扱ってきた誰も手を付けずに隙間になっているニッチ市場への経営戦略では採算が取れなくなってきており、団塊ジュニアが横断的な連携をすることによって、既存の経営資本であっても大企業のように製品数を増やしたりすることが可能になってくるのではないか。
ディスカッション内容
- 非常に多くの同世代の方々がある程度共通の価値基準をもっており、それを有効活用できる場が必要ということ。学びの場、連携交流の場をつくり、そこから理念を深める場をつくる。1つの事例として京都機械金属中小企業青年連絡会は、30年以上自主運営され、試作ネットなどさまざまな取り組みが行われている。年代の連携ということであれば、企業の他業種間連携、産学公の連携、大手企業との連携等山城地域のポテンシャルを引き出し、いろいろなことに活用できると思う。
- 山城地域は、幹線道路、学研都市等の社会基盤により、将来的なポテンシャルが高い地域。ご提案を受け入れる最適な地域ではないか。
- 世界の大きな変化はマクロで起きているのでは決してなく、Macのような1人から思いから世の中が変化する。チャレンジできる枠組みを作って、山城地域で成功事例をつくってほしい。
知事コメント
- 地域の持てる力を発揮してもらうということで、地域力再生プロジェクトを実施してきた。最近はそこから、ソーシャルビジネスという考え方が出てきており、取り組んでおられるところへ支援を行っている。
- 試作ネットは、中小企業の団結を活かして既に10億円産業となり、これをさらに拡大しようと取り組んでいる。まさに、これからも私たちがやろうとしているのは分野の融合。国からの補助金を取ってきており、ソーシャルビジネス等横断的チームで能力が活かせる場をつくっていきたい。
提案・アイデア③
提案者:田原 剛 キララ商店街事業協同組合 理事長
提案内容:『ゆるキャラによるネットワークづくり』
- ご当地キャラの名前であったり、作られた背景であったり、地域の魅力が詰まっており、人の意識を変える効果もあるのが、ゆるキャラの魅力と考えている。
- ゆるキャラの効果の1つは「人もうけ」。キャラクターへのファンが増えることで地域の魅力発信をすることができる。SNSなどご当地キャラがいることで、ファンの方からPRや魅力発信をしてもらうことができる。
- 各市町村1体以上のキャラクターがあり、ゆるキャラによる広報戦略会議の実施等行政の枠を越え、京都府の広報監『まゆまろ』を先頭にゆるキャラネットワークをつくり、未来へ誇れる京都を創造したい。
ディスカッション内容
- 「人もうけ」というのはいい言葉。ゆるキャラを応援したいという気持ちが生まれるとそこに、人もお金も集まってくると思う。
- キャラクターが多く集まるというのは、面白い見せ方と思う。
- 地域づくりにあまり関心のない層に、興味を持ってもらう一つのきっかけになるのではないかと思う。鳥獣戯画など、私たち日本人はキャラクターへの興味が昔から存在している。香港でもゆるキャラでパレードして、大変多く「人もうけ」をしていた。
知事コメント
- 今、ゆるキャラパワーというのは、本来のゆるキャラの目的を超えた力を生み出している。このパワーをネットワーク化して京都全体を盛り上げていきたい。
- ゆるキャラは、地域の特徴を持っており、一つ一つの意味を持っているキャラクターを大事にしていかなくてはいけない。
- AKBのように、府内のキャラクターを集めて、そこに応援団がついてセンターは誰かみたいなことをする。そのようなことで盛り上げていく、キャラ軍団を作っても面白い。
すべてのご提案に対しまして、会場の皆さんから『いいね!』と「まゆまろうちわ」を上げていただきました。