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最新の府内の発生状況(2022年第○週)

今週のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎地図(京都府版)

丹後 中丹東 中丹西 南丹 京都市 乙訓 山城北 山城南
  • 発生なし
  • 発生
  • 注意報
  • 警報

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2025年第29週の報告です。

伝染性紅斑は今週も全国と京都府全体で警報レベルです。京都府内では乙訓と南丹の各保健所の警報レベルが継続しており、先週報告数が減少していた山城南・中丹西・丹後の各保健所で報告数が増加し、再び警報レベルとなりました。その他の疾患は、山城北の咽頭結膜熱・南丹のヘルパンギーナは今週も警報レベル、流行性耳下腺炎が南丹で注意報レベルに増加しました。

全数報告対象の疾患は結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症梅毒がそれぞれ2件、ウイルス性肝炎侵襲性インフルエンザ菌感染症侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件劇症型溶血性レンサ球菌感染症梅毒が3件、百日咳が29件報告されました。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は致死率が30~40%と非常に高くメディアなどでは“人食いバクテリア”と通称されている重症感染症です。病因となる溶血性レンサ球菌(溶連菌)は、一般的には急性咽頭炎を引き起こす細菌として知られていますが、ごくまれに傷口や粘膜などから組織の深部や血液中など通常無菌である部位に侵入してSTSSを起こします。感染経路が不明な例も多くあります。突発的に発症し、敗血症などの重篤な症状を引き起こし急速に多臓器不全が進行することがあります。京都府内では例年10~15例前後の報告がありましたが、昨年はそれを大幅に上回る年間39例の報告がありました。今年も7月中旬時点で19例と、昨年よりは少し下回るものの例年よりも多いペースで報告が挙がってきています。STSSを発症した場合は、適切で迅速な抗菌薬の投与など、集中治療が必要になります。京都府では、STSSの原因の一つであるA群溶血性レンサ球菌による咽頭炎の患者数が2023年末頃より比較的高めの水準で推移しています。手洗いや咳エチケット、傷口の清潔な処置といった基本的な感染防止対策を行ってください。

▶劇症型溶血性レンサ球菌感染症の京都府における詳しい情報は以下をご参照ください。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症について/京都府感染症情報センター