京都ジョブパーク 総合就業支援拠点

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中途障害を乗り越えて職場復帰(高次脳機能障害の事例)

企業や外部支援機関の支援を受けて働き続けておられる事例をご紹介します。(2017年7月)

イシダアイテス株式会社 技術管理課 小出さん

2001年、ハカリメーカーの(株)イシダの販売会社であるイシダアイテス(株)に入社。以来、製品・システムの技術サービスやメンテナンス業務で活躍。2014年に脳出血を発症。一命を取り留めるが、約3か月の治療・リハビリ入院。退院後、左手足に感覚マヒが残る。2016年に身体障害6級認定とともに、高次脳機能障害と診断される。2015年6月~2017年3月の復帰準備期間を経て復職し、現場に出向く同僚の後方支援業務に従事。

小出さんは非常に前向きに活動されていますが、そのきっかけは何だったのでしょうか

倒れた時は重篤だったので、もう一度働けるようになるだろうかという不安が大きかったのですが、元に戻りたいという気持ちを強くもち治療に専念しました。そして復職のために会社に相談に行ったとき、中小企業にも関わらず、上司や仲間が私の居場所をつくってくれたことが本当に嬉しかったです。また一緒に働こうという姿勢というか、そういう空気を感じたのです。それでその気持ちに応えたいと思いました。

現在の仕事の内容を教えてください

復帰後は、内勤業務に配置転換してもらいました。身体の左側の感覚がないので、得意先の現場にある機械などに接触した時のリスクを考慮し、現場での作業はしていません。

具体的には、技術サービスをサポートする業務をしています。顧客から電話を受けて初期対応後、メンテナンス準備に向けた部品調達などを行い、現場に出向いた同僚に対して電話で後方サポートを行っています。会社としても、私の経験を活用することで、これまで課題であった後方支援機能を強化できたと言ってもらっています。

業務上で配慮してもらっていることは、体調維持のために休日を他の人よりも少し多めに設定し、通勤負担を軽減するために始業を10時にずらしてもらっています。また、高次脳機能障害が原因で、時々、物忘れなどのケアレスミスがあるので、職場の仲間がサービス対応記録のチェックをするなどサポートしてくれています。そして、このような事が自然にできるように、課長自らが高次脳機能障害について勉強し、その特徴を社内で共有してくれました。

これからチャレンジしたいことは何ですか

現在は従来の半分程度の仕事しかできていませんが、もっとできるようにして最終的には元通りの仕事ができるようにしたいと思っています。もともと仕事人間なのですが、働くことは私の中で重要な生きがいの一つですから。

みなさんに伝えたいことは何ですか

高次脳機能障害の人たちが、どうにもならないと諦めの気持ちを持たないようにしてほしいです。障害からくる症状は様々で、周りのサポートの仕方や復帰のプロセスもそれぞれ違うはずです。私の事例が一つのモデルとして世の中の参考になってくれれば嬉しく思います。

 

職場の仲間より

今回、京都府・京都市をはじめ大学のドクターなど行政や外部機関の支援を受けたことにより、高次脳機能障害を本人・会社が正しく理解し、客観性を持って受け入れることができました。納得して共有できたことが、その後の社内対応や本人支援に非常に役立ったと思います。

高次脳機能障害の症状は様々ですが、業務における対応の基本は他の障害と同じでした。まず、できること、できないことを一つひとつ本人の体に覚えこませるということが重要でした。それにより、周りの者がそれを障害の特性として理解し、何を支援しなければならないかを考えて協力できるからです。

会社としては、障害があっても戦力とすべきと思っています。そのためには、もちろん一定の配慮をした上のことですが、腫物にさわるのではなく経験を生かしてバリバリと働いてほしいと思って対応しました。事実、これまで手薄であった後方支援業務が非常に強化できたと喜んでいます。

職場の仲間が小出さんに戻ってきてほしいと思い、支援環境をつくったのは、小出さんの人柄や前向きな姿勢によるものが大きいと思います。これからもその姿勢を大切にして、元気に活躍してほしいと願っています。

 

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