イワデンダ科
コウライイヌワラビモドキ
Deparia henryi (Bak.) M. Kato
                      | 京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 | 
                          
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| 2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する | 
| 環境省カテゴリー | なし | 
| 近畿レッドデータブックカテゴリー | なし | 
| 選定理由 | 日本では府内ではじめて発見されたもの。数か所の自生地が判明しているが、山城地域のものはシカの食害のため絶滅したと見られる。  | 
                  
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| 形態 | 夏緑性の多年草。根茎は短く這い、葉を接近して出す。葉は長さ60~80cm、幅20~30cm、2回羽状深裂、最下の羽片はやや短縮する。羽片の裂片は接近して付き、深い鈍鋸歯がある。側脈は2~3岐する。ソーラスはやや中肋寄りに付き、包膜は楕円形からJ型、まれにU型、全縁。 ◎参照 新日本植物誌 シダ(至文堂)pl.481a(1992)(ただし481頁の文章はコウライイヌワラビの記述であるから除く)  | 
                  
| 分布 | 本州(京都府、奈良県)、中国大陸南部。 ◎府内の分布記録区域 京都市域、山城地域。  | 
                  
| 生存に対する脅威 | 森林開発、シカの食害。  | 
                  
| 必要な保全対策 | 森林が暗くなると、衰えてゆく傾向にある。胞子からの人工繁殖・維持が望ましい。シカ防護柵も検討すべき段階である。  | 
                  
| 特記事項 | 日本では近年に認識されたため、奈良県をのぞく他のレッドデータブックには記載がない。生育地はいずれも石灰岩・緑色岩地であり、キブネダイオウなどと同様に遺存的なものだろう。日本ではオオヒメワラビモドキと誤認されやすいが、葉軸に黒色鱗片はなく、根茎は短く這う。ソーラスの形も異なる。  | 
                  
執筆者 光田重幸
