トップページ > 暮らし・環境・人権 > 環境・自然・動植物 > 京都府環境基本計画 > 「京都府環境基本計画」(第3次計画:令和7(2025)年改定)

更新日:2025年12月18日

ここから本文です。

「京都府環境基本計画」(第3次計画:令和7(2025)年改定)

1 計画改定の趣旨

(1)改定の背景と目的

地球温暖化が一因と見られる気象災害の増加や、持続可能な社会に向けた国際的な潮流など、環境を取り巻く状況の変化を踏まえ、令和32(2050)年温室効果ガス排出量実質ゼロの脱炭素社会を目指して、京都府の将来像を描くとともに、その実現を目指した施策の基本的な方向を示すために策定した京都府環境基本計画(第3次)は、令和7(2025)年12月に中間改定の時期を迎え、国の第六次環境基本計画、地球温暖化対策計画、第7次エネルギー基本計画の閣議決定等、環境行政を取り巻く状況の変化を踏まえた上で、新たな考え方や課題、それらに対応する施策を盛り込むための改定を行いました。

(2)計画の位置付け

京都府環境を守り育てる条例に基づき、環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な施策の大綱を定めるものであり、京都府の環境行政の推進に関する個別の条例、計画及びアクションプラン並びに府民と協働して取り組む施策や事業などの指針となるものです。

(3)計画の期間

21世紀半ばの京都府の将来像を見据えつつ、計画期間はおおむね令和22(2040)年までを目途とします。

2 改定の概要

(1)計画の基本となる考え方の追加

今回の改定では、これまで基本となる考え方として掲げていた環境・経済・社会の好循環の創出に加え、国の第六次環境基本計画で新たに最上位の目的として取り入れられた「ウェルビーイング」の考え方を追加しました。(京都府では、「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」と定義しています。具体的には、府民が身体的、精神的、社会的に満たされ、多様な価値観に応じた“幸せ”を実感できる状態を表し、これには、環境保全の取組を通じてその状態を高めていくことも含まれます。)

(2)施策の根幹となる3つの柱

「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」の向上、環境・経済・社会の好循環の創出を相乗的に実現していくため、以下の3つの視点を根幹として、施策を展開していきます。

環境価値の創出

スタートアップ等、将来性のある企業の集積による長期的な経済成長や先進技術の発展による安心・安全で快適な暮らしの実現

京都ならではの豊かさ

京都ならではの豊かさである南北に広がる京都の豊かな自然資本や大学・学生のまち京都における若い学生等の人的資本等の保全・活用

協働

府民や企業と府外の関係者(関係人口)を含めた一人一人の個性を活かし、連携し、自ら行動していく地域社会の実現

3 施策の展開方向

(1)分野横断的施策の展開方向

環境分野だけでなく、経済・社会の好循環を実現し、複数分野の課題を統合的に解決していくこと(マルチベネフィット)を目指し、おおむね令和22(2040)年までを目途とした分野横断的な施策の展開方向を提示します。

1.GXによる地域経済活性化と府民の脱炭素行動促進による府民の生活の質向上の実現

グリーントランスフォーメーション(GX)による産業振興を図るとともに、府内企業が連携し、脱炭素経営が評価される仕組みづくりやESG投資の推進による地域経済活性化、府民の脱炭素行動変容を促すことにより、府民の生活の質の向上(これによる、「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」の向上)を図りながら環境負荷の低減と経済の好循環を生み出す長期的な視点に立った取組を展開していきます。

(1)環境配慮型ビジネスへの評価向上とGXによる産業振興
(2)京都府独自のネットワークを活用した気候変動影響への適応ビジネスやサービス等の創出・促進
(3)企業と連携したSDGs経営・ESG投資の促進
(4)農林水産業の推進

2.安心・安全の実感につながる環境と調和のとれた強くしなやかな社会の実現

「京都気候変動適応センター」の研究結果等を熱中症対策や様々な分野の事前予測や予防措置に活用するとともに、環境と調和のとれた持続可能なグリーンインフラ等を活用した地域の防災・減災力の強化や、再生可能エネルギー等の自立電源の災害時における地域開放体制の構築等、環境保全と防災機能の向上を同時に図り、府民の安心・安全の実感(これによる「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」の向上)につながる取組を展開していきます。

(1)京都府の地域特性に応じた気候変動適応策の推進
(2)持続可能なグリーンインフラを活用した安心・安全な地域社会の形成
(3)災害に強い自立分散型エネルギーシステムの活用体制の構築
(4)災害から立ち直る力の強化

3.京都ならではの豊かな自然資本を始めとする地域資源を活用した持続可能で魅力ある地域づくりの推進

京都ならではの生物多様性保全の活動を通じた地域ネットワークの構築や、豊かな自然資本を守り活かす事業活動の実践によるネイチャーポジティブの実現等、人的資本、社会関係資本、自然資本等(地域資源)を持続可能な形で利用し、活力ある地域づくりに資する取組を展開していきます。

(1)多様な主体の協働による環境保全活動を通じた地域活性化と「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」の同時実現
(2)豊かな自然や資源を育む森の保全と利活用による地域振興
(3)京都発の技術やイノベーション創出による産業振興と環境に配慮したまちづくりの推進
(4)交流人口や関係人口を巻き込んだ魅力的な地域づくりの推進

4.「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」の向上につながる持続可能なライフスタイルへの転換

ナッジ理論の活用やインセンティブ付与等、様々な手法を用いて、府民や事業者の環境保全に対する関心や、属性(年齢や居住地)その他の特性に合わせて、「ウェルビーイング=府民が幸せを実感できる状態」の向上につながるライフスタイルへの転換を促す取組を展開していきます。

(1)脱炭素行動変容と生活の質の向上
(2)脱炭素で健康かつ快適な住まいの普及
(3)環境に優しい消費行動の標準化
(4)行動変容の促進

5.持続可能な社会づくりを支える人づくりと協働の推進

地球温暖化防止や生物多様性保全等、地球環境保全につながる活動を行う団体や環境ボランティア、「大学・学生のまち京都」の強みである多くの優秀な研究者や大学生等と連携し、世代や地域等に応じた幅広い環境教育を展開するとともに、京都府が連携の起点となって市町村の実情に応じた支援や協働の場づくりを進め、「オール京都」体制で環境問題を自分ごととして捉え、京都府の豊かな環境を未来に引き継ぐ取組を展開していきます。

(1)子どもたちへのきめ細かい環境教育
(2)環境活動を通じた社会関係資本の構築
(3)地域特性に応じた環境課題解決に向けた市町村支援と連携・協働の促進
(4)持続可能な社会の変革を担う人材や中間支援組織等による協働取組の推進

(2)環境課題の分野ごとの重点取組の推進

(1)の「分野横断的施策の展開方向」を踏まえて取り組む、あるいはそれらを支える基本となる環境施策について、令和22年(2040)までを目途とした展開方向を分野ごとに提示します。

1.脱炭素社会と持続可能な経済成長の同時実現に向けた取組の加速化

令和32(2050)年温室効果ガス排出量実質ゼロに向けて、徹底した省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの最大限の導入等、脱炭素化を進めるとともに、持続可能な経済成長の同時実現を目指します。

(1)徹底した省エネルギーの推進
(2)再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組
(3)フロン対策の推進
(4)温室効果ガス吸収源対策・施策

2.循環型社会を目指した循環経済への移行の促進

環境負荷のより少ない物品・サービスの選択が当たり前になるとともに、プラスチックごみを始めとする廃棄物の3R・資源循環がより進む循環経済(サーキュラー・エコノミー)が構築され、廃棄物が限りなく削減された循環型社会の実現を促進します。

(1)3R・資源循環の促進
(2)消費者の意識啓発
(3)プラスチックごみの削減
(4)食品ロスの発生抑制
(5)環境保全型農業の推進
(6)流域一帯で取り組む海岸漂着物対策

3.安心・安全な暮らしを支える生活環境の保全と向上

環境基準の達成に向けて人間活動による環境負荷の低減を進めるとともに、環境モニタリングの実施と情報発信及び新たな環境リスクに備える体制の強化と気候変動による影響や災害に備えた環境対策を推進することにより、快適な環境を維持し、安心・安全な暮らしを支えます。

(1)府民の安心・安全を支える環境モニタリングの実施と情報発信
(2)環境影響評価制度の総合的な取組の展開
(3)環境リスクの高い有害化学物質等による環境影響の防止
(4)京都府の地域特性に応じた気候変動適応策の推進
(5)災害時に地域で電力供給できる再生可能エネルギーの導入促進
(6)災害時の廃棄物処理体制の強化
(7)不法投棄等の監視指導の強化等による未然防止

4.自然と生活・文化が共生する地域社会の継承

従来の生態系維持・回復対策に加え、多様な主体が積極的に関わる共生型の生物多様性の保全と利活用を進めることにより、ネイチャーポジティブの実現を目指し、生態系と生活や文化が共存共栄する社会を持続可能なものとして将来に引き継いでいきます。

(1)森里川海のつながりの回復による多様な生態系の保全
(2)人の積極的な関与による里地・里山の再生
(3)豊かな農林水産資源の保全・利活用
(4)生物多様性を未来に受け継ぐための知見の集積、人材育成
(5)外来生物による生態系等への影響に対する早期対策

4 計画の推進

  • それぞれの分野の個別計画における点検結果や各施策の実施状況、課題等を整理して総合的に評価した上で、その結果を環境審議会で検証し、徹底したPDCAサイクルにより、進行管理を実施します。
  • 令和22(2040)年のあるべき姿を見据えつつ、おおむね5年ごとに見直しを行うこととします。

計画全文・概要資料等

検討経過(京都府環境審議会)

府民意見提出手続(パブリックコメント)の状況

参考

お問い合わせ

総合政策環境部脱炭素社会推進課

京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町

ファックス:075-414-4705

datsutanso@pref.kyoto.lg.jp