人権口コミ講座 165
他人事(ひとごと)ではない
性的少数者の生きづらさ
中京大学教養教育研究院教授
風間 孝
メンタルヘルスを悪化させがちな現状
日々の生きづらさにより、性的少数者はメンタルヘルスを悪化させがちです。大阪市民を対象にした調査(2019年)では、性的少数者の割合は3.3%。性的少数者のうち自殺を考えたことのある人の割合は、同性愛者・両性愛者29.0%、トランスジェンダー37.5%で、異性愛者・シスジェンダーが7.2%だったのに対し非常に高いものでした。自殺を考える割合が高い理由として、偏見や差別を恐れて自らの性の在り方を隠すことによるストレスがあります。メンタルヘルスの悪化は日常のささいな言葉や態度によっても、もたらされます。特定の人や集団を軽視したり侮辱したりする、ささいな言動をマイクロアグレッションと呼びます。これには意図した場合だけでなく、意図せずに行われる場合があります。男性に向けられる「どんな女性がタイプ?」など異性に惹(ひ)かれることを前提とする発言や、女性に見える人を「そこの女性」と呼ぶことなどが含まれます。その多くは無意識に行われています。
周囲に性的少数者がいることを前提に
無意識に傷つけないために私たちができることは、周囲に性的少数者が存在していることを前提にして、人と接することです。このように考える人が増えれば、性的少数者のストレスも減っていきます。性の多様性は誰にとっても身近な問題です。性的少数者であるかどうかは目で見ても分からないことが多いことを考えれば、皆さんの大切な人の中に自らの性の在り方で悩んでいる人がいる可能性は高いのです。あなたの大切な人が苦悩しているかもしれません。性的少数者の生きづらさは誰にとっても他人事ではないといえるでしょう。
※令和7年1月発行の「人権口コミ講座26」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。
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