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植物園よもやま話

八天桜、佐野藤右衛門と京都府立植物園 (令和2年4月24日)

遅咲きのサクラ品種‘八天桜’が開花しています。
長崎県佐世保市柚木町に原木があったものを京都の桜守として著名な佐野藤右衛門氏が発見し、自身の桜園で増殖された品種です。
当園には佐野氏のご厚意で平成27年1月に分譲いただき、桜品種見本園で栽培しています。
この桜の特徴は、一見すると菊咲きのように見えながら、1花の中に雌しべを複数持ち複数の八重咲き花が一房のなかに渦巻き状に同居するように咲くことです。
遅咲きのサトザクラ、なかでも花弁数が百枚以上となる菊咲きの品種にはいわゆる段咲きと呼ばれ、外花の中に内花ができるものがありますが、それとも違い雌しべの数だけ別々の花が背中合わせに同居するという非常に珍しい咲き方です。

はってんさくら

佐野家は京都に代々続く植木職で、当代の佐野藤右衛門氏で第16代と伝えられています。
じつは、佐野園と京都府立植物園は桜を通じて長く深い関係であり、当園の桜コレクションの礎は佐野園によって形作られたとも言えます。
大正時代に当園の前身「大典記念京都植物園」が計画されたとき、最初の技師として任命された寺崎良策は明治神宮の神苑の設計技手でありながら東京帝国大学駒場農場も兼務していました。
この駒場農場には、水害対策による河川改修や費用の面で維持が難しくなった荒川堤の桜(世に言う‘江北の五色桜’)が集められていました。
もともと荒川堤の桜とは、幕末と明治維新の時代の渦の中で存続が危ぶまれた江戸時代以前に作出された貴重な桜品種を駒込の植木屋高木孫右衛門が保護し、初代の江北村村長になった清水謙吾が桜並木として荒川の堤防に植栽したものです。
この荒川堤の桜を、我が国近代植物学の権威であった三好学が調査し記載したことで、貴重な江戸時代以前の桜品種が現在まで存続できることとなりました。

京都で植物園を作るにあたって寺崎良策は、嵯峨の植木職であった先々代の佐野藤右衛門氏(第14代)に、駒場農場から荒川由来の桜品種を送り、京都で増殖し植物園へ植栽するよう依頼したことが記録に残っています。
それ以降も、戦後に荒廃した植物園の再開園時には、多くの桜を植物園に納入するなど先代、当代の佐野園から様々な桜が植栽されてきました。

このような歴史を経て、京都に於いて江戸時代以前に作出された桜品種を今現在も来園者の皆さまに観賞していただけることに、先々代、先代、当代の佐野藤右衛門氏、佐野園の大きな尽力があったことを、改めてお伝えしたいと思います。

アオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)開花しました!(平成28年8月1日)

6月9日付けで報告していましたとおり、センチュリー・プラントとも呼ばれるアオノリュウゼツランが、7月下旬に開花しました!

ひとつひとつは、わりと地味~な花で、花被片(花びら)はあまり開かず6個の雄蘂と1個の雌蘂が突き出ています。

これが束になって、ひとつの房に200個程度集まっているとされます。

花茎は7~8m程度あり、下から見ていては花の詳細が観察できないので、担当職員は高所作業車を使って花の写真を撮影してみました。

開花後は、この個体は枯死してしまいますので、一生に一回だけの開花を観察できるチャンスです。

アオノリュウゼツラン1

アオノリュウゼツラン2

センチュリープラント(百年植物)が咲きそうです!(平成28年6月9日)

30年から50年の間にたった一度だけ開花する、南米原産のリュウゼツラン科植物アオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)が、今夏開花しそうです!海外では100年に一度だけ咲く植物という意味で「センチュリープラント(century plant)」とも呼ばれているようです。

あがべ

5月頃から花茎を伸ばし始め、まるでタケノコのようにぐんぐん高く育ってきました。本日現在の高さはおよそ5mほどになっています。

7月下旬ころには開花するのでは?と、観察しているのですが、淡黄色に咲く花の数は数千個にもなるとされます。一回結実性で、開花すると枯れてしまう植物です。

開花情報は改めて発信しますので、ぜひ観察しにご来園ください!

未来君広場北側エリアに植栽しています。

高所作業車による観察(平成28年3月25日)

園内の樹木が展葉する前に、ヤドリギと思われる個体を高所作業車の上から観察しました。樹齢約90年のエノキの枝にあったものは、実はヤドリギではなく残念ながらテングス病にかかり、枝が異常に密集したものでした。そのため採取後、この枝を処分しました。

テングス病の写真テングス病にかかった枝 

テングス病の写真

次に針葉樹林のツガの大木(樹高25メートル)にあったヤドリギらしきものは、「マツグミ」という針葉樹に寄生する常緑性のヤドリギ科の植物でした。これは植栽したものではなく、鳥が種子を運んだものだと思われます。京都府では準絶滅危惧種に指定されている珍しい植物です。夏に開花し果実は翌年の春に赤く熟します。

マツグミの写真

マツグミの写真

植物園のものは、まだ果実が緑色でした。 

高所作業車作業の写真

普段、高所作業車は、来園者の安全を確保するための枯れ枝の除去や剪定作業に使用しますが、このように地上からは観察できない植物の観察や種子採取などにも活躍します。 

暖冬による影響(平成28年1月6日)

新年あけましておめでとうございます。今年も1月5日から開園しております。どうかよろしくお願いします。
昨年は11月頃から最低気温が下がらず、紅葉の見頃も例年より2週間ほど遅くなり、12月上旬になりようやく美しく紅葉しました。

パールアカシアの写真 パールアカシアの花の写真

未来君広場で咲くパールアカシア

暖冬の影響は植物にいろいろな影響が出てきています。未来君広場では、本来なら4月に咲くパールアカシアの蕾が膨らみ12月から咲き始め、現在一斉に咲いています。

ロウバイの写真 ソシンロウバイの写真

ロウバイ(写真左:梅林)とソシンロウバイ(写真右:盆栽・鉢物展示場)

ロウバイは12月上旬には咲き始めましたが、落葉しないまま開花していたため花が目立ちませんでした(1月に入り落葉が進み、やっと花が目立つようになりました)。

梅林では例年なら2月上旬に咲き出す早咲きの品種がすでに開花してきました。
今後の気象状況にもよりますが、昨年の紅葉時期からつづく温暖な気候が植物にどのように影響し、休眠や開花などフェノロジー的にどのように変化するか観察をしていき、それに対応した管理が求められます。

 

過去分

平成27年(2015年)

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平成17年(2005年)

 

 

お問い合わせ

文化スポーツ部文化政策室 植物園

京都市左京区下鴨半木町

ファックス:075-701-0142

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